HOME > COLUMN > kumon > November 1, 1995

kumon - November 1, 1995

「ネティズン革命とコミュニティ・ネットワーク」

November 1, 1995 [ kumon ] このエントリーをはてなブックマークに追加

1995年11月24日

「ネティズン革命とコミュニティ・ネットワーク」

別府湾会議'95 の主題 Hyper Flash

公文俊平

コンピューター・ネットワークを利用して、情報や知識の発信や受信を積極的に行う人々、それも説得型のコミュニケーションを通じて行う人々を、これまで私たちは "ネットワーカー" と呼んできました。しかし、産業社会の次に情報社会が到来しようとしていること、産業社会の主役は市民 (シティズン) と呼ばれる人々であることを考えると、情報社会の主役のことをネティズン (ネット+シティズン) と呼ぼうといったマイケル・ハウベンさんの提案は、とても魅力があります。市民たちはかつて、産業革命の担い手となると共に、それまでの身分制にもとづく国家のあり方に異議をとなえて市民革命をも引き起こし、近代の代表制民主国家を作り上げました。それでは情報社会のネティズンたちは、今日、どのような形で、かつての産業革命に匹敵する情報革命の担い手になろうとしているのでしょうか。また、情報社会でも、かつての市民革命に匹敵する「ネティズン革命」とでも呼ぶことができるような政治システムの大きな変化が起こるとすれば、それはどのような性格のものになりそうでしょうか。今回の別府湾会議では、この重要な問題をめぐって活発な意見の交換がなれてほしいと思います。

情報革命やネティズン革命を推進するにあたって、コンピューター・ネットワークはどのような役割を果たすでしょうか。あるいは、どのような形のコンピューター・ネットワークが、そのために最もよく役立つのでしょうか。それは、これまでの電話のシステムに似た、集中階層型のネットワークなのでしょうか。それとも、 "ザ・ネット" の個々の部分を形作っている "コミュニティ" のそれぞれが高度のインテリジェンスをもち、広帯域の通信回線とつながれている、分散協調型のネットワークなのでしょうか。「神は細部に宿る」という言葉を借りていえば、私は、「インテリジェンスと帯域はコミュニティに宿る」ような "コミュニティ・ネットワーク" こそ、情報社会のネットワークのあるべき姿ではないかと思っています。民営化、市場化、大衆化しながら急速に成長しているインターネットが、この意味でのコミュニティ・ネットワークとしてさらなる進化を遂げるためには、どのような努力が必要とされるでしょうか。これも今回の会議で、あわせて議論していただきたい問題です。