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山口真一研究員ら共著論文「フリーミアムにおける支払金額と長期売上高の関係 ―モバイルゲーム産業の実証分析―」が情報通信学会論文賞を受賞しました

2016年12月発行の『情報通信学会誌』に掲載された、山口真一(GLOCOM研究員/講師)、田中辰雄(GLOCOM主幹研究員/慶應義塾大学准教授)、坂口洋英(GLOCOM研究補助員/慶應義塾大学院経済研究科修士課程)、彌永浩太郎(GLOCOM研究補助員/慶應義塾大学院経済研究科修士課程)による共著論文「フリーミアムにおける支払金額と長期売上高の関係 ―モバイルゲーム産業の実証分析―」が、情報通信学会論文賞を受賞しました。


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左より坂口、山口、彌永


~山口真一研究員のコメント~

組織学会に続き、情報通信学会でも学会賞をいただけたこと、大変光栄に思っております。 今回学会賞をいただいた論文は、現在多くある基本無料のビジネスモデル(フリーミアム)について、長期最適戦略を実証分析によって明らかにしたものです。論文では1か月あたりの支払額を上げすぎない方が長期売り上げに良い(月額1万円程度が最適)ことが示されており、ビジネス的・社会的両面からご評価いただいたようです。
2つの学会賞をいただけたのは、高宮賞受賞論文の元となった修士論文を指導してくださった田中先生、河井先生、石橋先生(いずれも慶應義塾大学)、そして情報通信学会論文共著者の坂口君、彌永君(いずれも同大学院生)、さらにはいつも研究活動を支えてくださるGLOCOMの皆さんや家族の力あってこそと痛感します。支えてくださったすべての方に、深く御礼申し上げます。


情報通信学会第18回論文賞受賞

タイトル:「フリーミアムにおける支払金額と長期売上高の関係 ―モバイルゲーム産業の実証分析―」(英語タイトル:”The Impact of Consumer Payments on Long-Term Sales in Freemium :An Empirical Analysis in Mobile Game Industries”)

受賞者:山口真一(国際大学GLOCOM 研究員/講師)
    坂口洋英(国際大学GLOCOM研究補助員/慶應義塾大学院経済研究科 修士課程)
    彌永浩太郎 (国際大学GLOCOM研究補助員/慶應義塾大学院経済研究科 修士課程)
    田中辰雄(国際大学GLOCOM 主幹研究員/慶應義塾大学 准教授)

掲載誌:『情報通信学会誌』第34巻3号(120号)P.69-79(情報通信学会編、2016年12月)

要旨

情報通信産業の新しいビジネスモデルとして、基本機能を無料で提供し、付加機能を有料で提供する、いわゆるフリーミアムがある。フリーミアムを採用しているサービスは急増しているが、特にその中でも、非定額型のデジタル財課金のビジネスモデルであるモバイルゲームは、高収益・高成長率を達成している。しかしその一方で、実証研究は少なく、ビジネスモデルの確立途上にある部分も多い。
そこで本研究では、モバイルゲームのパネルデータを用いて実証分析を行い、消費者の支払行動と長期売上高の関係を統計的に検証する。推定の結果、前期の有料ユーザ 1 人当たりの平均支払額(ARPPU)は、今期の売上高に非線形で有意な影響を与えていた。また、その極大値は約 11,754 円であった。このことから、長期売上高最大化という観点からは、ARPPU が約 11,754 円になるようにイベントやガチャの頻度、アイテムの価格を調整することが最適であることが示唆された。また、フリーミアムを採用しているサービスの大半がマネタイズに失敗し、サービス終了となっている現在、非定額型フリーミアムは成功手法として着目されている。本研究の結果はモバイルゲーム以外にもいえる可能性がある。

キーワード

フリーミアム、ゲーム産業、モバイルゲーム、長期利潤最大化、実証分析


  • 情報通信学会ウェブサイトにて本論文PDFが公開されています(情報通信学会誌 J-Stageのページへ移動します)
  • 2017-07-05