2006年 9月 28日 (木)

講師:松山 遙氏
所属:日比谷パーク法律事務所 パートナー弁護士
日時:2006年9月28日(木) 午後2時~午後5時
終了しました
ここ数年で、わが国でも敵対的買収・敵対的TOBが行われる時代となった。昨年マスコミをにぎわせたテレビ局に対する買収案件のみならず、最近では同じ業界における事業会社どうしの敵対的TOBも行われている。
このような敵対的買収に対して、信託型ポイズンピルや事前警告型など様々な防衛策が議論され、昨年から本年にかけて、防衛策を導入した企業も多い。
しかし、実際に我が社に敵対的買収・敵対的TOBがかけられたときに対抗するための手段は、いわゆる買収防衛策だけではない。
会社の経営支配権を争う攻防の中では、我が社にとっての最終的な目標は何かを意識し、限られた時間の中で最も有効な手段・方法は何かを考えながら迅速に行動することが必要であり、最も有効な手段・方法を判断するためには会社を取り巻く法律(会社法・証券取引法)の仕組みを理解しておくことが重要である。
特に敵対的買収防衛においては最終的に司法の判断を仰ぐことが多いが、ここで問題となる訴訟手続はいわゆる紛争の事後的処理としての何年もかかる訴訟ではなく、時々刻々と事態が変わっていく中で数日・数週間で決着しなければならない仮処分である。判決が出れば紛争は事実上解決する訴訟とは異なり、仮処分の場合には状況の変化に応じて次の手を考えながら最終的な紛争解決を図っていかなければならない。
本講演では、このような敵対的買収防衛の特殊性をふまえながら、時々刻々と状況が変化していく中で対抗手段をどのように考えていくべきか、事後的な紛争処理ではない将来に向けての生きた訴訟戦略のあり方などについて、昨今の事案を例にとりながら考察していきたい。
【経歴】
東京都生まれ、東京大学在学中に上級国家公務員試験(法律職)合格、
司法試験合格
平成5年3月 東京大学卒業
平成5年4月 司法修習生(47期)
平成7年4月 東京地裁判事補 任官
平成12年7月 弁護士登録(第二東京弁護士会)
【専門分野】
○会社法(株主代表訴訟、株主総会運営、合併・企業買収等、その他一般企業法務等)
○証券取引法
○著作権関連訴訟
○その他金融商品等に関する損害賠償訴訟、名誉毀損、医療過誤に基づく損害賠償訴訟等
【著作】
○ 日経BP実践MBA④『MBA訴訟戦略』 日経BP社
○『平成14年商法改正のすべて』(共著) 商事法務
○『委員会等設置会社への移行戦略』(共著) 商事法務
○『平成14年改正商法 勉強会ノート』(共著) 商事法務
○『ハンドブックシリーズ3 取締役・執行役』(共著) 商事法務
○「譲渡制限会社の実務 新会社区分と選択できる機関設計」
旬刊経理情報 No.1047 2004年4月10日号
○『会社法現代化と実務への影響』(共著) 商事法務
○『実務相談 株式会社法-補遺-』(共著) 商事法務
○「短期・付随的な業務の受任・実効における専門家責任 会計参与の受任」
税理 2005 vol.48 No.1
○「買収防衛策導入時の株主総会実務」ビジネス法務 2005 vol.5 No.11
○『実務対応 新会社法Q&A』(共著) 清文社
○「数字で考えるビジネス訴訟戦略」Think! 2005年10月号
○「新会社法対応株主総会実務―定款変更議案作成のポイント(1)公開大会社」
「 〃 (2)公開大会社以外の会社」 ビジネス法務 2006 vol.6 No.3・No.4
○「商法から会社法の移行期に対応 6月総会対策の総仕上げ
-経過措置をふまえた18年総会のポイント」 ビジネス法務 2006 vol.6 No.5
平成18年9月28日、国際大学GLOCOMで開催されたIECP研究会では、松山 遥(まつやま はるか)弁護士を講師としてお迎えし、「昨今の買収防衛事例に見る戦略的企業訴訟のあり方」と題して講演して頂いた。その要旨は次の通りである。
日本でも昨年IT企業による買収が話題になったが、最近では同一業界における事業会社同士の敵対的TOBに見られるように敵対的買収が急増している。このような敵対的買収に対し、信託型ポイズンピルの導入や事前警告型買収防衛策の公表等の各種の防衛策を講ずる企業も増加している。
しかし、敵対的買収や敵対的TOBに対する対抗策は所謂買収防衛策に留まらない。敵対的買収の目標が買収対象会社の経営権の取得にあることを考慮すると、問題となる手続きは、終局的な紛争解決を図るため時間を要する訴訟ではなく、時宜に応じた迅速で機動的な対処策を決定する仮処分である。
仮処分を念頭において買収防衛策を検討する際には、先ず、短期間に対応策を立案するために検討体制を即時に構築し、タイムスケジュールに従い、時々刻々変化する情勢に応じた対応策を的確に採用する必要がある。
これに対し、敵対的買収に係る訴訟に勝訴しても最終目標を達成したことにならないことが多い。従って、最終的な目標を十分認識し、目標達成のために訴訟以外になすべき対策や交渉を並行させることが重要である。
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