IECP Intelprise-Enterprise Collaboration Program

広がる情報社会学

2006年 6月 28日 (水)

通識と智本

講師:公文 俊平
所属:国際大学GLOCOM代表、多摩大学情報社会学研究所長
日時:2006年6月28日(水) 午後2時~午後5時
終了しました

概要:

本セミナーでは情報化が進んだ社会の「通識」「智本」について考える。この「通識」「智本」は産業社会での「商品」「資本」にあたる。
 公文はこれまでの情報社会学研究の成果として「S字波理論」を提唱した。この理論によれば近代化は国家化、産業化、情報化の、次々に起こる三つの波の複合からなり、現在は産業化の成熟局面、情報化の出現局面が平行して進んでいる。産業社会/資本主義では、販売を前提とした「商品」が生産され、それを流通させ、増殖させるものが「資本」である。情報化が進むと、これに対応する通有を前提とした「通識」、それを流通させ増殖させる「智本」が登場して、「商品」「資本」とともに社会の基本的な要素となると考えられる。
 産業社会の初期段階では「商品」「資本」に対する理解も浅く、現在のように高度に成熟した市場や流通機構は存在しなかった。情報社会の「通識」「智本」についても同様であり、将来情報社会が成熟した際に、社会で智がどのように生産され、流通するかについては、その兆しが現れているのみである。
 本発表では、「通識」がどのような形態を取るか、通識の蓄積である「通識ベース」の構造はどのようなものか。「智本」がどのように通識を引き出し、流通させるのかといったことを考察し、現在現れている「前期智業」とでも言うべき運動・組織の事例を参照しながら、成熟した情報社会のかたちについて議論する。

講師プロフィール:

公文 俊平(くもん・しゅんぺい)
国際大学グローバルコミュニケーションセンター代表/多摩大学情報社会学研究所長
1935年高知生まれ。東京大学経済学部、同大学院をへて、米国インディアナ大学経済学部大学院修了(Ph.D)。1965-1988年東京大学教養学部に勤務。1980年代には、第二次臨時行政調査会専門委員や臨時教育審議会専門委員として行政改革に関与。1993-2004年国際大学グローバルコミュニケーションセンター所長。現職の他にも、情報社会学会会長、CANフォーラム名誉会長を兼ねる。著書に『社会システム論』(日本経済新聞社、1978年)、『情報文明論』(NTT出版、1994年)、『情報社会学序説』(NTT出版、2004年)、『文明としてのイエ社会』(共著、中央公論社、1979年)など。

速報:

6月28日のIECPセミナーでは、公文俊平GLOCOM代表が「通識/智本論」をテーマに発表を行った。発表では、公文氏は来るべき情報社会においてパワーの源泉となる「通識」「智本」について論じた。これは、これまでの公文氏の情報社会研究からさらに一歩踏み込んだ内容となる。質疑応答では智本の性質など、本質的な問題についても活発な議論が交わされた。


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