国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)

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DISCUSSION PAPER_No.2(16-002)「ネット上の情報共有・発信がもたらしたGDPに反映されない消費者余剰の推計」

DISCUSSION PAPER No.2(16-002)

ネット上の情報共有・発信がもたらしたGDPに反映されない消費者余剰の推計(*1)

山口真一(国際大学GLOCOM研究員/講師)
坂口洋英(慶應義塾大学院経済研究科 修士課程)
彌永浩太郎(慶應義塾大学院経済研究科 修士課程)

要旨

インターネット上で提供されている多くのB to Cのコミュニケーションサービスは、基本利用料が無料である。そのため、利用者が多い割に、GDPへの貢献は限定的であることが指摘されている。しかし、その一方で、インターネットは利便性を向上させ、GDPに反映されない便益を消費者にもたらしているといわれている。

そこで本研究では、ネット上の情報共有・発信によって、人々の消費者余剰がどの程度発生しているのか、定量的に評価する。消費者余剰とは、簡潔にいうと、支払意欲額(留保価格)から実際の価格を引いたものである。消費者余剰の推計においては、同じように機会費用しかかからないようなサービスの消費者余剰推計方法を提案した、Hausman(1999)とGoolsbee and Klenow(2006)を参照する。

計量経済学的手法で消費者余剰を推計した結果、日本全体での消費者余剰は年間約15.7~約18.3兆円で、対GDP比は約3.2%~約3.7%となった。また世代別では、20代が約4.0兆円~約4.6兆円と、最も高い値になった。以上の結果から、ネット上の情報共有・発信は、GDPに反映されない非常に大きな価値を人々に提供していることが示された。

*1 本研究は、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターが、グーグル株式会社と共同で行っているプロジェクト「Innovation Nippon 2016」における研究成果の一部となっている。

キーワード

消費者余剰,経済効果,実証分析,インターネットの価値,UGC,情報シェア

2016年12月発行