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RGN:第一回「死の表現をめぐって」 / 2006年04月01日

 ゲームは死を描けるのか?
 評論家として知られる大塚英志はキャラクタ小説の入門書(大塚英志『キャラクター小説の作り方』2003、講談社)において、小説を描く上で立ち上がってくる重要な問題の一つとして「死をどう描くか」という項目を設け、数十頁にわたり念を入れて解説している。
 大塚は「記号的でしかありえない表現が現実の死を以下に描き得るかという問いかけ」がジャンルを問わず、多くの作家たちが直面している問題として指摘する。と、同時にゲームにおける死の表現が「人の死をパラグラフの数値として示し、リセット可能なものとして描いてきた」「映画やまんがやミステリーが人の死を記号的にしか描けないという限界を自覚した上で「現実」との関わりを模索しているのに対して「ゲーム」や「ゲーム」を出発点とする「ゲームのような小説」はその努力がぼくには乏しいように思えてなりません」とゲームの表現に対する危惧を表明している。
 大塚の問題意識はこうした表層的な死を表現するゲームの悪影響に対する危惧というだけではない。大塚は安易な死の表現を批判すると同時に、いかにしてフィクションの中で描かれる死が、現実の生身の身体の死に近いリアリティを持って描かれうるか、ということを問うている。表現の表層性を非難すると同時に、強いリアリティを持った死の表現を確保せよ!と叫ぶものでもあり、これはゲームの表現がその水準に達していないという批判でもある。

 本発表では、ゲームの死の表現の可能性や限界に焦点をあてる。まず、ゲームにおける死の表現の内容分析を行う。その次に、この死の表現パターンに対応するかたちで、ゲームについての批判的/批評的言説が分布していることを、言説分析によって確認する。そして最後に、ゲームにおける死の表現法の、新しい視点を提示できればと考えている。

概要

■発表者・司会:
 井上明人(国際大学GLOCOM研究員、http://www.critiqueofgames.net)

[発表者プロフィール]
 1980年生まれ。大学在学時の2002年より、個人でのゲーム研究/評論サイト"Critique of Games"を運営し、好評を博す。2003年慶應義塾大学総合政策学部卒。2005年慶應義塾大学院政策・メディア研究科修士課程修了。2005年より、慶応義塾SFC研究所上席研究員(訪問)。2006年4月より、国際大学GLOCOM研究員。特に「ゲーム性」「自由度」などのゲームの概念をめぐる言説史を専門に取り扱っている。

■コメンテーター:
  hally(http://www.vorc.org/)
  茂内克彦(http://www.intara.net/)
  濱野智史(国際大学GLOCOM研究員)

場所:国際大学GLOCOM
日時:2006年4月9日(日) 13:00~

13:00 開場
13:25 冒頭のご挨拶
13:30~14:30 発表
14:30~14:40 休憩
14:40~15:40 コメンテーターによる発表+ディスカッション
15:40~15:50 休憩
15:50~16:40 ディスカッション
16:40~17:00 質疑応答

■申し込み

終了しました。