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ESENA - July 1, 1991
中国における石炭の生産および消費の現状:クリーン・コール・テクノロジー導入の可能性
July 1, 1991 [ ESENA ]
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それでは次に問題となってくるのは、石炭の使用を今後続けていく以上、いかにして環境に負荷を与えることなく石炭を消費できるかということである。これについては、近年日本、米国などで実用化されつつあるクリーン・コール・テクノロジー(CCT)が有望な解答を示してくれるように思われる。しかし考えておかなければならないのは、技術は必ずしも中立的なものではなく、その社会および経済から強い影響を受けるということである。つまりその技術が根付き、普及していくかどうかについては、その社会の状況を考慮する必要があるということである。
したがって本章では、中国における石炭の生産および消費の現状について、特に産業組織の観点から分析を行う。特に注目するのは、中国の産業組織の小規模分散性である。中国の石炭の多くは零細規模の炭鉱により生産され、同じく零細規模の企業により消費されている状況にある。本章の分析からは、中国の大気汚染問題は単に石炭を主要エネルギーとしているということだけに止まらない構造的な問題として捉える必要があるということが指摘される。すなわち産業組織の集約化を通じて、生産と消費を大規模化・効率化することができれば石炭使用により生ずる大気汚染問題はある程度緩和出来るはずであるということである。
なぜ中国では石炭の生産および消費に関わる企業の規模がそれほど小さいのか。これが本章の中心的な問題意識である。これに対しては、80年代以降の市場経済化の本質が零細規模の企業の成長を促すことで経済成長を達成するものであったことを指摘する。高度成長によりエネルギー需給が逼迫している状況で、石炭が他のエネルギーの低迷を尻目に飛躍的な増産に成功し、再び主要エネルギーとしての地位を強めることができたのは、市場経済化によって様々な主体による炭鉱経営を自由化し、零細規模ではあるが無数の企業の参入を実現することが出来たためである。これは石炭のユーザー企業に関しても同様で、従来の国有企業を中心とした計画経済システムから、農村に基盤を置く郷鎮企業などの経営を自由化することで、従来の経済システムの外縁部分を活性化させ、80年代以降の中国全体の高度成長を牽引してきたのである。しかしこのような成長方式は短期的な成長には効果的であったが、必ずしも持続的なものではないのではないかという点を指摘したい。
またこうした石炭の生産、消費をめぐって直面している問題点に対して、中国政府はどのような対応策をとろうとしているかについても検討しておく必要がある。1995年以来、中国政府は大気汚染問題の解決に本腰を入れ、様々な法制度整備に力を入れている。この点について、簡単にまとめ、本章全体の結論として、今後の中国にとってどのようなCCT導入が望ましいかという設問に対する現段階の答えを示したいと思う。
本章の構成は以下の通りである。まず第1節において建国から改革・開放期に至る中国のエネルギー構造の変遷についてまとめ、今後の展望を行う。第2節では中国における石炭生産の現状とその問題点を、第3節では石炭消費の現状とその問題点を、特に最大の石炭ユーザーである電力部門に焦点を当てて分析する。そして第4節においては、中国政府による近年のエネルギー・環境政策を整理し、最後に結論として中国へのCCT導入に関する所見をまとめる。
中国のエネルギー構造に占める石炭の比重の大きさは、他のアジア諸国との比較においても明瞭である。図1はアジア各国のエネルギー源別シェアをそれぞれ図表化したものである。中国以外の諸国は石油あるいは天然ガスが主要エネルギーとなっており、石炭の比率は非常に低いものとなっているのに対し、中国の場合、大部分が石炭、残るほとんどが石油という非常に特徴的なエネルギー構造となっている。
なぜ中国ではこのように石炭に大きく依存したエネルギー構造が形成されることとなったのだろうか。それは国産エネルギーによる供給を重視してきた中国にとって、石炭こそが最も安定性の高いエネルギー源であったからに他ならない。更に詳しくいえば、1979年より始まる改革・開放期の高度成長のなかで、石油など他のエネルギー産業が市場経済化による改革に失敗し、生産量の成長を鈍化させたのに対し、石炭は飛躍的な成長を遂げ、生産量を大きく拡大することに成功したためである。この点について、まず改革・開放期における中国国内のエネルギー構造全体の推移を検討することから分析を始めよう。
|
|
|
|
| アメリカ |
2,144.1
|
25.2
|
| 中国 |
904.6
|
10.6
|
| ロシア |
580.5
|
6.8
|
| 日本 |
506.3
|
6.0
|
| ドイツ |
340.0
|
4.0
|
| インド |
260.3
|
3.1
|
| フランス |
244.3
|
2.9
|
| カナダ |
227.3
|
2.7
|
| イギリス |
224.9
|
2.6
|
| 韓国 |
175.1
|
2.1
|
| 世界合計 |
8,509.2
|
100.0
|
|
|
|
|
| 中国 |
698.0
|
30.1
|
| アメリカ |
579.3
|
25.0
|
| インド |
151.8
|
6.5
|
| オーストラリア |
142.1
|
6.1
|
| 南アフリカ共和国 |
115.2
|
5.0
|
| ロシア連邦 |
110.1
|
4.7
|
| ポーランド |
88.1
|
3.8
|
| ドイツ |
66.8
|
2.9
|
| カナダ |
43.3
|
1.9
|
| ウクライナ |
39.2
|
1.7
|
| 世界合計 |
2,320.7
|
100.0
|
|
|
|
|
| サウジアラビア |
449.9
|
12.9
|
| アメリカ |
379.2
|
10.9
|
| ロシア |
306.9
|
8.8
|
| イラン |
184.2
|
5.3
|
| ベネズエラ |
173.5
|
5.0
|
| メキシコ |
170.6
|
4.9
|
| 中国 |
160.1
|
4.6
|
| ノルウェー |
156.9
|
4.5
|
| イギリス |
127.7
|
3.7
|
| アラブ首長国連邦 |
121.2
|
3.5
|
| 世界合計 |
3,474.7
|
100.0
|
|
|
|
|
| カナダ |
30.0
|
13.3
|
| アメリカ |
29.6
|
13.1
|
| ブラジル |
23.9
|
10.6
|
| 中国 |
16.2
|
7.2
|
| ロシア |
13.5
|
6.0
|
| ノルウェー |
9.5
|
4.2
|
| 日本 |
8.1
|
3.6
|
| インド |
6.2
|
2.7
|
| スウェーデン |
5.9
|
2.6
|
| フランス |
5.8
|
2.6
|
| 世界合計 |
225.9
|
100.0
|

1979年より開始された改革・開放政策以前の中国経済は、58年から60年にかけて行われた大躍進運動、その後66年から十年以上もの間続いた文化大革命などによる混乱が長く続いた。エネルギー産業もそうした政治的影響を強く受けてきた分野である。図2は52年を基準にエネルギー生産とGDPを指数化して、95年までの推移を散布図にしたものである。これを見ると、改革・開放を境にエネルギー生産と経済成長の関係は全く変化したことが分かる。改革・開放以前では各点を結ぶ勾配は非常に急であり、経済の成長とほとんど無関係にエネルギー生産は伸び続けていたことが示されている。異常な大躍進期のカーブに特徴的に表れている如く、計画経済であったこの時期エネルギーはいわば発展の象徴であり、エネルギー生産高を伸ばすこと自体が目的となっていた。経済規模に比して大量のエネルギーが供給され、各単位では配分されたエネルギーを全て用いて生産物を作り出す。省エネルギーインセンティブの働く余地はなく、エネルギー効率は低いものであった。
改革・開放以降、経済が急激に成長し始めると状況が変わった。図2を見ても、1979年以降の傾きは明らかに緩やかになり、経済成長が更に加速した90年以降もエネルギー生産の伸びは緩やかに増加するに止まっている。78年から95年までのエネルギーGDP弾性値は0.33と非常に低い値となっている。これは改革・開放以降に大きく省エネルギーが進んだことを示すものである。但し数度のエネルギー価格改定にもかかわらずエネルギー価格が依然低いことから、この省エネルギーはコスト軽減のために効率向上に取り組んだ結果よりもむしろ、エネルギー供給が逼迫していたことを示すものであると思われる。
(出所)エネルギー生産指数:『中国能源統計年鑑』『中国統計年鑑』などをもとに算出
GDP指数:State Statistical Bureau of PRC and Institute of Economic
Research, Hitotsubashi University, The Historical National Accounts of
the People's Republic of China 1952-95, Sep.1997.
一方、図3は中国のエネルギー源別構成の推移を示したものである。これを見ると、建国当初はほぼ石炭のみのエネルギー供給であったが、1960年の大慶油田、その後の勝利油田の発見などにより、石油供給が76年頃まで増加していたことが分かる。しかし76年を境にそれまで低下傾向にあった石炭の比率が再度増加していることが見て取れる。
図3.中国のエネルギー源別構成

各期間のエネルギー供給の増加に、各エネルギーがどれくらい貢献したのかをより明らかにするために、増加分に対する各エネルギー源別の寄与率を見てみよう(表2)。表2から改革・開放期におけるエネルギー需要増加の大部分が石炭供給によってもたらされたことが分かる。まず改革・開放以前についてみれば、50年代は石炭による寄与率が圧倒的なものとなっているが、その後大慶油田発見の1960年から75年までの期間については脱石炭化が進み、特に石油が54.7%、天然ガスも6.6%と非常に高い寄与率を示している。このように60年代以降、次第に石油へのエネルギー転換が進んできたにもかかわらず、改革・開放期には石炭による寄与率が再び上昇し、77.2%となり、一方石油については15.2%にまで低下、天然ガスは0.7%にまで低下する。更に90年代に石油輸入が容認される以前、すなわち79年から90年までについて寄与率を見れば、石炭は83.3%に更に上昇、石油は実に9.0%、天然ガスは0.3%にまで低下してしまう。これらのことから、改革・開放期のエネルギー需要の増大は石炭の増産によって調整されてきたことが明らかである。
表2.エネルギー需要の増大に対するエネルギー源別寄与率(%)
|
|
|
|
|
|
| 1953-1960 |
93.8
|
4.2
|
0.5
|
1.5
|
| 1960-1975 |
28.2
|
54.7
|
6.6
|
10.6
|
| 1979-1985 |
69.4
|
24.3
|
6.0
|
0.3
|
| 1985-1990 |
90.4
|
1.9
|
-1.2
|
8.9
|
| 1990-1996 |
77.6
|
14.9
|
1.6
|
6.0
|
| 1979-1996 |
77.2
|
15.2
|
0.7
|
6.9
|
| 1979-1990 |
83.3
|
9.0
|
0.3
|
7.3
|
このように改革・開放期に増加したエネルギー需要に対して、石炭の増産が主要な供給源となっていた。中国を除く多くの国々では、石油ショックによって一時的に石炭が見直されることはあったにせよ、60年代以降、基本的に脱石炭化、いわゆるエネルギー革命の方向にあったのと対照的に、中国では76年よりそれまで進んできたエネルギー革命の方向から一転、再び石炭の比率を高める結果となったのである。
それでは今後の中国エネルギー構造はどのように推移するだろうか。中国は既に世界第2位のエネルギー消費国であり、その75%程度を石炭に依存している。この構造は大きく変わらないと考えられる。まず他のエネルギーで代替しようとするにはその量はあまりに大きい。また国内エネルギー産業の状況を見ると、石油にせよ、天然ガスにせよ、現在の石炭に取って代わる生産量の増加は見込めない。それは80年代以降、エネルギー需要の増加のほとんどが石炭産業の増産によって吸収されてきたことからも明らかであろう。次節では石炭産業の生産の実態をより詳細に分析することで、なぜ改革・開放期に石炭の比率が再び上昇することとなったのか、他のエネルギーと異なり、増産に成功したのかについて明らかにする。その分析を通じて、中国のエネルギー構造における石炭の優位性は今後も大きく変わらないという展望が裏付けられることとなろう。
中国の石炭産業を構成する企業には、大きく分けて3つのタイプがある(図5参照)。第1のタイプは国有重点炭鉱(計画経済期の統配炭鉱)と呼ばれ、基本的に中央政府が投資、管理し、製品についても国家が計画的に配分していた炭鉱である。これは全国に104社あり、うち礦務局が78、公司が9、直属炭鉱が17とされている。第2のタイプは地方の国有炭鉱であり、これは地方政府による投資、管理が行われている。企業数は合計1,803社で、省属203社、地区属390社、県属1,210社である。そして第3のタイプは郷鎮炭鉱と呼ばれ、郷鎮、村レベルの政府により投資、管理されている集体所有制炭鉱および個人炭鉱などから構成されている(他にも人民解放軍などその他の炭鉱も含まれる)。企業数は全国で72,919社に上り、平均年間生産量は7900トン程度と多くが零細炭鉱であり、国有重点炭鉱の78万5000トンと比べると大きな開きがある。先程の地方炭鉱というのは、地方国有炭鉱と郷鎮炭鉱を併せた概念である。

図5.中国石炭産業の企業類型(数値はいずれも1995年末の値)
(出所)『中国煤炭工業年鑑』などの資料から筆者作成
先程の図4で示された地方炭鉱による生産量の急激な伸びについて、更に詳細に検討してみよう。表3はより詳細な炭鉱企業分類で各々の生産量の推移を示したものである。これによると、80年代、90年代において特に著しい成長を見せたのは郷鎮炭鉱であることが明らかである。郷鎮炭鉱が生産量全体にしめるシェアは、1978年の段階では14.1%であったが、これが95年には45%を超えるまで急拡大し、生産量を見ても8700トンから約6億トンまで、実に7倍以上に成長している。他方、計画経済期において生産の主力であった国有重点炭鉱は、次第にその地位を低下させてきている。
郷鎮炭鉱は、先程の図5の通り、平均年産規模が7900トン程度、炭鉱数72,919という多数の零細炭鉱の集合体である。改革・開放期のエネルギー需要の増加は、こうした零細規模の郷鎮炭鉱による増産によって調整されてきたというわけである。80年代以降というのは、他の石炭生産国、例えば米国、オーストラリア、ドイツなどにおいては、炭鉱の大規模集約化、中小・零細炭鉱の淘汰の過程であった。その要因として、石油によるエネルギー革命の影響や採炭・運搬の技術革新、労賃の高騰による石炭産業の資本集約化などが指摘できる。そのような他国の状況を考えると、中国で郷鎮炭鉱のような零細炭鉱が成長することになったことは非常に興味深い。改革・開放期に郷鎮炭鉱が成長した要因とは何なのか。これについて次に検討し、郷鎮炭鉱を中心にした増産方式の優位性と問題点について考察することにしよう。
表3.企業分類別石炭生産量推移(単位:万トン)
|
|
|
地方炭鉱 | |||||||||
|
|
|
||||||||||
|
|
|
|
|||||||||
|
|
|
|
|
||||||||
|
1978
|
61,786
|
34,187
|
55.3
|
27,602
|
18,902
|
30.6
|
8,700
|
14.1
|
|||
|
1979
|
63,554
|
35,777
|
56.3
|
27,777
|
17,146
|
27.0
|
10,631
|
16.7
|
|||
|
1980
|
62,013
|
34,439
|
55.5
|
27,600
|
17,100
|
27.6
|
10,500
|
16.9
|
|||
|
1981
|
62,163
|
33,505
|
53.9
|
28,700
|
17,000
|
27.3
|
11,700
|
18.8
|
|||
|
1982
|
66,632
|
34,990
|
52.5
|
31,642
|
17,035
|
25.6
|
14,607
|
21.9
|
|||
|
1983
|
71,453
|
36,312
|
50.8
|
35,141
|
18,134
|
25.4
|
17,007
|
23.8
|
|||
|
1984
|
78,923
|
39,470
|
50.0
|
39,453
|
17,765
|
22.5
|
21,688
|
27.5
|
|||
|
1985
|
87,228
|
40,626
|
46.6
|
46,602
|
19,074
|
21.9
|
26,671
|
30.6
|
1,653
|
1.9
|
|
|
1986
|
89,404
|
41,392
|
46.3
|
48,012
|
18,138
|
20.3
|
27,748
|
31.0
|
2,043
|
2.3
|
|
|
1987
|
92,809
|
42,020
|
45.3
|
50,789
|
18,112
|
19.5
|
29,634
|
31.9
|
2,836
|
3.1
|
207
|
|
1988
|
97,987
|
43,445
|
44.3
|
54,542
|
19,389
|
19.8
|
30,673
|
31.3
|
3,804
|
3.9
|
676
|
|
1989
|
105,415
|
45,880
|
43.5
|
59,585
|
20,545
|
19.5
|
33,727
|
32.0
|
4,307
|
4.1
|
1,005
|
|
1990
|
107,930
|
48,022
|
44.5
|
59,908
|
20,509
|
19.0
|
34,580
|
32.0
|
4,331
|
4.0
|
488
|
|
1991
|
108,428
|
48,060
|
44.3
|
60,368
|
20,355
|
18.8
|
35,593
|
32.8
|
3,993
|
3.7
|
427
|
|
1992
|
111,455
|
48,254
|
43.3
|
63,201
|
20,290
|
18.2
|
38,071
|
34.2
|
4,477
|
4.0
|
371
|
|
1993
|
115,137
|
45,803
|
39.8
|
69,334
|
20,403
|
17.7
|
43,152
|
37.5
|
5,293
|
4.6
|
486
|
|
1994
|
122,953
|
46,867
|
38.1
|
76,086
|
20,596
|
16.8
|
47,463
|
38.6
|
7,359
|
6.0
|
668
|
|
1995
|
129,218
|
48,228
|
37.3
|
80,990
|
21,335
|
16.5
|
52,326
|
40.5
|
7,329
|
5.7
|
363
|
|
1996
|
137,408
|
53,725
|
39.1
|
83,683
|
22,206
|
16.2
|
51,819
|
37.7
|
9,658
|
7.0
|
-
|
1981年の11月、中小・零細炭鉱について一定の計画生産量を超過する分については自由販売を認める経済請負制を導入する暫定措置が制定され、その後83年4月には郷鎮炭鉱に対する経済請負制および計画価格と市場価格を並存させる二重価格制が正式に導入された。この措置はエネルギー不足の状況下、かつ他にさしたる産業のない農村部において炭鉱経営に乗り出す大きな経済的インセンティブを与え、1984年、85年に郷鎮炭鉱の生産量は大きく増加する。表3の通り、この二年間でおよそ1億トンの増産に成功したのである。郷鎮炭鉱の成功を受けて、85年からは国有重点炭鉱に対しても経済請負制が導入され、計画生産量の超過分については割増価格での販売が認められるようになった。
その後、80年代後半から90年代前半にかけては、郷鎮炭鉱に対する管理が厳しくなるなどして郷鎮炭鉱の増産ペースは若干鈍化するものの、1993年に石炭価格について発電用を除いて完全自由化する措置がとられたことで再び急激に生産量を増加させる。郷鎮炭鉱の生産量の伸びは93年に6012万トン、94年に6559万トン、95年に4528万トンと大増産に成功する。一方対照的に、国有重点炭鉱の93年の生産量は92年と比べて逆に2400万トンほど減少し、その後95年の生産量でも92年水準にも戻らないという状態になった。93年に開始された価格自由化の措置は、既に生産する石炭のほとんどが市場価格で取り引きされていた郷鎮炭鉱よりもむしろ、年々シェアを下降させてきた国有重点炭鉱に対するテコ入れが当初の目的であった。当初の目論見とは逆の現象が生じたのは次のような要因による。
1993年の価格自由化措置を受け、国有重点炭鉱の石炭価格も上昇した。しかし機械化が進んだ国有重点炭鉱は、労働集約的な郷鎮炭鉱の採掘コストと比べると割高となっている。このためユーザー企業は、相対的に割安感が増した郷鎮企業から直接石炭を購入するという行動をとったのである。また、国有重点炭鉱も自らの生産量を拡大するよりもむしろ、郷鎮炭鉱の石炭を安い価格で購入し、それを高い価格で売って差額を稼ぐという行動をとった。これは国有重点炭鉱が郷鎮企業よりも幅広い市場へのアクセスを持っていたためである。こうして価格自由化措置は、郷鎮炭鉱にとってむしろ市場を広げる効果を生み、国有重点炭鉱の生産量は逆に減少する結果を招いたのである。
以上の郷鎮炭鉱の成長経緯より、市場経済化の進展に伴って経済的インセンティブを得た郷鎮レベルの政府、個人が炭鉱経営に乗り出すことで、郷鎮炭鉱の生産量が増大してきた構図が明らかであろう。しかもそうした生産量の増加は、既に市場に存在していた炭鉱が生産量を拡大した結果ではなく、それまで炭鉱経営と関わりのなかった企業が新たに石炭市場に参入し、生産を開始した結果、達成されたものである。これを示すデータとして、まず炭鉱数を見れば、炭鉱数は1978年にはおよそ17,800程度であったが、その後85年には約63,000へと激増し、95年にも72,919と引き続き高い(注1)。また1炭鉱当たり平均年産量は、80年の6333トンが85年には4200トンに大きく低下、95年には7900トンの水準となっている(注2)。これらのデータから、80年代前半は新規参入の大幅な増加を通じて、90年代は80年代に市場参入した各炭鉱が生産量を増加させることを通じて、全体の石炭生産量を増大させてきたことが分かる。
図6は選炭量および選炭率の推移を時系列に示したものである。これを見ると、選炭の生産量自体は比較的順調に伸びているにもかかわらず、これが全体の石炭生産量に占める選炭率は、1972年以降むしろ下降傾向にあることが見てとれる。これは郷鎮炭鉱の増産によって供給されてきた石炭の多くが選炭されることなく市場に供給されているため、生じた現象である。国有重点炭鉱の選炭率は30%程度にまで向上しているのに対し、省・県営炭鉱では15%、郷鎮炭鉱では2%程度にまで選炭率は低下する。また選炭後の品質も悪く、灰分が依然18~20%も残ったままである(先進国水準は10~15%)(注4)。
(出所)『中国煤炭工業年鑑』を基に作成
郷鎮炭鉱の選炭率が低い一因は、郷鎮炭鉱の生産規模が十分な設備投資に見合う規模にまで達していないことに求められる。表4は郷鎮炭鉱の規模を示したデータであるが、これによると年間生産量が3万トン以下の郷鎮炭鉱の割合は炭鉱数全体の90.9%、生産量全体に対しては57.6%もの高い割合に達している。このように年産規模の小さな郷鎮炭鉱にとっては、選炭設備などへの資本投下を行うのに必要な資本蓄積はなかなか進まない。
むしろ逆に、郷鎮炭鉱が成長してきたのは、中国の恵まれた石炭資源の賦存状況と安価な労賃、そして後に検討するユーザー側の需要構造が小規模分散化していることなどの要因で、資本投下によらない成長が可能であったために他ならない(注5)。これこそ、他のエネルギーと比べて、改革・開放期に石炭が増産に成功した要因である。石油にせよ、天然ガスにせよ、いずれも生産には多額の初期投資を必要とする。したがってこれらのエネルギーは、ある程度の規模の企業による資本集約的な生産によって供給されるものであると言える。これに対して石炭産業は、郷鎮炭鉱のような零細企業であっても、労働集約的な生産方式を採ることで資本投下を行わない増産が可能であった。当時の中国のように、投資資金不足が深刻でかつ農村に豊富な余剰労働力を抱える状況において、石炭産業だけが零細企業がほとんどであっても多数の企業を市場参入させ、投資を行わずに全体としての生産量を拡大することが出来たからこそ、80年代以降の市場経済化のなかで生産量を増加させることが出来たのであった。
表4.郷鎮炭鉱の年産規模別炭鉱数および生産量内訳(1995年)
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6,646
|
9.1
|
24,543
|
42.4
|
|
|
15,164
|
20.8
|
19,524
|
33.7
|
|
|
51,109
|
70.1
|
13,851
|
23.9
|
|
|
72,919
|
100
|
57,918
|
100
|
郷鎮炭鉱の特徴は労働集約的生産を行っていることである。農村における大量の余剰労働力を背景に、機械化などの資本投資を行わずに飛躍的な生産量の拡大を達成してきた。選炭設備については先程触れた通りであるが、他にも例えば基本的な安全設備(巻上げ機、送風機、排水ポンプ、鉱山用ランプ、ガス検査機など、「五小件」と呼ばれる)を装備せず、事故につながりかねない操業条件(単一坑道、自然通風、通常のスイッチ、発破、照明など、「五消滅」と呼ばれる)で操業している郷鎮炭鉱の比率が70%以上である(注6)ことより、郷鎮炭鉱がいかに資本投資を行うことなく生産量を拡大してきたか理解できよう。その結果、1994年の事故による死亡者数は国有重点炭鉱の747人に対し、4,822人となっている。100万トン当たりの死亡者数を見れば、国有重点炭鉱の1.191人に対し、郷鎮炭鉱は8.323人となっており、生産条件の悪さが窺い知れる。
表5.石炭生産に関わる死亡者数(単位:人)
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| 国有重点炭鉱 |
747
|
793
|
566
|
| 国有地方炭鉱 |
1,201
|
1,087
|
937
|
| 郷鎮炭鉱 |
4,822
|
4,660
|
4,734
|
| 基本建設 |
27
|
53
|
57
|
| 機械製造 |
1
|
2
|
1
|
| 地質探査 |
-
|
1
|
-
|
| その他 |
442
|
165
|
201
|
| 合計 |
7,240
|
6,761
|
6,496
|
以上のように、選炭設備や安全設備への投資を行わず、採掘も人海戦術で行う郷鎮炭鉱の生産形態の場合、参入コストが非常に低かったために、市場経済化とともに郷鎮レベルまで無数の企業の市場参入を引き起こすこととなった。その結果、全国2,148の県のうち1,257が郷鎮炭鉱を有する状況である(注7)。しかしながらこうした郷鎮炭鉱の多くは零細規模であり、投下できる資本を確保する能力に限界があるという問題点がある。これは改革・開放期において選炭率が低下傾向にある原因の一つとして指摘できる。
郷鎮炭鉱による増産方式がもたらしたもう一つの問題点として、郷鎮炭鉱による過剰供給と石炭価格下落の問題がある。90年代にエネルギー需給が緩和したにもかかわらず、石炭価格自由化を行ったことにより、郷鎮炭鉱は驚異的な増産を行ったことは先述の通りである。この結果、1992年から95年初めにかけて石炭在庫が2億トン以上にまで増加、98年になっても在庫が減る様子はない。このため石炭価格は下落を続け、例えば98年10月時点の山西省における1トン当たりの価格は平均9元の引き下げとなり、下げ幅は11.9%となっている(1997年末との比較)。こうした供給過剰が引き起こした石炭不況は、国有重点炭鉱の経営状況を更に悪化させることとなっている。98年8月の時点で、国有重点炭鉱の累積赤字は33億4900万元に達し、84%の企業が赤字となっているという(注8)。
郷鎮炭鉱は7万社を超える無数の企業によって構成されているため、需給の変化に対して供給量全体の弾力性が低い。また郷鎮炭鉱の基盤である農村では炭鉱以外の産業がないという地方も多く、そのため不採算炭鉱についても市場からの退出がなかなか進まない。そして何よりも農村の余剰労働力を利用することで安価な生産コストで生産できる郷鎮炭鉱よりも、国有重点炭鉱の生産コストの方が高くなる場合が多い。こうして価格下落が続くなかで、環境面、安全面から比較的良好な生産条件で操業している国有重点炭鉱の方が市場において淘汰されつつあるという問題が生じているのである。
一方、工業部門のみについてであるが、SO2の排出量を見ると、石炭消費量と密接な関係があることが分かる。最大の石炭需要家である電力部門からの排出量が圧倒的に多く、全体の50%を超えている。次いで化学工業、建材/非金属鉱業製品など、石炭消費量の多い産業が続いている。CO2排出量についても同様の傾向があり、電力部門からの排出量は30.0%、製造業のそれは38.8%に達している。また製造業のなかでは建材/非金属鉱業製品、鉄鋼業などが多い。
石炭消費側の産業組織も生産側と同様、小規模分散型となっており、これが石炭産業の競争関係に歪みを生じさせている。またエネルギー効率の低下、環境対策の遅れの原因となっている。その遠因は「五小工業」に象徴される分散型のフルセット産業主義に求められる。中国では広大な国土、巨大な人口などの地政学的要因による交通・運輸の未発達などから、省、県、郷鎮レベルでの自己完結型経済の形成が図られた。特に重視されたのが、鉄鋼、石炭、化学肥料、機械、セメント(あるいは電力)などであり、この路線が「五小工業」と呼ばれることとなった。留意すべきは、この「五小工業」的発展は改革・開放以降も、依然として変わっていないことである。1980年代の成長は「五小工業」を土台に発展した郷鎮企業によってもたらされた。零細規模の郷鎮企業ではスケールメリットが働かず、エネルギー効率の向上あるいは環境対策もなかなか進まないこととなった。
表6.部門別石炭消費量およびSO2、CO2排出量
(単位:石炭消費量-標準炭換算万トン)
(単位:SO2・CO2排出量-トン)
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||||||
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|
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|
|
|
|
|
|
| 総量 |
81,603
|
137,677
|
-
|
-
|
67,888
|
|||
| 農林漁業 |
2,209
|
2.7
|
1,857
|
1.3
|
-
|
-
|
2,002
|
2.9
|
| 工業 |
58,613
|
71.8
|
117,571
|
85.4
|
14,050,210
|
-
|
48,726
|
71.8
|
| うち鉱業 |
6,316
|
7.7
|
9,861
|
7.2
|
472,707
|
3.4
|
2,020
|
3.0
|
| うち製造業 |
52,297
|
64.1
|
63,109
|
45.8
|
26,319
|
38.8
|
||
| 繊維産業 |
1,868
|
2.3
|
2,537
|
1.8
|
358,438
|
2.6
|
1,533
|
2.3
|
| 製紙業 |
1,251
|
1.5
|
2,132
|
1.5
|
325,058
|
2.3
|
935
|
1.4
|
| 石油加工業/コークス生産 |
3,259
|
4.0
|
8,025
|
5.8
|
248,974
|
1.8
|
426
|
0.6
|
| 化学工業 |
5,190
|
6.4
|
10,804
|
7.8
|
1,180,378
|
8.4
|
2,059
|
3.0
|
| 建材/非金属鉱業製品 |
8,614
|
10.6
|
13,424
|
9.8
|
1,232,421
|
8.8
|
6,749
|
9.9
|
| 鉄鋼業 |
6,548
|
8.0
|
12,921
|
9.4
|
840,027
|
6.0
|
5,204
|
7.7
|
| 非鉄金属 |
641
|
0.8
|
1,349
|
1.0
|
613,467
|
4.4
|
362
|
0.5
|
| うち電力部門
(蒸気供給業含む) |
16,619
|
20.4
|
44,600
|
32.4
|
7,178,420
|
51.1
|
20,387
|
30.0
|
| 建築業 |
532
|
0.7
|
440
|
0.3
|
-
|
-
|
442
|
0.7
|
| 交通・運輸・通信 |
2,307
|
2.8
|
1,315
|
1.0
|
-
|
-
|
2,287
|
3.4
|
| 商業 |
738
|
0.9
|
977
|
0.7
|
-
|
-
|
609
|
0.9
|
| サービス部門 |
1,580
|
1.9
|
1,987
|
1.4
|
-
|
-
|
1,604
|
2.4
|
| 生活消費 |
15,624
|
19.1
|
13,530
|
9.8
|
-
|
-
|
12,219
|
18.0
|
ここで石炭の最大消費部門であり、SO2の最大排出部門である電力を事例として問題点を分析することとしよう。電力部門は1995年時点で石炭消費量の32.4%を占め、85年と比較して大きく伸びている。これは80年代後半以降に電力整備が相当進んだことを示している。この電力部門が抱える問題は、各ユニットの規模が小さいことが原因で規模の利益が働かず発電効率が悪いこと、また固定費用が必要な脱硫装置などへの投資がなかなか進まないことである。
電力部門における各発電ユニットの規模とその効率性については、表7に示してある。これによると1996年時点で、200MW以上の発電ユニットが設備容量全体に占める割合は43%強に過ぎず、50MW以下の発電ユニットの割合が30%を超えている。更に300MWの発電ユニットと比べると、効率において半分以下である6MW以下のものが全体の12%以上を占めている。多くの発電所が、エネルギー浪費かつ環境を汚染する操業状態にあると言える。全体の平均を見れば、日本が一キロワット時の発電に320グラムの標準炭を消費するのに対し、中国では412グラムとエネルギー効率の悪さは明らかである。
表7.規模別発電ユニット基数および設備容量(1996年)
|
|
|
|
||
| 300MW以上 |
175
|
59,257
|
25.1
|
|
| 200-300MW |
215
|
43,805
|
18.5
|
|
| 100-200MW |
337
|
38,437
|
16.2
|
|
| 50-100MW |
423
|
23,328
|
9.9
|
|
| 25-50MW |
608
|
17,318
|
7.3
|
|
| 12-25MW |
1,034
|
13,641
|
5.8
|
|
| 6-12MW |
1,727
|
12,585
|
5.3
|
|
| 6MW以下 |
-
|
28,171
|
11.9
|
|
生産ユニットの規模が小さく非効率であるという特徴は、製造業についても同様に見ることができる。まず製油所について見れば、中国は全国に62基存在し、年平均加工能力は274万トンに対し、日本は40基、年平均加工能力607万トンである。また鉄鋼の高炉は中国の1,128基、平均容積107立方メートルに対し、日本は30基で平均容積2,500立方メートルとなっている(表8)。これより中国の製造業が小規模な郷鎮企業を中心とした発展をとっていることが理解できよう。
1995年の郷鎮企業による工業生産額は3兆8900億元であり、これは全体の42.5%に当たる。95年より2年間かけて行われた第3回工業センサスでは郷鎮企業の規模を示すデータが明らかにされている。それによれば95年末時点で651万8000社ある郷鎮企業のうち、大中企業の規模(注9)に達した企業はわずか1,832社、0.3%弱という低い割合である。また従業員一人当たりの資本装備比率も、国有企業の35%、外資企業のわずか29%程度に止まっている。零細規模の郷鎮企業が、非常に労働集約的で低い資本投資によって発展してきたことが窺えよう。
|
|
|
|
| 製油所 | 全国の精油所数:62
年間平均加工能力:274万トン |
精油所数:40 (日本)
年間平均加工能力:607万トン |
| 火力発電所 | 6MW以上のプラントについての平均設備容量:45.2MW | 100MW以下のプラントは既に淘汰済み (日本) |
| 鉄鋼高炉 | 高炉数:1,128
平均容積:107m3 |
高炉数:30 (日本)
平均容積:2,500m3 |
| 合成アンモニア | 小型企業数:961(シェア60%)
年間平均生産量:1.52万トン |
小型企業なし (先進国平均)
年間平均生産量:30万トン以上 |
1万元の生産に必要なエネルギー量は、郷鎮企業の場合、工業全体の平均値に比べて12.4%高い2.9トンであるという。郷鎮企業は軽工業、繊維産業、一般加工業などの業種が中心でエネルギー多消費産業の占める割合は低いため、全体としてのエネルギー消費量は割合低い。しかしエネルギー効率が低く、また環境対策などもなされていないため、近年郷鎮企業による環境汚染が問題となっている。1996年の「中国環境状況公報」によると、95年の郷鎮企業のSO2、煤塵、粉塵の排出量は全国の工業全体のそれぞれ28.2%、54.2%、68.3%を占めているという。
以上のように、石炭の消費側についても、各ユニットの規模が小さいため生産面で規模の利益が働かず、また投資面でも適正な投資規模に達しない企業が多く、これらの企業によってエネルギー浪費ひいては環境問題が生じている。中国における脱硫装置の普及率及び運転率の低さは、規制が徹底しないという要因も大きいものの、各発電所の規模が小さいことによって資本蓄積が妨げられ、脱硫装置などへの投資がなかなか進まないこと、また脱硫装置の運転に要する電力は大きく、ある程度以上の発電規模でなければ運転費用を捻出することも出来ないにも関わらず、中国では多くの発電所がその規模に達していないこと、これらの原因によるところも大きいのである。
まず電力産業における市場経済化について、投資体制改革の観点から検討してみよう。電力産業の投資体制改革は、1978年に従来の無償資金による投資を有償の融資による投資へと転換したことに始まる。実際に80年には20のプロジェクトに対し、返還期間15年、年利3%の条件で融資による投資が行われ、85年には国家予算内の投資を銀行による融資へと次第に転換することが決定された。以上の措置を受けて、81年には投資資金の54.6%を占めていた国家投資は、96年にはわずか0.2%にまでその比率は低下、かわって開発銀行融資が28.1%、自己調達資金が24.8%、地方政府による調達資金が20.2%、商業銀行融資が8.3%、外資が11.7%など投資資金の出資源は多様化している(表9)。
表9.電力産業における投資資金の資金源(単位:万元)
【1981年】
|
|
|
|
| 国家投資 |
205,382
|
54.6
|
| 国内融資 |
112,286
|
29.8
|
| 外資 |
12,050
|
3.2
|
| 自己調達資金 |
46,676
|
12.4
|
| 合計 |
376,394
|
100.0
|
|
|
|
|
| 政府無償資金供与 |
22,347
|
0.2
|
| 開発銀行低利融資 |
153,948
|
1.6
|
| 開発銀行通常融資 |
2,582,328
|
26.5
|
| 商業銀行融資 |
812,557
|
8.3
|
| うち建設銀行 |
666,763
|
6.8
|
| うち工商銀行 |
76,000
|
0.8
|
| 外資 |
1,137,300
|
11.7
|
| 地方特定プロジェクト融資 |
1,650,754
|
16.9
|
| 地方建設融資 |
323,966
|
3.3
|
| 債券発行 |
98,920
|
1.0
|
| 自己調達資金 |
2,416,664
|
24.8
|
| 煤代油出資金 |
113,895
|
1.2
|
| 中央特定プロジェクト融資 |
151,497
|
1.6
|
| その他 |
277,767
|
2.9
|
| 合計 |
9,741,943
|
100.0
|
表10.設備容量別発電所数および設備容量合計(単位:MW)
|
|
|
|||
|
|
|
|
|
|
| 250MW以上 |
97
|
4,790.34
|
136
|
8,717.34
|
| 25MW~250MW |
233
|
2,086.49
|
371
|
3,380.14
|
| 12MW~25MW |
186
|
302.18
|
484
|
806.24
|
| 6MW~12MW |
338
|
253.71
|
660
|
477.76
|
| 0.5MW~6MW |
3,980
|
648.18
|
5,248
|
843.67
|
| 総計 |
4,834
|
8,080.9
|
6,899
|
1,4225.13
|
1984年7月には投資主体を多様化する方針が打ち出され、従来の国家を中心とした投資、経営から郷鎮も含む地方政府、企業、外資などの電力事業への参入を積極的に支援する方向に転換した。しかしこの措置は地方において中小規模ユニットを更に増加させる結果となった。例えば発電所設備容量の85年と91年における構成を示した表10を見てみよう。表10から設備容量は全体で76%増大したにもかかわらず、大規模発電所への集約化は依然進んでいないことが分かる。250MW以上の発電所の占める割合はわずか2%程度増加したに止まっている一方、12~25MWの発電所の設備容量が2.7倍、発電所数が186から484にまで増加している。投資額全体は大きく増加したにもかかわらず、結局中小規模の発電所が増えてしまっているわけである。
この現象は電力価格システムの非合理性と強い関係がある。電力価格については、投資主体の多様化を目指す措置を受けて見直しが行われ、1985年より多重制価格を導入することとなり、新規建設プラントに関してはある程度コストを反映した電力価格を認めることとなった。85年時点では建設費用、燃料費の高騰、電力税の大幅値上げ(15%から25%へ改定)もあり、電力産業の資金利潤率は6.2%にまで低下していた(注10)。このような状況では経済成長に見合って必要な電力投資を確保できないことは明白であった。
改めて1996年の電力部門への投資構成を見れば、地方政府や郷鎮、発電所による自己調達資金の割合が増えている。これらの自己調達資金の多くは中小規模の発電所への投資へと回っている。電力産業は石炭産業と異なり資本集約型産業である。したがって投資額は巨額になり、また投資の回収は長期にわたるため、不確実性が高い。85年に行われた価格改定は依然不徹底であったため、資本利潤率の向上には役立たず、むしろ資本利潤率は3.8%にまで更に低下することとなった(注11)。この結果、慢性的な電力不足に悩む地方においては、比較的投資額が少なくかつ回収期間の短い中小規模ユニットへの投資を進めることとなったのである。この時期火力発電への投資が多く水力の比重が下がったことも、投資額が大きく回収に時間がかかる水力が敬遠された結果である。
以上のように、改革・開放期の市場経済化は、石炭消費についても中小規模の企業を増加させる結果となり、エネルギー効率を低下させる結果となった。また電力産業を例に取れば、中小規模の発電所が増加したことは、脱硫装置など巨額の固定費用、運転費用を要する環境対策措置がなかなか普及しない要因の一つになっている。
大気汚染防止法では、「国家は石炭の選洗加工を推進し、石炭の硫黄分と灰分を減少させ、高硫黄分、高灰分の石炭採掘を制限する。新規建設の高硫黄、高灰分の炭鉱においては、石炭の選洗加工設備を同時に建設しなければならない」(第24条)と石炭の選洗加工を義務づけている。この政策の方向性は高く評価すべき事であるが、選炭設備への投資の障害となってきた石炭産業組織の問題を解決しなければ不十分であることは第2節における分析から明らかである。
この問題に対しては、石炭法(1996年8月29日全人代常務委員会において議決、同年12月1日より施行)に管理規定がある。石炭法は全部で8章81条からなる法律であり、その最大のねらいは、郷鎮炭鉱を中心とする小規模炭鉱の過剰参入を規制し、適正な投資が行われる生産規模に整理・統合し、秩序ある市場競争を確保することにある。
石炭法においてはまず国の統一的計画に基づいて石炭採掘を行うべく、炭鉱の操業に対して生産許可証を発行することを規定している。これは不当採掘などを防止することばかりでなく、許認可プロセスにおける審査・管理を通じて小規模炭鉱の過剰参入を抑制することが出来るものと言える。また許可証を持たない業者を市場から閉め出すことで選炭されない低品質の製品の流通を抑えることも大きな目的である。別に品質の管理も規定があり、二段階にわたって厳しく行われる。一つ目は炭鉱企業に対して行うもの、そして二つ目は流通の段階で行うものである。その際、流通段階において違う品質の製品が混じらないようにするなど、これまでとは違う厳密な品質管理を行うことを規定している。
郷鎮炭鉱に対しては、第6条において「補助・改造・整理・統合・向上」の方針の下、生産規模の拡大を促すことで技術改造や設備投資などを通じた生産の効率化を進めることが規定されている。これも郷鎮炭鉱による資源浪費、環境汚染の問題に対して、整理・統合を通じて生産規模を拡大することで、資源回収率を高め、環境対策を可能にしようというものである。またここでは国有重点炭鉱と郷鎮炭鉱の統合なども考慮されている。これまでコスト意識を持ちながら増産に成功してきた郷鎮炭鉱と機械化の進んだ国有重点炭鉱の統合は既に貴州省などで成功しており、今後のモデルケースとして期待されている。
環境汚染に対しても第21条において、生産部門の建設では生産設備と汚染防止設備とを同時に設計し、同時に施行し、同時に使用開始するという「三同時の原則」を炭鉱建設についても厳格に適用するという規定を行っている。そのため環境保護条件を満たすことの出来ない炭鉱は許認可プロセスにおいて生産許可が得られなくなる。また汚染者は汚染者負担の原則に基づいて対策を講ずる義務についても規定されている。
以上が図4の①に関わる法規定である。生産側の管理でもうひとつ重要なのが、図7②の生活用の石炭供給である。これは大気汚染防止法において以下のように規定されている。「大・中都市の自治体は、都市内の生活用かまどに対し、原炭の直接使用を止め脱硫剤を用いた練炭やその他のクリーン燃料の使用へと徐々に転換させていく計画を制定しなければならない」(第25条)。中国の都市における大気汚染問題は非常に深刻で、その大きな原因が石炭の生焚きにあるとされる。これについて脱硫処理を施した加工炭を普及させていくことで緩和していこうというのがその主旨である。
大気汚染防止法は改正に伴い、「企業はエネルギー効率が高く、汚染物質の排出量の少ない低汚染生産工程を優先的に採用し、大気汚染物質の発生を減少させなくてはならない」(第15条)の一項を追加した。この具体的内容は以下のように続く。まず「国家は大気環境に深刻な汚染をもたらす旧式の生産工程と生産設備に対して、選別・排除制度を実行する」。このために「国務院経済総合主幹部門と国務院の関係各部門は、期限内に生産・販売・輸入・使用を禁止するべき生産設備リストを発表する」。このリストに該当する場合、一定の期限内にそうした設備の生産・販売・輸入・使用を中止し、また生産工程についても使用を中止しなければならないことになる。
これを更に進め、特に近年問題とされている郷鎮企業のエネルギー浪費、環境汚染に的を絞ったのが郷鎮企業法(1997年1月1日より施行)である。この郷鎮企業法を基に1997年4月には「郷鎮企業の環境保護活動の強化に関する規定」が制定、公布されたが、抜本的な構造改革に着手する決意が表れている。これによればまず県ごとに汚染物質の総量規制を実施、郷鎮企業による汚染物質排出量を地域の総量規制目標に盛り込むことが決められている。そして零細規模または旧式の生産設備に関しては県クラス以上の政府の責任において解散させる。この規定通り解散・閉鎖していない場合、県・郷鎮政府の指導者及び企業責任者の責任を追及するなど、極めて厳しい内容である。これらの基準は当然新規建設についても該当し、先程挙げた規模・技術水準を下回る企業の設立は認められない。また新規建設の場合に、「三同時原則」が厳格に適用されることはいうまでもない。
⑤と⑥は最大の石炭需要家である電力部門に対する管理である。まず⑤は大気汚染防止法による管理であり、その内容は酸性雨が深刻な地域あるいはSO2汚染が深刻でありながら低硫黄炭の使用が出来ない地域の火力発電所について、脱硫装置を設置することを義務づけている。これを裏付けるものとして電力法(1995年12月28日採択、96年4月1日より施行)は第5条で明確に環境保護の必要性を規定し、また第15条では「三同時原則」を規定している。
しかしこれだけでは不十分であり、脱硫装置への投資を阻害してきた原因を取り除くことが必要である。それはつまり、地方政府などが大規模発電所への投資を行うために資金調達ができるようになるかが問題となる。資金利潤率を向上させるため、コストをきちんと反映し、一定の利潤を確保するように電力価格システムを改革することが肝要である。
電力法は電力価格設定の原則を規定することで、価格適正化への道を開くこととなった。全体が75条で構成される電力法のなかで電力価格と電気料金の条項は15条もあり大きな部分を占めている。市場経済システムの下で適正な価格を決定し、適正な利潤を得ることで健全な投資を行わせることが目的である。これは海外から投資を呼び込む上でも、投資家の権益の保護を規定した第13条と並んで重要な部分である(図7⑦参照)。
(3)法制度整備の評価
以上検討したエネルギー・環境関連法規について、政策目標、手段についてまとめておこう(図7各丸数字を参照)。それぞれ、①不当採掘の防止、小規模炭鉱の整理・統合、選炭設備設置の義務化、②生産面、流通面での石炭の品質管理、加工炭の利用促進、③工業部門の効率化による省エネルギー、「三同時原則」「汚染者負担」「排汚費徴収」など一連の環境政策の実施、④零細規模かつ旧式技術を用いる郷鎮企業の閉鎖、⑤脱硫装置設置の義務化、⑥「三同時原則」の徹底、⑦電力価格改革による適正な投資環境整備など-である。
このうちこれまでのところ、最も政策効果が大きかったのは、郷鎮企業法による③④である。近年、中国では国家環境保護局と監察局を中心にして17省を対象にした資源浪費、環境汚染型の郷鎮企業に対する摘発、閉鎖、生産投資を大々的に行っている。1997年3月末現在で生産停止措置を受けた企業は、生産停止リストに該当する企業の85.5%に相当する62,561社に達したという(注12)。このように一定の成果を収めているのは、郷鎮企業法にこれまでの法規と異なる大きな特徴があるためである。それは従来行政における大問題であった法の実行段階について、怠慢に関する責任の所在を明確にし、罰則規定を厳しく設けることで確実に実行させるインセンティブを与えていることである。「上に政策あれば下に対策あり」の国柄であるので慎重に内容を見極める必要があるものの、まずは順調な滑り出しといってよかろう。
また①についても具体的な政策が行われつつある。1998年より2000年までの3年間で25,800カ所の採鉱許可証・生産許可証を持たない小型炭鉱を閉鎖し、不法採掘による2億5000万トンを圧縮する方針が国家煤炭工業局より出された。これは石炭法を徹底化して郷鎮炭鉱を中心とする小規模炭鉱を整理し、少なくとも選炭設備と安全設備に対する投資をカバーできる生産規模の炭鉱を保護しようというものである。直接的には石炭不況により赤字に苦しむ国有重点炭鉱に有利に働くであろう。また高硫黄炭を産出する小型炭鉱も整理の対象となっている(注13)。また⑤⑦の効果も加わって近年山元発電・高圧送電の発電プロジェクトが次々に着手されている。なかでも目を引くのは世界最大の無煙炭坑口発電所で中国初の遠距離火力発電所である陽城発電所の建設が、1997年1月より正式に始まったことである。山西省にある陽城発電所は総出力2,100MW、755キロに及ぶ距離を500KVの超高圧線を通じ電力需要の大きい江蘇省まで送電するというもので、投資総額は132億5000万元に達する。山西省は、2005年までに20GWの電力投資を行い、北京・天津などへ6GW分の送電を行う計画であるという。
山元発電を増やすという方向は、石炭産業にとって大きなメリットがある。石炭産業にとって鉄道輸送によって需要地まで石炭を運ぶよりも、山元発電で直接電力を送電する方が利潤は大きくなる。例えば山西省大同の石炭を上海にまで輸送した場合、炭鉱での引き渡し価格が実に5倍近くにまで膨れ上がるという(注14)。このように流通段階での中間コストを、山元発電によって石炭産業自身で吸収することが出来るため、山元発電を進めることは石炭産業の内部留保を高めるという作用がある。山元発電については、発電に必要な大量の水をどのように確保するかという問題が残るものの、エネルギー供給の効率化という観点から今後有望な選択肢であると言えよう。
このように経済成長の効果を適正な利潤、適正な投資によって設備の更新に回るようにする方向は、高く評価すべきことである。そうした場合、経済成長とエネルギー・環境問題はトレードオフではなくなる。そのためにはこれまで進めてきた市場経済化に対し、一定の秩序を形成するために行う産業政策が今後重要となってくるのである。
全国で7万社を超える郷鎮炭鉱が市場において50%近いシェアを占めていることは、石炭供給が常に過剰となる傾向を持つこととなっている。90年代半ばごろより石炭価格は供給過剰が原因の下落傾向を続けている。郷鎮炭鉱の生産コストはほとんどが労働コストであり、農村の余剰労働力をしかも臨時工として利用できる郷鎮炭鉱は現在の価格水準でも依然供給力を維持している。しかし郷鎮炭鉱の競争力の源泉として、選炭設備、保安設備に十分な投資が行われないことなども大きい。こうした点から見れば、郷鎮炭鉱の増産が原因の価格下落は市場の外部性を背景にしたものであり、規制する必要があろう。一方、国有重点炭鉱は資本コストが重荷となり、給料も高い過剰人員を抱え、苦しい経営が続いているところに、価格下落によって追い打ちをかけられている。
中国政府は1998年より郷鎮炭鉱を強制的に閉鎖して、産業組織の集約化を進める対策を打ち出している。これについては、現段階ではまずまずの成果をあげつつある。しかしここ数年は経済成長の低迷により石炭需要が減少しているため、郷鎮炭鉱の多くもまずは強制閉鎖に従うかもしれないが、今後再び石炭需要が逼迫してきた場合には郷鎮炭鉱は参入コストが低いため再び容易に増産を行うことになるだろう。無数の郷鎮炭鉱を完全に管理することは、困難であるし、コストもかかる。したがって今後は石炭消費側、特に発電所など、管理の比較的容易な部門の大規模化を進め、それによって選炭需要の増大、あるいは石炭輸送面での規模の経済の達成などを通じて、炭鉱の集約化を促すという方向性が妥当である。そのような意味でも、幅広く定着、普及が見込める大型効率発電技術は中国にとって必要とされるものである。
また中国政府は石炭の最大の消費部門、電力産業に対しても構造調整に着手している。特に近年来、老朽化した中小規模の発電ユニットを淘汰して、発電所の大規模集約化を進めようとしている。80年代に深刻であった電力不足は緩和し、現在のところ電力需給は緩和気味であるとされる。実際、国家電力公司は今後3年間にわたって新規火力発電所の建設プロジェクトに対しては新たに契約を行わないという意向を明らかにしている。しかし設備容量全体のなかで効率性が低く、環境対策もされていない中小規模ユニットが占める割合が高いことは本章で指摘したとおりである。新規発電所建設の凍結措置が解除された後は、中国政府も本腰を入れて対策に乗り出していることから、中小規模ユニットの大規模ユニットへの置き換えが進むであろう。これまでの実績を見ても、1998年末までに国家電力公司は合計2840MWの小型発電所を運転停止にしている。たとえ需給緩和したように見えても、老朽化発電所のスクラップ・アンド・ビルドによる発電所建設は今後数年間で相当の量に及ぶはずである。したがって中国に導入するCCTを考える上では、今後数年の期間で普及するものを重視する必要がある。なぜなら今後数年間に発電所のスクラップ・ビルドが進むとすれば、そうした新たな発電所に有効なCCTを導入することができるかどうかが、発電所の耐用年数である20~30年先まで影響を及ぼす結果となるからである。
中国政府は今後の方針として、SO2の排出による大気汚染問題の解決を重視している。現状の中国にとって、最も有用性があるCCTは、選炭設備であり、脱硫装置である。石炭が非常に安価に入手可能である以上、ユーザー企業は石炭消費量の削減に対してあまりインセンティブを持たない。CO2排出については現段階では具体的な規制手段は中国には存在しない一方、SO2排出については罰則を含む具体的な規制措置が整備されているのは第4節における分析の通りである。したがって選炭設備、脱硫装置を導入し、SO2削減を行う方がユーザー企業には導入のインセンティブがあろう。地球温暖化問題が重要な問題であることは説明を要しないが、中国にとってはSO2排出による大気汚染問題の方が緊急の問題である。したがって技術普及の観点から見て、脱硫プロセスにも重点を置いたCCT導入の方が長期的に見て中国への技術移転を考える上で望ましい。CO2削減効果ばかりでなく、SO2削減効果も含めて、中国へのCCT導入は様々な局面の効果を総体的に考える必要がある。それがひいてはCCTの幅広い普及によって、CO2削減が進むことになるのである。
現段階での結論として、以下のようなCCTが中国の現状から見て導入が望ましいものと思われる。まず石炭消費側の産業組織も小規模分散型であることより、コストの低いジグ式レベルの選炭設備の導入は、脱硫効率が2割程度に止まるとしても、山元で集約的に脱硫および燃焼効率向上の処理を行えるという点で、十分に有望なCCTであると思われる。工業用ボイラーなど小規模分散的なユーザーを対象に、脱硫剤を添加したブリケットなども効果が望めるCCTであろう。一方、最大の石炭ユーザーである発電所に対するCCT導入については、普及を促進する観点からユーザー企業にとってのインセンティブとして脱硫プロセスにも重点を置いたものが望ましい。また中小規模発電所に対しては、漸次大規模発電所への置換を進めていくとともに、それまでのつなぎという意味では、脱硫効率は若干落ちるものの、簡易脱硫装置など資本投下が比較的少なくて済むものを優先的に導入することができよう。