IECP Intelprise-Enterprise Collaboration Program

危機に瀕するインターネットの本質
The Essence of the Internet is in Danger

■講師:David Isenberg (isen.com代表、「プロサルタント」、GLOCOMフェロー)
 逐次通訳付。
終了しました

概要

インターネットは元来、異なる種類のネットワークを繋ぐためのネットワークとして設計された。当然の結果として、インターネットプロトコルの設計はネットワークごとに異なる差異を捨象し、価値を生み出すアプリケーションをインターネットの端に移した。これにより、インターネットは電子メール、ウェブ、そしてインターネット電話等のイノベーションを生み出しながら、未曾有の創造性を育み、迅速に市場を見出すための基盤となることが可能になったのである。現在、インターネットレイヤは世界共通のものとなったため、インターネットを再び価値創造プロセスに組み込もうとする努力が成されている。その努力には、ディープ・パケット・インスペクションやレイヤ7スイッチなどの技術、IMS(Internet Multimedia Subsystem)や異なるプロバイダのネットワーク上に広がるセッションを管理する機能を備えたIP SphereのSSR(Session Services and Resource Management)などの新しいプロトコル等が含まれる。こうした努力は、ネットワークサービスのコモディティ化を危惧する電話会社や機器メーカによって推進されている。この努力が一体アプリケーションに利益をもたらすのか、あるいは新しいアプリケーション開発に繋がるのかは不明である。それどころか、こうした努力が実を結ぶと、インターネットで今まで培われてきた創造性やイノベーションに対する障壁となることが大いに懸念されている。

講師プロフィール

David Isenberg(デビッド・アイゼンバーグ)isen.com代表、「プロサルタント」、GLOCOMフェロー。AT&Tベル研究所に12年間勤務した後、1997年に『スチューピッド・ネットワーク(愚かなネットワーク)の台頭』と題した論考を発表。同論考では、既存の通信ビジネスモデルの技術的基盤を分析した上で、新技術がいかに通信ビジネスに変化をもたらすかという議論を展開した。また、今日の情報通信における大変動を予見し、未来の新しいネットワークを推測した。『ステューピッド・ネットワークの台頭』は、AT&T以外の世界中の通信コミュニティにおいて好評を博した。同氏は1998年にAT&Tを退職。米コネティカット州コス・コブに本拠を構え、独立した通信分析の「プロサルタント」会社としてisen.comを設立。isen.comが発行するメールマガジン「SMART Letter」で、通信革命とその反対勢力に関して論評を公開している。

速報

インターネットの物理層が、知的な判断力を持ちはじめた。帯域制御機能を物理層にそなえたNGNが採用され、不正パケットを排除するために、Deep Packet Inspectionが公然と行われている。講師のDavid Isenbergは、このような傾向に警鐘を鳴らす。 5月13日のIECP研究会では、通信分析に造詣が深く、インターネット黎明期から通信のあり方について論考を発表している、isen.com代表でGLOCOMフェローのIsenbergを迎え、危機に瀕するインターネットの本質について、講演がおこなわれた。通信会社が、自社のサービスを普及させるために、競合サービスのパケットを操作している実例などが紹介され、インテリジェントネットワークの問題点が多く指摘された。Isenbergは、Stupid Network、すなわち何も考えない中立なネットワークこそ、次世代のネットワークの発展にとって重要である、という点を何度も強調した。

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