
講師:高澤 真治氏 (日本SGI株式会社 アドバンスドテクノロジーコミッティ チーフ Linuxコンサルタント)
時間:午後2時~午後5時 終了しました
インターネット基盤が拡充されるに伴い、さまざまな分野でネットを活用した新しいビジネスモデルが次々と誕生している。ソフトウェア開発分野において近年とくに注目を集めているのがオープンソースソフトウェア(OSS)である。コードを公開し、情報を共有し、適宜改良を重ねていくというプロセスで開発が進むOSSは、日本のソフトウェア産業そのものを大きく変える可能性を秘めている。OSSは、ネットから無償で入手できる便利さから今後の利用拡大が期待されている。しかし、その背後にはコミュニティという開発者集団の貢献が重要な役割を果たし、個人や企業の支援によって支えられているという事実を見落としてはならないだろう。また、OSSへの期待が高まり実際に利用が増えている反面、なかなかOSSはビジネスにならないという現実も見え隠れしている。
本研究会では、OSSコミュニティとLinuxビジネスの両面で深い経験と実績を持つ高澤真治氏を講師をお招きし、OSSの登場からコミュニティ形成の経緯、OSSの現状と課題、利用状況および市場性、さらにアジア地域の動向について解説していただく。OSSに関わる今日的なトピックの解説に加えて、日本のソフトウェア産業に与えるインパクトやビジネスでのOSS利用の展望 についても、個人的な立場から意見を述べていただく予定である。
高澤 真治 (たかざわ・しんじ)
1960年生まれ。1985年、早稲田大学理工学卒。コンピュータメーカーでSEの経験を経たのち、1999年に日本SGI株式会社に入社し、Linuxビジネスの推進等を担当。2001年、OSDLジャパンの初代ラボディレクターに就任し、Linux業界で幅広く活動。2004年、日本SGIへ復職し、エンタープライズLinuxソリューションセンター・エグゼクティブ・コンサルタントに就任。2005年から現職。2006年からエンタープライズ事業推進本部副本部長を兼任。その他、LPIジャパン理事(1999-2001,2006再任)、日本Linux協会副会長(2000-2001)、情報処理推進機構(IPA)OSS活用基盤整備事業審議委員・専門委員、OSSセンター技術WG(現職)、総務省セキュアOSに関する調査審議委員(2001)、Open Source Collaboration Joint network (OSCJ.net)運営委員 (現職)、琉球大学工学部非常勤講師(現職)、早稲田大学OSS研究所客員研究員(現職)、国際情報化協力センター(CICC)アジアOSS運営委員及び普及推進小委員会委員長(現職)などを兼務。
小林寛三氏(ITコーディネータ協会事務局/国際大学GLOCOM客員研究員)
高澤真治氏は、企業や政府、地方自治体などで導入が進んでいるオープンソースソフトウェア(OSS)の現状と課題について約1時間半の講演を行った。高性能LINUXサーバで動作・表示させたグラフィック映像を紹介しつつ、OSSの実際の利用や普及についても解説。OSSが開発コミュニティからユーザーに届くまでの経路を示した上で、動作確認や構築システムなどがビジネスの源泉になっていることを指摘した。また、コミュニティは、多数の賛同者が集まり活動を進めていく「バザールモデル」でOSSの開発を進めてきたことを示し、開発者とユーザーが近い関係にあることで継続的な開発やメンテナンスに役立っているとした。さらに、日中韓OSS推進フォーラムを設立するなどアジアにOSSを普及させる動きがあることを紹介した。講演の後には、参加者から質問や意見が相次ぎ、とくにITエンジニアの仕事環境やOSSビジネスの可能性について活発な意見交換が行われた。
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