国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)

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【発行】GLOCOM Review 11-1(82) 「フェアユース導入はコンテンツ産業にプラスかマイナスか」(田中辰雄)

このたび当研究所紀要のGLOCOM Review最新刊11-1(82)を公開しました。田中辰雄主幹研究員によるフェアユース政策導入の効果検証がテーマです。我が国におけるフェアユースの扱いはきわめて限定的ですが、昨今はTPP交渉と平行して再びフェアユース導入の是非が問われています。本論は政策導入による経済的効果を海外データの分析から明らかにしたもので、政策検討の一助となることが期待されています。

GLOCOM Review 11-1(82)
「フェアユース導入はコンテンツ産業にプラスかマイナスか」(田中辰雄)

(あらまし)
フェアユース(fair use)の法理とは,一定の条件を満たせば著作権者の許可なしで作品を利用できることである.アメリカでは,フェアユースがあるため他の国より著作物の利用が進み,これがアメリカ経済の利益になっているという指摘があり,アメリカ以外の国でもフェアユースを導入する動きがある.一方,日本でのフェアユースは導入への動きは鈍い.それはコンテンツ産業の利益を害するものとして認識されているからである. はたして,フェアユースはコンテンツ産業の収益を減らすのだろうか増やすのだろうか.本稿ではアメリカ型フェアユースを導入した台湾を対象とし,フェアユース導入 (トリートメント群)と非導入(コントロール群)との差の差を比較するDID(Difference in Differences)の手法を用いて検討を行った. 結論として,台湾のコンテンツ産業はフェアユース導入にともなって付加価値と雇用者数がともに増えていることから,フェアユース導入が産業を成長させていると判断できる.したがって,フェアユースは権利者の利益を増やす可能性が高い.

2014-11-03