IECP Intelprise-Enterprise Collaboration Program

繋がる世界:来るべきユビキタス・ネットワーキングの時代

講師:Kenneth Neil Cukier氏 (英エコノミスト誌記者/GLOCOMフェロー)
時間:午後3時~午後5時 終了しました

概要

 人々の前にあるデスクトップPCで成り立つようなネットワークから、今インターネットは、あらゆるデバイス―車から洗濯機、ビルのセンサ、橋、木々、人間に至るまで―が、主に無線ネットワーキングを通じてコミュニケーションするものへと変わりつつある。まるでSFのように聞こえるかもしれないが、既にその初期段階のものは存在しており、10年後にはこの技術はごく一般的なものとなるだろう。この「ユビキタス・ネットワーキング」は、50年前のコンピュータの登場がそうであったのと同様に、世界の多くのものを変えていくことになるだろう。
 しかし、多くの人々はユビキタス・ネットワーキングを漠然としたものとして捉えている。この講演では、現存する特定の技術や現在展開されている製品を、①背景 (ユビキタス・ネットワーキングへの原動力となるコンピュータ・プロセッサや無線デバイスの基調となる技術的トレンドとは何か)、②分類(どのような無線技術があり、それらはどのように働くか)、③ユビキタス・ネットワーキングの3つの事例(車、工場のセンサ、体内医療機器)、④本当の無線(「無線エネルギー転送」に関して)、 ⑤ガバナンス(潜在的課題と、インフラストラクチャを支え市民を保護するために必要な規制に関して)の観点から具体的に検証していく。

講師プロフィール

『ウォール・ストリート・ジャーナル』の香港支局勤務、『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』のパリ支局勤務、英政治経済誌『エコノミスト』の科学技術担当記者を経て、現在、東京駐在記者。2002年から2004年には、ハーバード大学ケネディ・スクールで研究員を務めている。2001年には、インターネット・ガバナンスにおける同氏のジャーナリストとしての業績が認められ、GLOCOMフェローに就任した。同氏はまた、米外交問題評議会の任期付会員であり、ダニエル・パール財団の諮問委員会委員でもある。同氏のホームページは、次を参照のこと。www.cukier.com

速報

 「僕の血管に埋めこまれたセンサーが、血圧の微妙な異変に気づいたようだ。彼は無線で8時間分の履歴をセンターに転送した。かかりつけの医者は、すぐにその原因がわかったようだ。急いでディスプレイにむかい、マウスをクリックした。僕の臓器内のマイクロマシンに投薬を指示するためだ。一月前にこんな『治療』が行われていたとは。それを知ったのは、今日の定期健診のときだった」
 これは、決してSFの世界の話ではない。必要なテクノロジーがすべて整ったのだ。子どものころに描いた夢の世界は、いままさに現実のものになろうとしている。こう語るのは、英政治経済誌『エコノミスト』記者のKenneth Neil Cukier氏。
 2007年には全世界で約100億個のマイクロプロセッサが出荷される。無線デバイスの小型化、省電力化、低価格化は指数関数的な動向だ。ユビキタスとは「存在を意識させない」という意味がある。「考える小人さん」が、我々の知らぬまに、せっせと世の中を便利にしてくれる。数多くの実例、そして近未来の世界を、熱く語っていただいた。

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