
■講師:福島 直央(三菱総合研究所 研究員)、城所 岩生(成蹊大学法学部教授、米国弁護士)終了しました
新規ビジネスが、従来の著作権法で典型的に想定されていなかった著作物の利用行為をもたらし、権利者と新規ビジネスの事業者との間で法解釈にまつわる係争になる傾向があることを受けて、著作権にフェアユース条項を盛り込むべきだという議論が支持を得てきている。これは、比較的抽象的な原則を定め、それに則った行為であれば、柔軟に適法な利用として扱っていくような制度である。この制度によって活発になる可能性がある事業として、近年いくつもの論議を生んでいるテレビ番組の配信サービスや、CGM系のサービスが考えられる。 また、更に抜本的な改革の動きとして、ネット権や二階建て制度という、ともすれば煩雑になりがちであると主張されている権利処理を解決し、動画コンテンツの流通促進を実現しようという構想も日本ではここ数年注目を集めて来ている。「ネット時代の著作権:ネット権とフェアユースを中心に」と題した本研究会では、福島直央氏(三菱総合研究所研究員)城所岩生氏(成蹊大学法学部教授)を講師に迎え、著作権制度の改革状況についての考察を通じて、テレビ、動画ビジネスの変革を論じる。
福島 直央(ふくしま・なお) 三菱総合研究所情報通信政策研究グループ研究員。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター、リサーチアソシエイト。2005年一橋大学大学院総合社会学研究科修士課程修了後、株式会社三菱総合研究所に入社、現職。官公庁の政策立案支援、調査研究等のプロジェクトや、民間企業のコンサルティング等、幅広く業務を行っている。専門はコンテンツ流通政策、情報通信政策など。共著に三菱総合研究所編「徹底予測これが新成長ビジネスだ!」(日本経済新聞出版社、2007年)。
城所 岩生(きどころ・いわお) 成蹊大学法学部教授、米国弁護士。東京大学法学部卒、ニューヨーク大経営学修士(MBA)・法学修士(LLM)。NTT、米国弁護士、国際大学グローコム客員教授を経て、2004年から現職。著書に、『米国通信戦争』(日刊工業新聞社、1996年)、『米国通信改革法解説』(木鐸社、2003年)、『デジタル著作権』(共著:ソフトバンク・パブリッシング、2002年)、『著作権の法と経済学』(共著:勁草書房、2004年)などがある。国際大学GLOCOMフェロー。p>
12月15日のIECP研究会では、福島直央(三菱総合研究所研究員)、城所岩生成蹊大学法学部教授)を講師に迎え、「ネット時代の著作権:ネット権とフェアユースを中心に」と題して講演と議論が行われた。著作権を中心とする、インターネット上の動画コンテンツ流通にまつわる法的課題をとりあげ、ネット時代に対応した改革を模索した。
福島は、IPTVを巡る制度改正の流れを概括した後、インターネットでの動画配信を効率化させる制度としてネット法と二階建て著作権制度を取り上げ、この是非を検討した。城所は、著作権侵害に関する米国と日本での判例を比較しながら、米国の「フェアユース」の法理の影響を分析し、「フェアユース」の抗弁を認められない日本が、ネットビジネスや技術開発で米国に遅れをとる傾向があることを警告した。
両者の話を踏まえ、制度的対応の必要性や、制度改革の目標点について論議が交わされ、制度の変革には今後の関連産業界全体を見渡すに視点に立った発想が重要であるとされた。p>
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