安保議事録 質疑応答 各委員より



伊藤委員長 以上で各党を代表する委員の質疑は終了いたしました。

 この際、委員各位に申し上げます。

 これより、質疑のある委員は、挙手の上、委員長の許可を得て発言するようお願いいたします。また、発言の際は、着席のまま、所属会派及び氏名を述べた上、お答え願う参考人のお名前を告げていただきたいと存じます。

 なお、一回の発言は三分以内で簡潔にまとめていただくようにお願いいたします。

 それでは、質疑を続行いたします。

 質疑のある委員は挙手をお顧いいたします。

神田委員 新進党の神田厚でございます。

 参考人の皆さん、大変責重な御意見ありがとうございました。

 私は、我が国の安全保障の問題で朝鮮半島の安定が非常に必要だということを思っておりますが、この際、参考人の皆さん方にお聞きをしたいのでありますが、北朝鮮で特に食粗不足が云々されております。そして、日本において授助したらいいだろうというふうな意見がございますが、この問題について端的にお尋ねいたしますが、北朝鮮への援助米の間題について、是か非かあるいはどういう条件が満たされればいいかというふうな問題についてお尋ねをいたしたいと思います。

佐久間参考人 申し上げます。

 米韓両国との共同調整ということが今までの日本の基本的な方針になっておりますが、私はこの方針は今後とも維持すべきと思います。

 ただ、日本の場合は、いわゆる国民感情的に見て、簡単に食糧援助をしていいのかということについての疑問はあると私は思います。ですから、日本が食糧援助をやるとするならぱ、客観的に見てその必要性が認識できること、そして援助した食糧が国民に的確に配分されること、その二つを明らかにする、これはいわば国際社会、国連等に期待する役割だと思いますけれども、それが必要だろうというふうに私は思っております。

渡邊参考人 余りつけ加えることはございません......(神田委員「いいか悪いか」と呼ぶ)困りましたね。いいことには違いないのだろうと思うのです。ただ、政治的にこれから朝鮮半島の南北関係をうまくどういう方向に持っていけるかというシナリオというのでしょうか、見通しというものと全く無関係にというのではやはり困るのだろうと思うのです。

その意味で、例えば南北の間の対話にどう持っていくかとか、あるいはいわゆるKEDOをめぐっての四カ国の枠組みがあるといったような、そういう中で動いているわけですから、そういうことを当然考慮しながらやらなければいけないのではないかと思います。

岡崎参考人 北朝鮮問題についての最大の原則は、日本と韓国との間係を傷つけないこと。ですから、韓国の意向を無視してまでの行動はとってはいけない。ただ、現在、アメリカと韓国は人道援助まで考えておりますけれども、日本は例の拉致事件がありまして、そこまでもいけないという状況になっております。

  これは人道援助でございますから、人道援助というものは政治的判断から切り離すべきものでありますけれども、人道援助というものはあくまでも善意に基づくものなので、それに対してやはり向こうも最低の善意は示してくれないと人道援助さえもできないだろう、そう思っております。

小川参考人 私も岡崎参考人の御意見と似たような認識を持っております。

  とにかく人道援助というのはすべきことだろう、しなければ悪者扱いされるわけです。しかし、北朝鮮として日本と外交の道を開こうとどれだけ努力をしてきたのか、日朝交渉についてどれだけ彼らは積極的な姿勢を見せているのか、最終的にはアメリカが自分の方を向いてくれれば安全でいられるという認識のもとに核兵器を開発したではないか、そういう国に対して私たちはおいそれと人道的だからといって援助をする必要はない。その辺を明確にする中で、北朝鮮と外交関係を結ぶ必要があるのかどうか、それを問いかけることがまず前提条件になるだろうと思います。

  以上です。

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東中委員 日本共産党の東中光雄でございます。

  岡崎参考人と、違う意味で佐久間さんのお二人にお聞きしたいのです。

  まず岡崎さんに、先ほどのお話で、日本国憲法は集団自衛権を認めているとおっしゃられました。そして、集団自衛権の行使を禁止している解釈というのは、政策的解釈で非常に奇妙な解釈だという趣旨のことを言われました。それでお伺いしたいのですが、日本国憲法の何条で集団的自衛権を認めておるのか、あなたが言われるその根拠をお聞きしたい。

  それからもう一つは、集団的自衛権の行使ができないというふうに言っているのは、憲法の戦争放棄、武力による威嚇、それから武力の行使を禁止している規定と交戦権否定のあの憲法の規定からいって、憲法解釈上集団自衛権の行使はできないのだというのが政府の解釈だったわけです。そう私は理解しているのですが、あなたの言われていることはどうも理解できませんので、その辺を説明していただきたい。

  佐久間さんには、海幕長及び統幕議長の経験者としてお伺いするのですが、劣化ウラン弾の使用問題で、政府の今までの答弁を見ますと、こういうふうに言っているのです。

  劣化ウランは核燃料物質の管理という観点から、日本でも、アメリカでも原子力エネルギー法及びその関連法令に基づき管理されておる、米軍はこの国内法令に従って劣化ウラン弾の使用については米国内の指定基地においてのみ訓練を行っておる、こういうふうに言っていました。そして、劣化ウラン弾は、我が国の訓練場における使用は禁止されているが、有事の場合に米軍がこれを使用する必要があるかもしれないということで、米軍規則に基づいて、所定の基準を満たした特定の弾薬庫において安全に万全の配慮を払いつつ厳重な管理をして保管をしている、これが政府の予算総括の委員会での答弁なんです。

  ところが、3月18日になって同じ北米局長が、米軍からこういうふうに言ってきたと言うのです。米海軍は、1996会計年度の訓練用として、太平洋艦隊に4600発の劣化ウラン弾を割り当て、カタログに......

伊藤委員長 質問は簡潔にお願いします。

東中委員 はい。記載がなかったために海兵隊に支給されてこの発射になった、こう言っているのです。これは、軍の運用をやってこられたあなたから見て、軍の規則で厳重に保管するだけだ、訓練はやらないのだということになっておるのを、海軍が、海軍省から太平洋軍に配備されて、そして、訓練で1520発撃った、大変なことですね、軍人ならそれは考えられぬことでしょう、こういうことが起こるのは一体どういうことなんだ。軍の運用の長におられたあなたとして、これはあり得ることか、本来ならないことを米軍はやっておるということになるのじゃないかということをお伺いしたいのです。

岡崎参考人 憲法は集団的自衛権を認めております。その憲法の規定は、条約尊重の規定でございます。

  国連憲章、サンフランシスコ平和条約、安保条約、これを全部批准しております。日本は非常にまじめに国際条約は守っておりまして、条約に我が方の国内法に反するものがある場合は、まず国内法を改正する法案を同時に通しております。あるいは、国際条約の場合、それだけはだめだという留保を付しております。いずれも付さない場合は、それは条約を受諾したことになります。条約を受諾した以上、それを遵守する義務があります。それが第一点でございます。

  第二点は、憲法解釈でございますけれども、憲法の有権解釈というのは裁判所が持っているわけでございます。別に政府が持っているわけでもないし、国会の先生が持っているわけでもない。有権解釈は裁判所でございますが、裁判所は、憲法は独立国固有の自衛権を否定していないと考える、それが憲法解釈でございます。

  それで、我が国が批准しました国連憲章によりますと、自衛権の内容は個別的及び集団的自衛権の両方がございます。いかなる裁判所の判決も、個別はいいが集団が悪いという判決はございません。ということは、憲法解釈上、個別自衛権、集団自衛権の両方がございます。

佐久間参考人 私、かつて海上自衛隊に勤務しておりましたので、昔海軍で奉職されました東中先生には先輩としての敬意を表したいと思います。

  今の劣化ウラン弾のことにつきまして、私は3月18日云々といった事実を承知しておりませんので、正確にお答えできない立場にあることを御理解いただきだいと思います。

  ただ、その前にいろいろ御説明がありましたように、これは非常に厳重な保管をするというルールがあるのだろうと思います。それは安全上のリミットを超えないようなルールで保管している。ただ、その安全上のリミットを超えない範囲でそれを訓練に使うということが同じ基準からもし出ているとするならば、それはあり得るかなという感じがします。

  ただ、正確に事実を承知しておりませんので、私は的確なお答えをできる立場にないということを御理解いただきたいと思います。

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中野(正)委員 自民党の中野正志でございます。

  佐久間参考人にお伺いをいたします。

  朝鮮民主主義人民共和国は内なる崩壊のときが近づいてきたのではないかと推測いたしております。その場合に、大混乱が起きる、当然ながら難民の発生が出てくる。陸か海しかないわけですね。今現在も、中華人民共和国に大分の難民の方が、発表はされていませんけれども、逃げ込んでおるという話があります。しかも、そういう大混乱のときは、当然ながら海に逃げられる人たちもいる。そういう人たちが、当然ながら日本を目指しながらやってくるということは十二分に想定されるわけであります。

  現職中に考えられたかどうかということを聞くのは大変失礼でございますので、佐久間参考人なら、その場合に、日本の平和と安定のために重大な影響を及ぼすわけでありますから、どういうシミュレーションをなされるか、お伺いをしておきたいと思います。

佐久間参考人 私、現職時代、長崎県の佐世保で勤務しているときに、中国沿岸からいわゆるボートピープルという人々が九州の沿岸あるいは一部日本海に到着したという事案がございました。

  そのときに、現場で見ておりまして、あの何十人、何百人というオーダーでも、それに対応する現地の関係省庁といいますか関係当局、例えば出入国管理等、非常に大変な労働をしょわれた、当時の関係者の一人が過労で亡くなられたということも目の当たりにいたしました。したがって、もしそれをはるかに超えるオーダーの事態が起こった場合に、我が国にとって非常に大きな問題になるのは想像にかたくないところであります。

  ただ、それは、現行の法体制では一義的には法務省なり警察庁なりが対応されるべき仕事だと思います。ただし、そういった本当に想像を絶するような大規模な事態において、国全体が総力を挙げて対応しなけれぱならないときに、防衛庁、自衛隊も必要に応じてしかるべき任務を分担するのは当然だと思いますし、そういった検討はもちろんなされているというふうに私は考えております。ただ、それを実現するためには、法体制の整備も含め、国家として、政府としていろいろなすべき措置が必要だと考えております。

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上原委員 さっき少し伺えませんでしたので、渡邊参考人と、これは佐久間参考人がいいかもしれませんが、一点だけ簡単にお尋ねしておきたいと思います。

  どうも日米共同宣言は、さっき再確認あるいは再選択、再定義という表現がありましたが、確かに日米間で、同盟という立場からすると、そういうふうに解釈できると思います。

  そこで問題は、私の乏しい情報、知識からして、アメリカ側の期待はガイドラインの見直しというところに非常に比重をかけているのではないかという気がいたします。そこで、ガイドラインがアメリカ側の期待並みに見直しが可能ならば、在日米軍基地のことについてももっと積極的に対応しようじゃないかという考えがあるのじゃないかと私なりに推測したりするのですが、その点はどうお考えかということが一つ。

  そして、ガイドラインを、抜本的という表現をなさる方もいるのですが、見直しをするとなると、これまでどおり今の制度、法制の中にはまるのかどうかということも、もしお気づきでしたら教えていただきたいと思います。

渡邊参考人 御質問を正確に理解しているかどうかわからないのでありますが、日米安全保障再確認、再定義に関するアメリカ側の期待はガイドラインの見直しにあるのではないか、この点で、アメリカの期待にもし日本が沿えるならば−アメリカは何をしようというふうにおっしゃったのか、ちょっとよくわからないのですが。(上原委員「沖縄の米軍基地とか在日米軍基地の対応見直しも可能か」と呼ぶ)

  そのような了解が両政府にあるのかどうか、私は存じ上げません。

  ですから、非常に一般的なお答えしかできないかと思いますが、ある意味で、今まで沖縄に大きな負担がかかってきているということは、本当にアメリカから見て日本がどれだけ安全保障上のいざというときの頼りがいのある相手であるかどうかという問題とどこかでつながっているということは、遺憾ながら否定できないだろうと思います。

  早い話が、沖縄返還ということに米軍が踏み切るときにもそのようなことがあったと思うのですよ。つまり、日本が人ごとではなくて、アジア・太平洋という言葉が当時あったかどうかわかりませんが、アジアの安全保障のために、日本がそれは自分の問題だという気持ちでアメリカと本当に一緒にやる気があるのかねというのが、いろいろな形でアメリカが当時の日本政府に問いかけた問いであろうかと思います。

  それに対して、当時の佐藤総理大臣が、そうだよということで、有名な日米共同声明及びプレスクラブでの演説で、例えば朝鮮半島の問題、台湾海峡の問題、当時はべトナムもございましたが、そういうような問題について日本側はまじめに考えるのだという意思を表明なさったという歴史的な事実がございます。

  ということで、もちろんアメリカから見れば、明らかに今まで持っていた権利の何がしかかなりの重要な部分を日本側に譲るのである、そのかわりにもっと大きな得るものがある、それは全体としての日米の安全保障上におけるより確かな協力関係である、こういう考え方であったのだというふうに私は理解しています。

  ですから、その意味でいえば、そういう関係は今でもあると思う。ということは、余り勘ぐっていただくと困るのですけれども、それじゃアメリカは依然として日本を信用していないのかということになるのですが、基本的には信頼していると思いますけれども、その上に立って、より具体的に日本とアメリカがより広い共通の目的のために協力していきやすい体制を全体としてどうつくっていくかということをアメリカは常に考えている、それは当然なことだろうと思うのですね。

  これは、アメリカが都合のいいように考えて、日本はそれを本当はしたくないのだけれどもそれに合わせるという形でしばしば理解されることが多いと思うのですが、そうではなくて、私が考えている限り、昔のことはともかく、少なくともここ何年かの最近のことを見ますと、むしろ日本がより意味のある安全保障の役割をどうやっていくかということは日本自身の国益であり、そのために日米安保条約を初めとした日米関係という枠組みを使って日本がどうやっていくか、何をやるべきかというふうにむしろ日本側から積極的に答えを求めている、そういう関係であろうと思います。

  それを現象的にいえば、上原議員のおっしゃったように、これとこれとが対になっているのではないかというふうな解釈もあるいはできるのかもしれませんが、私は以上のように考えております。

佐久間参考人 現行のガイドラインの問題点というのは、私は以前から二つ大きく述べております。

  一つは、御承知のとおり、あの研究というのは単なる研究であって、両国政府に義務を与えるものではないというのが一つ、そういう位置づけの問題がございます。もう一つは、1978年にできたガイドラインは、当時の情勢を前提にしておりますので、いわゆる五条事態の、しかも日本だけが侵略、攻撃を受けた場合に日米共同でどう対応するかといったケースに限定されて、しかも六条事態についてはやろうといいながら何もできなかった、そういった対象とする事態の問題があります。

  冷戦が終わって、今後、日米両国は各種の事態に共同して対応していく、もちろんそれは作戦行動だけではありませんけれども、そういった広い意味の分野というものを視野に入れてもう一度見直すべきだろうというふうに私は考えております。去年の日米安全保障共同宣言の中で、御承知のとおり、ガイドラインの見直しということがうたわれました。これは先ほど陳述で私申し上げましたが、言ってみれば両国の政府首脳が宣言した基本的な大枠を肉づけしていく一つの手段だというふうに私は思います。それによって、日米双方にとって、この日米の安保体制、同盟関係が確実になるというふうに考えます。ただ、このガイドラインの見直し作業というものは、アメリカが言うからやるとか、そういった外圧云々といった観点、視点で考えるべきではないと私は思います。あくまでも将来の情勢を踏まえて、我が国が国益に照らして何をやるべきか、そういったことをまず考えて、いわば主体性を持って私はやるべきだと思うのです。そして、幾らアメリカの要求、二ーズがあっても、それは日本としてやるべきでないという行動とか活動はやらないということをはっきり宣明すればいいわけだというふうに思います。外圧によって、アメリカが十言うからそのうち何とか五つぐらいやっておこうかといった主体性のない姿勢はとるべきでないというふうに私は考えています。

  むしろアメリカとしては、従来、ガイドラインが、先ほど私言いましたように、研究はしたけれどもこれは一体根拠があるのか、いざというとき日本はどう対応するのかということが全くわからないままに来た、その不安というものはあると私は思います。

  したがって、今回のガイドライン見直し作業で、ことしじゅうに有事法制を含めてきちんとした体系ができるとは私は思いません。しかし、少なくとも両国の首脳が約束した宣言に基づいて行う作業を実際に適用するときには、国家としてどれぐらいのいわばオーソリティーを与えるかといった裏づけは必要だろうと思いますし、それが改善されることによって、現行のガイドラインよりもより信頼性が高いものになると思います。

  そういうことが私の認識でありますが、先生御指摘のように、それと沖縄の部隊云々あるいは基地とのトレードオフ、そういうことは考えていないだろう、私はそう思います。

  以上です。

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藤田(幸)委員 ありがとうございます。主に小川参考人、それから部分的に岡崎大使にもお答えをいただきたいと思います。

  先ほどの上原康助議員の最初の質問の中で、海兵隊の地上部隊のグアム等への即応後方部隊配備という質問がございましたけれども、これは先はどの二人のお答えから考えますと、在日米軍基地が世界の戦略的拠点としての役割を持っているということを、日本側も知らないだけではなくアジアも知らないということも一つの大きな問題ではないか。

  したがって、アジアの諸国に対して、実は在日米軍基地がこういう役割を持っている、さらに、先ほどの小川さんの表現でいえば、沖縄の方が仮に筋肉だとすると、特に本土の部分が頭脳的な役割を持っているんだという認識をアジア側から持っていただくことによって、例えばその筋肉の部分をアメリカ領域に移転をするということが全体的からいって大した意味を持たない、相対的に。したがって、先ほどの岡崎さんの話でいえば、それが政治的にマイナスイメージにならない。

  そういう条件をクリアした上で、先ほどの、沖縄問題の解決の中でのアメリカ軍の軍事的プレゼンスを維持するということの条件が満たされれば、上原さんが言うところの沖縄におけるいろいろな構成を変えていくことが可能ではないか、そのぎりぎりの問題ではないかと思うのですけれども、であるならば、軍事的プレゼンスを維持するためには、例えば海兵隊の地上部隊に関していえば、グアム等に関していえば可能だとか、あるいは演習場を仮に多少減らした場合にどこまで可能か、例えばアジアに対してあるいは日本に対しても最低そういった在日米軍基地の意味を知らしめた上でどこまで可能かという点についてお二人からお話をいただきたい、それが非常にこの沖縄問題の解決のかぎになるような気がいたしますので。

小川参考人 御質問ありがとうございます。

  先ほど上原さんの御質問に対するお答えがちょっと舌足らずだったので、岡崎参考人、佐久間参考人から大変御指摘をいただく結果となりました。もう少しその辺のところをお話をしておかなければいけないのだと思います。

  私が即応性の高い後方配備という格好で海兵隊地上部隊をアメリカの領域に下げることができるのではないか、それに対してアメリカ側も受け入れる可能性があるという感触を得ているというお話をいたしましたのは、単に戦場近くの基地に装備等を事前集積をしておくいわゆるポンカスというものがありますが、それではないということなんです。

  日本はアメリカの戦略的根拠地であり、ポンカスが必要とされるのは第一線の野戦基地である、その違いがございます。ですから、私どもが提案をしておりますのは、やはり戦略的根拠地である日本の現状というのを踏まえて、沖縄の海兵隊基地には装備品は一式置き、それは常に有事即応の態勢でメンテナンスをしておき、適宜第一線の部隊が戻ってきてそれを使うといったようなエクササイズの内容も伴うものであります。

  そういったことの中で、例えばアメリカ西海岸に後方配備をする場合でも、アメリカが湾岸戦争のとき見事に実証しましたように、CRAFといいますが、民間の航空機をチャー夕ーする制度を持っております。これで、湾岸危機が発生した1990年8月中旬の段階に、カリフォルニアに駐留しておつます第四海兵旅団、定員15000人でございますが、これをわずか6日間でサウジアラビアに展開した、そういったことがありますので、24時間以内に例えば即応後方配備の部隊が戻ってくることになっているということを明確に示す、それを有事協定として結ぶ、それを周辺諸国には周知徹底しておく、これが誤ったメッセージを伝えないための第一の条件ではないかと思います。

  とにかく徹退とか削減とかいう言葉を安易に使わないようにしようというのが先はどの私の話でございました。これは別な概念で語らなければいけない。だから、アメリカの軍事的プレゼンスは一定のところで維持されるのだ、アメリカ側が了解をするレべルであるということは重要であります。

  そういう中では、私の最初の意見陳述にありましたように、一見したところ沖縄の米軍基地の強化につながるようなステップも踏まなければいけない、これが海兵隊の地上部隊を後方配備するためのカードになるだろう、それを日本側が持つ用意があるのかないのかということを沖縄の方々にも投げかけ、もう一回議論をしたいというのが私の立場でございます。

  ちょっとお答えになったかどうかわかりませんけれども。

岡崎参考人 アジアへの周知徹底でございますけれども、私が仄聞しているところでは、ことしの初めに橋本総理がASEAN訪問をされまして、それで各首都で必ずおっしゃやったことは、日米同盟はアジア全体の公共財産である、たしか英語で、要するにアジアの平和と安定のインフラストラクチャーである、そういうことを言われたそうでございます。それに対して反応は非常によかったと言っております。これは新聞には余り出ておりませんけれども、アメリカも大変アプリーシエイトしております。そういう意味で、日米同盟をがっちり守る、だからアジアは大丈夫なんだよ、これがアジア諸国に対する日本のメッセージでございます。

  そこで、それを伝えた上で減らすという話でございますけれども、今の小川きんのお話も伺っておりましたけれども、ぎりぎり減らしてもどのくらい減らし得るのか、もちろん減らした結果は24時間の損になります。戦争における24時間の損というのはかなりの意味のあることでございますけれども、やはり24時間の損にはなります。それをあえて冒して1000人単位まで減らせるかどうか、極めて疑問に思います。

  つまり、それを減らすことが今度沖縄問題解決のかぎだという判断ですと、37000人のうち1000人減らすことが沖縄問題解決のかぎになるかというと、私はかぎにならないと思うんです。沖縄問題解決というのは、やはり別のことだと思います。

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奥山委員 自民党の奥山です。

  東アジアにおける軍事的なバランスの問題で岡崎参考人と小川参考人に聞きたいんですけれども、私はよく中国へ行きまして、何回も、またいろいろな機会で向こうの人民解放軍のいろいろな方と交流する機会があったわけです。

  それで、最近中国も軍事費が非常に高い勢いで伸びておるということで、将来の東アジアにおける大きな軍事的な脅威になるのではないか、こういう話もよく出てくるわけでありますけれども、基本的には中国の人民解放軍というのは防衛的な組織であって、渡洋攻撃をする、侵攻をするような組織体にはなっておらないように私は理解しておるのですけれども、先生の方から見られまして、将来的に東アジアにおける大きな軍事的な脅威になり得るかどうか、政治的に---経済的には大きな脅威に中国はなってくると思うのですが、その辺についてどうか、お尋ねをしたいのです。

岡崎参考人 先生仰せのとおり、現在はもう脅威ではございません。現在は、いわゆるプロジェクション、海洋とかそういうところに進出する能力を持っておりません。

  ただ、長期的な方向は、冷戦が終わりましたころ、その少し前からですけれども、防衛的な配備についていた百万人の軍隊を削減しまして、浮いたお金を専ら海空軍に投資しております。これが非常に時間のかかる過程でございまして、現在のところはまだまだ弱くて、昨年の3月の台湾事件では、空母機動部隊2個を前にして手も足も出ない、そういう状況でございます。

  ただ、現在伝えられている計画が今後進んでまいりますと、まだ数年ということはございませんけれども、専門家、例えばアメリカのチャールズ・フリーマンなんかに言わせますと、2005年ごろになりますと、海空軍でもって周辺の地域を脅かす能力が出てまいります。私はもう少し早いかと思っておりますけれども、これは私個人の意見なんです。それから、それに対する今度は練度ですね、完全な練度を持ってそれを運用するようになるのは、専門家に言わせると2010年という人もおります。

  ですから、結論として申しますと、現在は、おっしゃるとおり、何も能力はございません。ただ、現在の計画が進むにつれて、2005年ごろからだんだんと脅威になる、そういう判断でございます。

小川参考人 中国人民解放軍については、私、専門ではありませんので、非常に大ざっぱなところでしかお話をできないのですが、例えば中国人民解放軍について、中国は大陸国だから陸軍が主体だといったような言い方がよくされます。ただ、それはちょっと認識を変えてみる必要があるだろう。その中で、中国人民解放軍の目指している将来像がどれぐらい現実味を持ったものかということを考えていくという角度も必要ではないかと思います。

  中国は大陸国家だから陸軍が主体になっているという言い方では正確ではないと思うんですね。中国の場合は、これは共産党が政権を持っており、共産党における軍事力というのは共産党の権力を守るための暴力装置である、だから、治安任務が主体だから大陸国家であろうと島国であろうと陸軍が中心になる、陸軍が巨大な存在としてあり、それにつけ足される格好で海空軍が加わってくる、そういったような構造であると考えた方がいいと思います。

  ですから、そういう中で、過去には陸軍の七大軍区という形で分かれておりましたが、その一つの軍区ぐらいの位置づけしか海軍はなかった、そういう時期もございました。そういう中で、劉華清氏が政治的に登場してくる。そして、空母の建造願望を示すという格好でパワープロジェクションの能力を備えようという方向は見せております。

  ただ、中国人民解放軍の基本的な性格が、共産党の政権を維持するための治安任務を主体とする暴力装置である限り、その辺にはおのずと限界が来るだろう。ですから、私どもが注意をしていかなければならないのは、中国が共産党政権とその人民解放軍との関係をどのように変えていくのかいかないのか、その辺の問題が一つ肝要かと思います。

  そういう中で、今岡崎参考人の方から21世紀前半において一定のパワープロジェクション能力を持つ可能性があるというお話がございまして、私もそれは同感でございます。

  ただ、そういう場合に、それがどれぐらい可能になるかどうかを左右するかぎは、やはり世界一の海軍国にして世界のリーダーたり得るような軍事力を極東においても展開しているアメリカの動向次第であろう。アメリカとどのように中国が外交関係を結ぶことができるか、それによって中国の軍事力がどの水準に達するか分かれてくると思うんです。

  ですから、私どもアメリカの同盟国として、その中国の軍事力がとにかく日本初め周辺諸国の脅威とならないように、中国との良好な関係を日米同盟を基軸に組んでいくことが重要ではないかと思います。

  どうもありがとうございました。

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村井委員 新進党の村井仁でございます。きょうは大変いろいろありがとうございました。

  岡崎参考人と小川参考人にお尋ねしたいのでございますけれども、極東といいますか東アジアの情勢の問題で、香港の中国への回復の問題、これはある意味では、世界で最も自由を享受した地域が、ちょっと表現は適当でないかもしれませんが、世界で最も不自由な国に完全に統合される。しかし、一国二制度とかいろいろ言っていますけれども、実際はいわゆる民主派が何となく抑え込まれつつあるような感じもある。このあたりが、近未来といいますか、一種のトラブルのもと、不安定の要素になるのかならないのか、このあたりの見通しが一つでございます。

  それともう一つ、これはちょっとまた別な話でございますけれども、先ほど岡崎参考人から、いわゆる米国の孤立主義的傾向という御指摘がございました。私は、アメリカがグローバルコミットメントをきちんと続けていくということがやはり世界平和の基礎だろうと思っているのでございますが、御指摘のような孤立主義的な傾向というのは、常に恐ろしいといいますか怖いものだと思っています。

  一方で、アメリカは何かありますと、例えば人権ですとか民主主義ですとかいう普遍的理念の追求ということで世界中に何でも手を出してくるという傾向もあり、一方では、孤立主義との綱引きがしばしば行われる。ここ5年、10年、フォーシーアブルフューチャー、予見できる末来において、これはどっちの傾向が強まるというふうにお考えになるか。この二点、両参考人からお伺いしたいと思います。

岡崎参考人 香港につきましては、私は、中国移転はスムーズだろうと思っております。

  スムーズという言葉の定義でございますけれども、中国はもともと香港返還をスムーズにして、それを手本にして台湾と統一ということを言っております。それとはちょっと意味が違うのでございまして、なぜ香港返還がスムーズかと申しますと、中国人というのは現実的でございますから、もうあきらめているんですよね。英国時代のような言論の自由があるとも思っていないし、政治の自由があるとも思っていない。それでも商売ができればいいじゃないか。それから、英国時代のように、汚職もなくコネもなく、自由な経済活動ができるとも思っていないです。一年、二年前からみんな競争で北京とのコネを求めて走っている、そして大体のコネもできた。つまり、ある種の敗北主義で、長い物には巻かれろということでもって復帰準備は大体できている、そういうことでございます。

  ですから、短期的な将来の見通しとしては、恐らく余り混乱もなく返還されると思います。若千の民主派の反対運動はあるかもしれませんけれども、これは幾ら運動をしましても、イギリスはもう助けに来ない、アメリカも助けに来ない、これはしょせん早かれ運かれ鎮圧される性質のものでございますから、大した意味がない。ですから、これはスムーズであることは間違いないのでございますけれども、今度は台湾の人にとってそうなってもいいかということになると、それはまた全然別の問題でございます。

  それから、アメリカの孤立主義は、今のところ理論として孤立主義を言っている人は極めて少数です。これは冷戦が終わっても大変心強い現象でございまして、私の知っている限りではブキャナンただ一人でございます。

  ただ、孤立主義的な感じが出てまいりますのは、予算の削減のときに、この部分の軍事費は切れとか、それから海外駐留はこれを切れとか、QDRと申しまして、それの前提となる兵力の見直しがもうすぐ行われます、それについても、そんなに在外兵力は要らないじゃないか、政策論としてはそういう形の孤立主義的な傾向は出てきそうだ。ただ、きのう見えたゴアさんが十万人体制を維持する、そのことをはっきりおっしゃっておられますので、今度のQDRは乗り切ったんだと思います。

  ということは、今のところ、孤立主義はイデオロギーとしてはまだごく少数でございますし、傾向としても今歯どめがかかっている。これが続けばいいと思っております。

小川参考人 御質問ありがとうございました。

  香港の問題につきましては、中国側は香港を回収するんだ、回収したんだということを言っております。これは大方の見方と同じように、本当に大きな混乱もなく、多少のテロ事件や何かあるかもしれませんが、落ちついていく問題だと思います。

  ただ、日本として一つ気にしなければならないのは、岡崎参考人がおっしゃったこととも重なりますけれども、中国がしゃにむに台湾問題を解決していくためのモデルにしようとするのではないか。しかし、台湾はそれを受け入れるわけがない。そこにおいて軍事的な摩擦が生じる可能性が高まるわけであります。

  そこにおいてアメリカはどうかかわるのか、また日本は、アメリカを介してでありますが、どのようにかかわるのか、また中国とダイレクトにどういう外交関係を結びながらそういう事態を避けるのか、その辺については明確な将来像というのが提示されているわけではございませんので、逆に、これからこの安全保障委員会を中心に御議論をいただいた方がいいのではないか、そういう感じがしております。

  いま一点、アメリカの孤立主義的傾向ということでございますが、それこそ昔の日本側の認識で、アメリカに何か日米安保について文句を言うと、アメリカが安保を切ってしまって日本は寒い目に遭うよといつたような形で、アメリカが一方的に日本を初めとする各国へのコミットメントから手を引くというようなこと、つまり、かつてのモンロー主義のようなことは可能性としては考えられても、実現可能性が高いとは言えないと思います。ただ、冷ややかなまなざしを日本に向けてくる、あるいはドイツに向けるといったようなことは、アメリカ国内の情勢において大いにあるでしよう。

  ただ、私どもは、そういう場合に二つのかかわり方を同時にしておくのが普通の独立した国の外交ではないかと思います。一つは、君たち、余り文句を言うんだったら、アメリカは日本から手を引くよと向こうが露骨に言った場合には、どうぞということを言わなければいけない。日本も困るけれどもおたくも困るでしょう、どうぞと。

  もう一つは、常に言わなければいけないことは、アメリカの国民に対して、日米関係がどのようにこれまで良好に維持されてきたか、それによって世界の平和に対して貢献してきたかということ、また、そこにおける日本の役割については常に伝え続ける努力が必要だということなんです。

  一昨年の秋、私は、沖縄の米軍基地問題で、少女暴行事件が起きた後、東京のプレスクラブに呼ばれまして二時間半ほどスピーチをいたしました。アメリカ大使館も六人ぐらい来ていました。それを、アメリカのC−SPANという議会の生中継をやるテレビ局が一時間半の番組にしてアメリカへ流してくれた。それを見たアメリカ人から反応があって、今まで日本側からこういう説明を受けたことがないという話なんですね。

  だから、これはある意味で日本側の怠慢であっただろう。とにかく外交関係は、お互いに最後は国益でありますから、アメリカほどいい相手国はないんですから、それが壊れないようにするためにはさまざまなかかわり方をすべきだろうということを考えております。

  どうもありがとうございました。

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平田委員 大変長時間、ありがとうございます。

  もう時間もありませんので、限定してお伺いをさせていただきたいと思います。

  佐久間参考人にお願いをしたいというふうに思いますが、まず沖縄の基地、SACOの最終報告で一応一段落したという見方を政府はしておるのですが、沖縄の人たちは、一応の評価はするけれどもこれでは困る、これはもっと減らしてもらいたいんだという強い要望がありますが、それについてどのようなお考えなのか。岡崎参考人は本土へ移せばいいじゃないかとか、あるいは小川参考人は即応態勢をもってアメリカの領域内に移すことも将来は可能かもしれないという解決策を一応提示はしておいでになりますが、これが実現可能かどうかは別にして、佐久間参考人はどのようにお考えなのか、お伺いをしたい。

  あと二点ございまして、もう一つは、米軍はフィリピンからクラーク基地とスビック基地を撤退してしまったわけですね。撤退をするというのは、極東の安全ということを考えますと、やはり日本にとっても極めて重要なテーマだったと思いますが、これはどのような話し合いが行われたのか、また、行われるべきだったのか、その辺、もし御説明をいただければありがたいなというふうに思います。

  それから、私ども、この安全保障委員会で、今後もこういう参考人という形で法案審議以外にも徹底した議論をしていきたい、こう考えておりますが、委員長からの御提案もございまして、テーマによっては制服の皆さんにも来ていただいたらどうかという御意見もありますが、それについてお考えがありましたら、お聞かせをいただきたいと思います。

  以上でございます。

佐久間参考人 三点、御質問いただきました。

  まず沖縄の基地のさらなる縮小、私はそれは希望としてあり得るということは十分に理解できます。しかし、現実の政策としては、繰り返しておりますが、両国政府が当面の目標であるSACOの最終報告を出した、それを実現するのがまず最初のやるべきことだろうと思うのですね。約束はした、しかし、全然進まないじゃないかということになると、これは沖縄の人たちにとっても、第一の約束もやってくれないのに次の約束ができるかという政府に対するむしろ不信感にもなりかねない。そういう意味で、ステップ・バイ・ステップで進めるべきだろうというふうに私は考えております。

  次に、フィリピンのスビック、クラーク基地の撤退につきましては、あるいは岡崎参考人の方がお詳しいのではないかと思いますけれども、私はあの交渉に直接夕ッチしておりませんが、聞いた話では、当時の交渉において、これはアーミテージが当たっておるわけでありますけれども、フィリピンが終始言ったのは、ハウ・マッチ・マネーという話であったということであります。それで、戦略的なあるいは安全保障という土俵と全く食い違った交渉をある程度やって、もうやめたというのがアメリカの本音ではなかったんじやないか。

  それは、この地域の安全保障にとってはある意味では非常に大きなダメージだと思うのですけれども、アメリカのドラスチックな変更というのは、そういったところにもぽっと出てくる可能性がある、私はそういう印象を持っております。ですから、一つは火山という要因もありましたけれども、あの基地を返還した後、アメリカ自身は別に安全保障上大きな影響はないという説明をいたしましたが、私は、そうではないだろう、ある意味ではあれは政策の断絶であったというふうに考えます。

  ただ、フィリピン側もその後政権が変わりまして、基地の復活ということは言いませんけれども、いわば米軍がフィリピンにアクセスするという道を通じてそのコミットメントを確保するという、ある意味では政策の転換をしてきたというふうに考えております。

  最後の御質問で、国会のこの委員会等において制服自衛官が出席して云々ということでありますが、私は現役時代から、そういった意見も一部ございましたが、反対してまいりました。と申しますのは、二つ理由がありまして、一つは、本当に制服自衛官がここに来てお話を申し上げるという必要性、それはテーマによつて非常に掘り下げたことだろうと思いますけれども、そこまで現実的な論議が率直に言ってなされていなかったというのが私の否定的な理由の一つであります。

  それからもう一つは、やはり制服自衛官が出てくる以上は、ある程度秘密に属することもお話しすることが求められる、そういった場になるのだろうと思います。それは、やはり国の安全ということにかかわる非常に大きなことでありますので、あるいはこの委員会のいわば秘密会的といいますか、秘密保全という十分な措置がとられることが必要だろうと思います。それは簡単にできないだろうと思ってまいりましたので、私は現役時代から制服自衛官の国会出席には賛成しておりません。

  では、今後どうかということにつきましては、今申しましたことの延長になりますけれども、本当にユニホームで、現役でなければ申し上げられない非常に専門的なことを論議されるということになればあるいは必要かと思いますが、その場合も、今言った秘密保全という保証はどうしても不可欠だろうと考えております。

  よろしゅうございましょうか。

平田委員 せっかくですので、今岡崎参考人の方がお詳しいとおっしゃったので、クラーク基地とスビックの問題について、もし御説明いただければありがたいと思います。

岡崎参考人 リチャード・アーミテージ氏があのときのチーフネゴシエータ−で、たしか三年ぐらいやっておりました。それで、私の情報源は佐久間さんの情報源と同じでございます。

  ただ、スビックの重要性は、これは横須賀、佐世保とは比べ物にならないはど小さいのです。本当に大事なのはクラークなのです。あれは世界最大の空軍基地たったのです、海外基地で。これはべトナム戦争のときに最も使った基地でございまして、貴重な基地だったのですけれども、あの交渉で、これは本当に偶然なのでございますけれども、交渉している最中に火山が爆発して全部埋まってしまいました。それで交渉の対象でなくなってしまったのです。それで、アメリカとしても失うということの実害がそう大きくなくなったということがございます。

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江口委員 ちょっと時間も過ぎているわけですが、自民党の江口でございます。

  極東の安全、平和について、ただいまはいろいろな議論の中で、特に領土問題については出なかったような気がいたします。ですから、南沙あるいは尖閣あるいは竹島、こういうような領土問題について、この地域に及ばす安全保障についての危険度とかそういうようないろいろなことがあろうかというふうに思いますが、その辺の見通しなりあるいは解決の方法なり、こういうことがありましたらひとつお教えいただきたい、このように思います。渡邊さん、岡崎さん、小川さんご二人から。

渡邊参考人 時間もございませんので、ごく簡単に申し上げます。

  領土問題というと、日本とロシアとの間にもございますが、安全保障の問題として考えた場合に、一様ではないように思います。

  一つは、今お話しになった南沙の問題、それから尖閣列島の問題ということに関して言えば、多分に資源の問題というのが非常に大きく絡んでいるのだろうと思うので、できれば何らかの形でそういう資源の問題の解決というのが一つであろうと思います。ただ、南沙の問題は関係国が物すごくたくさんございますので、これはちょっとやそっとでは片づかないように思います。

  一番大事なことは、要するに幾ら文句があつても軍事力を行使して解決するというようなことはやめようではないか、そういう了解というのはだんだんできてきておりまして、その点では多少望みがあるのではないか。ただ、それは根本的な問題の解決ということにはならないかもしれません。というのが答えになったような、ならないようなことで申しわけございませんが。

岡崎参考人 確かにそれぞれケースによって違うわけでございまして、東アジアと申しますと、まず尖閣、尖閣は私は何か解決したような感じがしております。

  と申しますのは、当初アメリカの腹は座らなかったのでございますけれども、その後、キャンベル次官補代理の発言で、あれは日本の施政権下にある地域である。主権下とは言っておりません。ところが、安保条約というのは日本の施政権下にある地域に適用されるのです。ですから、あれは施政権下にある地域だということを明言いたしました。

  あとは軍事バランスの問題でございますけれども、尖閣に関しては、日本が個別自衛権を使って、アメリカが集団的自衛権を使えるとなりますと、これはもう平和的解決以外にあり得ない、そういう軍事バランスができ上がっていると思います。それこそ、これは2010年でなしに、もつと2020年、30年になってそのバランスが崩れるまでは、実質的にもう心配ないのではないかと私は思っております。

  それで、南沙の問題は、今後も大いに問題がございます。これこそ本当に紛争は平和的解決以外あり得ないという形をつくるしかないだろうと思います。軍事的に守るということは不可能でございます。今は大丈夫でございますけれども、南沙が軍事バランスが一番真っ先に崩れると思います。スホーイ27というのは、これは本来海軍航空機でございますから、これが南シナ海の要所要所に配備されるようになりますと、これを武力でもって介入を排除するということはほとんど不可能でございます。常時、空母機動部隊を二隻か三隻置くというようなことならばできますけれども、そういうことはあり得ないことでございますから。そうしますと、武力を行使した場合はASEANとか日米同盟を含めてアジア地域全部の国を怒らせてしまう、そういうような形をつくることによってのみ平和的解決ができるのだろうと私は思っております。

小川参考人 簡単に申し上げなければならないのは大変つらいのですが、領土問題を解決していく、あるいは安定化させていくということは、やはり日本の国の安全保障にとっても避けられない問題でございます。その中で私どもが一番力を入れて取り組まなければいけないのは、やはり北方領士問題だと思います。

  それで、北方領土問題についても、お金で買い戻すといったような発想が正面に出るというのは外交上大変好ましくない。やはり、日ソ中立条約が六カ月間有効期限が残っているにもかかわらず旧ソ連が満州に侵攻した結果生じた事態である、ですから、国際法の精神を踏みにじるような、条約の精神を踏みにじるような行為であつたということで、正面から外交的に交渉して取り返すというのが日本の国益にとっても一番ふさわしいあり方であります。

  ただ、そのためには、風が吹けばおけ屋がもうかるといったような議論ではないのですが、一見遠回りのように見えても、やはりアジア諸国との関係を、これは謝罪外交をする必要はないのですが、戦後処理を明確にして、信頼関係を今より以上にかたいものにしていく、そしてアジアの信頼を外交の力としながらアメリカとも大変健全な関係を築く、その日本に対してロシアがやはり北方領土交渉に応じざるを得ない、真剣に応じざるを得ない状況をつくっていく、その中で取り返していくというのが基本だと思います。

  そういう中で、中国との間の尖閣の問題についても、中国が余計な口出しをするということはなくなるであろうという感じがいたします。ただ、非常に厄介なのは、韓国との間の竹島、独島の問題でございます。これに関しましては、やはりお互いに領有権を将来的に主張し続けながら、両国のあるいは国際共同管理に持っていくぐらいのところしかないだろう。

  私も韓国の政府の上級職職員に日本の安全保障政策を三年以上教えているわけでございますけれども、そのとき必ず出てくる質問というのはこれなんです。だから、私は彼らに次のことを申し上げております。

  日本としては二つ選択肢がある。一つは、領有権を放棄することだ。問題はなくなる。しかし、日本としてはそんなことは受け入れられない。もう一つは、日本の自衛隊の軍事力というものは、これは海外で展開する能力はないけれども、韓国の海空軍と戦って竹島を実効支配するぐらいの能力はある。しかし、そんなことをしても日本にとっては全然益はないんだ。だから、最終的にはとにかく、日本の提案によってということが望ましいけれども、国際共同管理に持っていくというのがいいだろうということを言う。そうすると、彼らも同じ考えである、ただ韓国側の提案にしていただければという話をするわけであります。

  ただ、こういったものを日本が模索する中で、南沙諸島の平和的解決のモデルをつくることはあるいは可能であろう、そういう感じがしております。ちょっとお答えにならないような話をいたしましたけれども。

  ありがとうございました。

伊藤委員長 どうもありがとうございました。

  予定した時間も超過をいたしましたので、本日の参考人に対する質疑はこの程度で終了することといたします。

  参考人の方々におかれましては、貴重な御意見をお延べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。

  次回は、広報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

  午後4時42分散会

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