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2000 - December 1, 2000

く・も・ん・通・信

December 1, 2000 [ 2000 ] このエントリーをはてなブックマークに追加

 20世紀の最後の年も、いよいよあと旬日を残すのみとなりました。

 今年を振り返ってまず思い出されるのは、コンピューターの2000年問題対策が大成功をおさめて、その被害も拍子抜けするほど小さなものに終わったこと、他方でインターネットの“バブル”が崩壊し、さらに“IT革命”だけでなく世界経済が全体として変調を来し始めたかに見えることです。

 しかし他方、情報化との関連では、二つの注目すべき現象が見られました。その一つは、今年初めからのP2P型ファイル交換アプリケーション“ナプスター”の、ソフトウェア史上未曾有と言われる爆発的普及がきっかけとなって、P2P(ピアツーピア)への関心が一気に高まったことです。それは、アプリケーションやプラットフォームだけでなく、インフラからビジネス・モデルに、さらには政治過程にまで及びつつあります。

 もう一つは、それと密接に関係していますが、“サイバーアクティビズム”とか“ハックティビズム”と呼ばれる、人々のアクティビズムの、インターネットを媒介とした高まりです。世界中のネティズン(智民)たちが、自らの潜在的なパワー、すなわちコミュニケーションやコラボレーションを通じて自分たちの政治的影響力を発揮しうる力を自覚すると同時に、その積極的な行使に踏み切り始めたのです。その意味では、ここに起こっているのは“ネティズンの政治化”だということもできるでしょう。

 来年は、このような潮流がさらに強まっていくに違いありません。私どもGLOCOMは、そうした潮流のおもむくところをリアルタイムで見つめ続け、さまざまな角度からの分析に努めると同時に、CANフォーラムなどの活動を通じて、自分たち自身も積極的に関与していきたいと考えます。

公文俊平