
講師:田中 辰雄(国際大学GLOCOM主幹研究員/慶應義塾大学経済学部准教授)
楠 正憲(国際大学GLOCOM客員研究員)
砂田 薫(国際大学GLOCOM主任研究員/准教授)
時間:午後3時~午後5時 終了しました
日本のソフトウェア産業は技術レベルは高いものの、輸入超過で国際競争力がなく、世界的な天才プログラマーも見当たらないといわれます。それでは日本のソフトウェア産業の未来は、どこにあるのでしょうか。このような問題意識から、国際大学GLOCOMでは機関誌『智場』最新号で日本のソフトウェア産業の未来を探る特集「日本のソフトウェア産業 人材,競争力,未来」を組みました。本特集では、産業構造、人材、歴史という観点からソフトウェア産業を多面的に論じました。最新のサービス動向やゲーム業界の状況をまとめ、産業構造や産業政策のあり方を論じたほか、「天才」と呼ばれる日本人プログラマー達へのインタビューを軸に、人事制度や人材育成の課題にも切り込んでいます。今回の研究会では、本特集を貫くテーマとなった産業構造における「モジュール化」や「統合化」といった視点から、日本のソフトウェア産業の競争力を分析するとともに、人材面や産業政策の課題を考え、未来を展望します。 ※今年6月から7月にかけて、IECP研究会連続4回シリーズ「日本ソフトウェア産業の再生」を開催し、Saas、オフショアリング、人材育成、オープンソースの4つの観点から議論を展開してきました。今回のIECP研究会はその延長線上にも位置づけられるものです。 ※なお、ご参加いただく皆様には「特集:日本ソフトウェア産業の人材・競争力・未来」を掲載したGLOCOMl機関誌『智場』110号をテキストとして無料配布いたします。
・田中 辰雄(たなか・たつお)東京大学大学院経済学研究科修了後、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター助手、コロンビア大学客員研究員、慶応大学経済学部専任講師、同助教授を経て、現在、同准教授、専門は計量経済学で、情報通信産業を対象に実証分析を続けている。現在の関心事は、著作権の経済分析、コンテンツ産業論、モジュール化と統合化など。
・楠 正憲(くすのき・まさのり)
大学在学中からECサイト、モバイルコンテンツなどの起業に参画。1998年インターネット総合研究所入所、通信事業者向けコンサルティング、インターネットエクスチェンジの運用監視、電子決算ASP等の設計構築などに従事。2002年マイクロソフト入社。政策企画本部技術戦略部長などを経て2006年5月よりCTO補佐、並行して2002年よりGLOCOMで情報通信政策、ソフトウェア産業などの研究に従事。
・砂田 薫(すなだ・かおる)
国際大学GLOCOM主任研究員・准教授。東京大学人文社会系研究科博士課程退学(社会学修士)。ビジネス系ITジャーナリズム分野での執筆・編集活動を経て、2003年国際大学GLOCOM入所。2005年12月より現職。情報システム学会理事。
著書に『起業家ビル・トッテン』(コンピュータ・エージ社)、訳書に『テレコム・メルトダウン』(NTT出版)などがある。
現代のソフトウェア開発において、すべてのプログラムをゼロから作り上げるプロジェクトは少ない。外部の『モジュール』を、なんらかの形で組み込むのが普通だ。これら、有償・無償のモジュール群は、企業の境界を超えたグローバルな開発分業がすすむ。他方で、日本のソフトウェア業界は、カスタムソフトや組み込みソフトなど、『垂直統合型』の開発を得意としてきた。
ASPをはじめとするネット上のソフトは、モジュール化をベースに大きな発展をとげた。日本におけるソフトウェアの輸入超過は既定路線で、統合型の開発手法は世界から取り残されたかのように見える。岐路に立たされた我が国のソフトウェア業界が進むべき道はいかなるものか。米国型の天才プログラマー主導による開発は、果たして有効なのか。識者3名による熱い議論が交わされた。
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