IECP Intelprise-Enterprise Collaboration Program

「AR時代の技術」(シリーズ「オーグメンテッド・リアリティ(AR)時代の世界」第2回)

■講師:稲見 昌彦(慶應義塾大学大学院 教授)
  長谷川 晶一(電気通信大学 准教授)
終了しました

概要

『セカンドライフ』のようないわゆる仮想世界から『攻殻機動隊』や『電脳コイル』に見られるようなオーグメンテッド・リアリティへの、シフトがいま注目されている。オーグメンテッド・リアリティとは、画像や注釈といった情報を環境の上に重ねる技術として知られており、もう少し直感的に言えば、現実空間にホログラムを投影するような技術だと思ってもらってもよい。『攻殻機動隊』や『電脳コイル』は、そういった技術が全面化した未来社会を描いたアニメーション作品として、近年高い評価をうけた。  また、こうしたSF作品によって具体的な未来のイメージが提示されたのみならず、実際のオーグメンテッド・リアリティの技術的な進展も驚くほどに興味深い段階を迎えてきている。 では、こうしたオーグメンテッド・リアリティが現実化したとき未来の世界はどのように変わっていくのだろうか。技術論、制度論、身体論などからシリーズで分析を加えていく。第1回の社会・制度論に引き続き、第2回となる今回は技術の観点からAR技術の進展を確認してゆく。オーグメンテッド・リアリティの技術がいま、どこまできているのか、その全貌を確認してゆきたい。

講師プロフィール

・稲見 昌彦(いなみ・まさひこ) 1972年東京都生まれ。1994年東京工業大学生命理工学部生物工学科卒。1996年同大学大学院生命理工学研究科修士課程修了。1999年東京大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。東京大学リサーチ・アソシエイト、同大学助手、電気通信大学講師、同大学助教授、、同大学教授、マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所客員科学者を経て2008年4月より慶應義塾大学 大学院 メディアデザイン研究科 教授。科学技術振興機構 ERATO 五十嵐デザインインタフェースプロジェクト グループリーダー。情報処理学会論文賞、IEEEVirtual Reality Best Paper Award等受賞歴多数。
・長谷川 晶一(はせがわ・しょういち) 1997年東京工業大学工学部電気電子工学科卒業。1999年同大学大学院知能システム科学専攻修士終了。同年ソニー株式会社入社。2000年東京工業大学精密工学研究所助手。2007年電気通信大学知能機械科助教授。同年准教授、現在に至る。EuroHaptics 2004 Best Paper Award、EuroGraphics 2004 Best Paper Award、ACE2005 Best Paper Award、日本バーチャルリアリティ学会論文賞、貢献賞など受賞。日本バーチャルリアリティ学会、日本ロボット学会、計測自動制御学会、情報処理学会各会員。バーチャルクリーチャー、知能ロボティクス、バーチャルリアリティ、物理ベースモデリング、力触覚、ヒューマンインタフェース、エンタテインメント工学の研究に従事。

速報

昨年、NHKで放送されたアニメーション作品『電脳コイル』が話題を呼んだ。 それと共に、そのアニメの中で大々的に取り上げられていた、現実の世界に情報 を付加する、「オーグメンテッド・リアリティ」(AR)の技術が注目を浴びてきた。 この技術が偏在する近未来社会はそう遠くないところまで近づいている。オーグ メンテッド・リアリティに焦点をあてた連続研究会の第2回となる今回は、技術 の視点から近未来の情報社会の問題に取り組んだ。  慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の稲見昌彦と電気通信大学知能 機械工学科の長谷川晶一とを講師に迎え、技術開発の最前線からの報告が行わ れた。長谷川が『電脳コイル』で用いられている要素技術を手引きとして、自 らの研究開発について発表し、続いて稲見がバーチャルリアリティー(VR)あ るいはロボティクスといった隣接分野も紹介しながら現在の研究に至る道程が 語られた。ともに「古き良きバーチャルリアリティー」から離陸して、新たな 人間とコンピュータの関わり方を開拓する研究開発動向を伝えるものであった。  後半では会場を含めたフリーディスカッションが行われ、会員も交えた活発 な議論が行われた。実際の社会配備におけるボトルネックから脳機能・身体論 の思考実験など、さまざまな構想が会員の間で展開された。  またディスカッション終了後には、光学メーカーの研究開発、そして市販の 部品を使った開発の二者による実機をつかった展示発表が行われ、 研究開発から製品化・そして活用の現場までの幅広い展望が提示された。

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