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- August 6, 2005
総務省におけるデジタル・コンテンツ政策及び「メディア・ソフト制作・流通の実態」の紹介
August 6, 2005 [ ]
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6月17日のIECP研究会は、総務省情報通信政策局コンテンツ流通促進室の安東高徳氏を講師に迎え、『総務省におけるデジタル・コンテンツ政策及び「メディア・ソフト制作・流通の実態」の紹介』と題して開催された。
ネットワークのブロードバンド化が進むなかで、デジタル・コンテンツの重要性が急速に高まり、政府、民間の取り組みも積極化している。研究会では、総務省がどのような政策によってデジタル・コンテンツ振興を図ろうとし、具体的にどういう取り組みを行っているのか、またその前提としてコンテンツの制作・流通の実態をどう把握しているのかについてお話をうかがった。
総務省では、「メディア・ソフトの制作および流通実態に関する調査」を定期的に実施している。メディア・ソフトとはいわゆるコンテンツのことであり、調査ではこれをテキスト系、音声系、映像系の三つに分類している。具体的には、次のようなコンテンツが含まれる*1。
公表されている最新の調査結果は2002年のものであるが、これを見ると、コンテンツの市場全体は、2000年10.9兆円、2002年10.8兆円と、横ばいないしは微減という厳しい状況にある。ただし、その中で映像系ソフトだけは、1992年3.5兆円、1996年4.5兆円、2000年4.6兆円、2002年4.8兆円と健闘を見せている(図1)。
図1:ソフト形態別市場の推移
これをさらに、一次流通市場かマルチユース*2市場かという流通構造で見ると、一次流通市場が若干縮小傾向であるのに対して、マルチユース市場は、1992年1.1兆円、1996年1.4兆円、2002年1.6兆円、2004年1.9兆円と一貫して拡大傾向にある(図2)。
図2:流通構造別市場の推移
これらのデータから、コンテンツ市場が全体として停滞しているなかで、起爆剤として映像系ソフトのマルチユース市場が期待できると考えられる。
また、マルチユース市場をコンテンツ別に見ると、一次流通市場で約三割を占める地上波テレビ番組がほとんど再利用されていないことが課題として挙げられる。権利許諾手続きの煩雑さや二次使用料の分配方法が未確立であること、ビジネス・モデルが見えにくいことなどがネックになっていると考えられ、これらについての適切な対応を図り、効率的な流通を実現させることが、マルチユース市場を活性化させる鍵であると言える。
現在、コンテンツの市場展開において流通拡大が期待できるのはインターネット配信である。ネットワークの現状を見ると、ブロードバンド(DSL、CATV、無線、光ファイバー)の契約数が2004年末で1,866万件に達し、なかでも光ファイバーは2003年末との比較で200%以上という大きな伸びを示している。光ファイバーで大容量のコンテンツを視聴するというユーザー側の利用環境が整いつつあり、デジタル・コンテンツに対する潜在的な需要は高まっていると言える。
安東氏によると、一般にコンテンツ政策では、[制作]→[保存]→[流通]の一連のサイクルを各段階で満遍なく支援していくことで、コンテンツの利用環境が整い、市場が育っていくという。すなわち、良質なコンテンツを制作し、それを確実に保存し、ネットワークを通じて流通させていくことによって得られた収益が、次のコンテンツ制作に回っていくようになるのである(図3)。
そして、コンテンツ流通促進室では、[制作][保存][流通]のそれぞれにおいて、次のような施策を用意しているという。
[制作]コンテンツ制作、人材育成に対する支援
図3:総合的なデジタル・コンテンツ政策の推進
これらの施策のうち、総務省で具体的な取り組みが開始あるいは予定されているものとして、以下について安東氏から説明があった。(1)と(2)は前年度までに開発・実証が進んでいるもの、(3)と(4)は現在推進中のもの、(5)と(6)は今年度から開始しているものである。
安東氏からはこれらの施策について詳しい説明があったが、ここでは誌面の都合から、「(1)ブロードバンド・コンテンツ制作・流通の促進」のみ概要を簡単に紹介する。これについては、2002~04年度の3カ年にわたって「著作権クリアランスの仕組みの開発・実証」および「ブロードバンド・コンテンツ流通技術の開発・実証」が行われた。
2005年度以降は、これら実証実験の成果を踏まえ、民間での利活用促進に向けた取り組みを実施するということであった。 2005年6月17日開催(編集部)