コンピュータ西暦2000年問題を巡るアメリカの法的対応とわが国への示唆名古屋大学大学院国際開発研究科講師 久保田 隆 一 はじめに ここ数年、コンピュータソフト・機器が2000年以降の日付に対応していない場合にシステムが正常に機能しないという「コンピュータ西暦2000年問題(1) (以下2000年問題)」が大きな社会関心事となってきた。2000年問題の解決に当たっては、日付対応プログラムを書きかえることが必要であるが、機器の至る所に埋め込まれたICチップ(embedded chip)の2000年問題対応まで視野に含めると、時間・費用・人的資源を考慮すれば完全な対応はほぼ不可能である(2) 。しかも、1個所で2000年問題が発生すればそこと取引関係のある他所にも影響が及ぶ。例えば 、ある銀行が2000年問題への対応を誤ると、決済や取引の相互依存関係を通じて混乱が他の金融機関ひいては金融システム全体に波及する(システミック・リスクの顕在化)可能性がある(3) 。また、高度に情報化が進んだ現代社会においては、2000年問題で悪影響を被る可能性は一部の企業間に止まらず、広く社会全体にまで及び(4) 、それは当然に法律問題を惹起する。 企業法務に限定して見た場合、既に現段階から、@2000年問題未対応のシステムに関する保証義務、A2000年問題対応状況に関する情報開示義務、B2000年問題対応を巡る経営責任等を巡って数多くの法律問題が発生している。わが国ではそれが訴訟にまで至ったケースはないようである(執筆時<1999年3月22日>現在)が、 既にアメリカでは2000年問題未対応のシステムに関する改修費用の請求等を巡って50件以上(執筆時現在、うち大部分が集団訴訟)の2000年問題関連訴訟(5)が提起され 、今後も解決に費用や時間のかかる製造物責任(PL)に関する集団訴訟を中心に大幅に増加すると見込まれている(6) 。訴訟が濫発されれば、 既存の裁判制度では裁く側にITの専門知識が不足している上、費用(賠償金、弁護士費用等)や時間がかかりすぎるため、多くの企業で負担に耐え切れず法務倒産を招く恐れ(7)がある。また、事態を放置すれば混乱が増長し、社会的コストの適正配分を損ねる可能性がある。 そのため、訴訟大国アメリカでは早くから企業法務上の検討が多数なされてきたし、後述するように迅速な解決を可能とする訴訟外紛争処理(ADR<Alternative Dispute Resolution>)手続 を整備したり、2000年問題訴訟の行き過ぎを抑止する法案を検討するなど2000年問題の法政策上の対応にも積極的に取り組んできた(8) 。然るに 日本では、2000年問題を巡る法的検討は法解釈に関する部分(9) が中心で法政策に関する部分(10) がまだ少ないように思われる。2000年問題の影響は事前に測定し得ないため、アメリカ に単純に右に倣う必要はない。しかし、問題が起きれば日本でも訴訟が多発する可能性がある。また、仮に日本における2000年問題の影響がアメリカより少ない場合であっても、国際貿易・投資・金融取引等(11) をはじめ、日本企業の在米拠点やアメリカの企業・個人と取引関係にある日本企業がアメリカにおける紛争処理に巻き込まれる可能性は高い。その際、対アメリカを意識して予防法務を進めておかなければ、同じ過失であってもアメリカ企業よりも日本企業の法的ガードが弱い分、賠償金をむしり取られる危険性が高い(12) 。そうした危険性に対処するには、まずアメリカにおける2000年問題を巡る法的状況を把握することが出発点となろう。 そこで本稿は、法律問題を企業法務に限定した上で、まずアメリカにおける2000年問題に係る訴訟類型と既に発生した訴訟例を紹介した後、訴訟外紛争処理(ADR)制度の動向および2000年問題の主要な関連立法(特に訴訟対策に関わる部分)について検討する。その後、アメリカの対応を参考に、わが国における法政策上の課題について若干の考察を加えたい。 なお 、アメリカの立法・訴訟テキストを含む詳細な情報は、インターネットを通じて得られる場合が多いため、本稿末尾に有用なサイトを掲示した(13)。 二 2000年問題に係る訴訟類型と訴訟の動向 1. 2000年問題を巡る訴訟類型 2000年問題を巡る代表的な訴訟類型としては、@欠陥のあるコンピュータチップを搭載した機器の製造業者に対して製造物責任法上の責任を問うPL訴訟、A欠陥ソフトの製造業者に対して瑕疵担保責任を問う訴訟、Bソフトウェアコンサルティングサービスを行った企業に対し、過失を問う訴訟、C2000年問題に対応できないために契約上の義務を履行できなかった企業に対し、損害賠償等を求める訴訟、D2000年問題に正しく対応できなかった企業の取締役や経営者に対し、証券取引法・会社法上の責任等を問う訴訟が想定されており(14) 、集団訴訟になる可能性も高い。しかし、2000年問題を巡って法的紛争が発生するケースは上記類型だけにはとどまらない。事案によってはその他の法的責任(州法上の規制等も含む)も問い得る上、原告・被告の範囲も相当広がってくる。例えば、2000年問題の保険適用範囲を巡って保険会社と加入者が争う訴訟、2000年問題を起こした企業の監査人に対する投資家からの訴訟、不備なアドバイスにより企業に損失を負わせた弁護士に対する当該企業からの訴訟、2000年問題を起こした国営・公営事業に対する利用者からの訴訟等も考えられる。 また、集団訴訟を起こされる可能性の高い産業としては、情報機器・ソフトのベンダーや金融、保険を筆頭に、通信、運輸、エネルギー、サービス、政府等が考えられている(15) 。 2. 訴訟例 a. ベンダーに対する訴訟例 2000年に至る以前の現段階における訴訟では、2000年問題を巡る現実の損害が生じているか否かが重要になる。まず、現実の損害が生じていないが故に却下された例としては、Intuit, Inc.の製造した欠陥会計ソフトQuickenを巡る一連の集団訴訟(Chilelli v. Intuit Inc., No.98-013559 <N.Y. Sup. Ct., filed May 13, 1998>、Issokson v. Intuit Inc., No. CV773646 <Cal Super. Ct., filed April 28, 1998>等6件)がある。本ケースでIntuitは、訴訟が提起された段階で既にユーザーに対し2000年問題解決済みの無料ソフトを配布する旨通知しており、その点を考慮に入れると同ソフトに内在する2000年問題に伴う現実の損害について原告は立証し得ていないと主張した。結局、この主張が通って原告の請求は却下された。一方、現実の損害が生じており、かつ損害賠償を支払った例としては、東芝系のTEC-America Corp.が製造したキャッシュレジスターの欠陥を巡る訴訟(Produce Palace Int'l v. TEC-America Corp., et al., No. 97-330-CK <Michi. Cir. Ct., Macomb Cty., filed June 12, 1997>)が挙げられる。同レジスターを設置した食料雑貨店では、有効期限を2000年以降とするクレジットカードが読み取れず、 現実に 損害が生じた。その結果本件は、TEC-Americaと設置業者が食料雑貨店に対し、26万ドルを負担することで和解した(和解した最初のケース(17))。 但し、現実の損害が生じていても、責任範囲を限定することで以下の法的な防御が可能である(18) 。まず、現実の損害が経済的損失(economic loss)に限られる場合、製造物責任(PL)法や不法行為に基づく責任は適用されず、契約責任の範囲内で自らが適用外であることを主張することになる。次に、現実の損害が経済的損失に限られない場合で瑕疵担保責任が問われている場合には、免責条項 の解釈を巡って争うことになる(19) 。一方、現実の損害が経済的損失に限られない場合、製造物でなければPL法上の責任は問われない(20) が、製造物である場合、被告は、設計に欠陥がなかったこと、警告義務を怠らなかったこと等を立証する上で多額の費用や時間を要する可能性がある。ICチップの2000年問題は数の上からとても検証しきれないため、2000年以降、PL訴訟が多発する危険性があり、このまま法的状況が変わらないとすれば今後の法務対策はPL訴訟対策中心にならざるを得ないであろう。 b. ベンダー以外に対する訴訟例と今後の予測 今後は既に生じた訴訟類型に加え、特に2000年以降、ベンダーに限らずユーザー企業や2000年問題を孕むユーザー企業を介在させることによって契約上の義務を履行できなくなった企業が顧客から契約不履行を理由に訴えられるケースが増えてこよう。仮に自らの2000年問題対応に成功したとしても、取引相手となる運送会社、部品会社、取引銀行、保険会社、電気会社等の2000年問題対応がうまくいかないと、これらは不可抗力ではなく当事者同士でコントロール出来た問題だと見なされ、法的責任を問われ兼ねない。さらに、アメリカの立法動向(後述)をみると情報公開によってベンダーの責任をユーザーに分担させる方向に動いているようにも見える。個々の事案解決に当たっては、2000年問題に伴うコストを公共の利益の観点からベンダーとユーザーで如何に分配すべきかが問われてこよう。 三 ADRの動向 2000年問題の 法務関連コストは1兆ドル規模とも見られており、訴訟を回避するため、万が一の時にはADR(裁判外紛争処理:Alternative Dispute Resolution)で解決を図る準備を進める企業が増えている(24)。2000年問題に関する訴訟では、訴訟内容が複雑かつテクニカルである上、夥しい件数が予想されるため、コストと時間のかかる通常の裁判手続では対処しにくいと考えられる。その他、法的紛争解決にITの専門知識を要すること等も併せて鑑みると、通常の裁判制度よりもADRの方が優れている。現に、 アメリカ においても当事者の権利義務に直接影響を与える裁判結果は依然出されていないのに対し、既にシステム業者の契約上の責任を巡って仲裁決定をみたケース(25)があり、2000年問題の法的責任に関する決定の第1号とされている。 アメリカのADRをみると調停(mediation)や仲裁(arbitration)制度が大いに注目されている。一般に調停は、裁判手続に比べると素早く低コストで、かつ取引関係を円滑に維持し、当事者が当初想定した選択肢以外にも柔軟な解決が図れる。一方、仲裁は、調停ほど柔軟な解決策は追求できないが、裁判に比べて時間的・コスト的なメリットや機密保持が確保出来る。そのため、訴訟に依らず調停や仲裁による2000年問題解決を促進する様々な試みがADR機関や業界団体によって採用されている。 例えば、98年3月、ADR機関 の1つCPR Institute for Dispute Resolution(1979年設立、多国籍企業500社で構成)は、2000年問題に対処するため、中立的な専門家70名以上で構成するパネル(Year 2000 Panel of Neutrals)を設置した(26) 。また、2000年問題の紛争解決に当たっては、訴訟は避けてなるべく交渉又はCPRによるADRで解決するよう約した書面(CPR Year 2000 ADR Commitment:但し、訴訟の法的権利は奪われない)への署名を呼びかけ、現在はBank of America、Eastman Kodak Company、Philip Morris、Siemens Corporation、Sony Electronics, Inc.等多くの多国籍企業の署名を集めている。また、同様の試みとしてアメリカ情報技術協会(ITAA:Information Technology Association of America)が もう1つ例を挙げると、アメリカ仲裁協会は99年2月、調停人や仲裁人の経験を有する350人のテクノロジーと法律のエキスパートが2000年問題紛争解決に当たる新たな パネル(National Technology Panel)を設置すると共に、105日以内に調停や仲裁を行うことが可能な通常よりも迅速な調停・仲裁手続を用意した(28) 。また、調停手続で解決する確率は高い(アメリカ仲裁協会の場合85%)ものの、仮に不調に終わった場合には即裁判手続に移行するのではなく、そのまま仲裁手続に効率的に移行する選択肢(med-arb option)も設けている。 2000年問題のように技術的要素が高く紛争多発が予想される場合、業界の自主的な努力を発揮し得る領域であるADRの整備が1つの解決策になり得よう。また、ADRの活用については、後述する訴訟制限2法案の中でも訴訟前手続の中で記載されており、法規制の中でADR手続の利用を促進させることも一案である。なお、米国商工会議所 (U.S. Chamber of Commerce)は2000年問題を専門に扱う特別裁判所の設置を議会に働きかけたが、この提案は必ずしも産業界の支持を得られなかった(29) 。 四 立法の動向 2000年問題に関する訴訟濫発への対応策は 立法分野でも図られている。まず、98年10月19日、2000年問題情報・対応公開法(Year 2000 Information and Readiness Disclosure Act:以下IRDA(30))が成立した。また、2000年問題関連訴訟を制限する2つの法案、すなわち上院でYear 2000 Fairness and Responsibility Act(S.461)、下院でYear 2000 Readiness and Responsibility Act(H.R.775)が提出され、審議中である。そこで以下、これらの動きについて検討する。なお、訴訟を制限したり免責を認める法案は、他にも連邦や州で審議されている(31) ほか、新規立法の中には2000年問題対策費の支援や1月3日休日化(32) 等に関するものも含まれている(図2参照)。 1. 情報公開の法的障害とIRDA IRDAは、これらの法的障害を立法でカバーし、対応状況や対応ノウハウ等の情報交換や情報開示を促進することを企図している。即ち、IRDAは、@2000年問題対応状況の情報開示・情報交換の促進、A消費者・中小企業・地方自治体の2000年問題対応支援、B2000年問題対応の情報開示・情報交換における州を跨ぐ統一した法原則の確立を目的とした上で(Sec.2 (b))、2000年問題に関して情報開示を行った場合には、詐害的意思や重大な過失がない限り、名誉毀損や不実表示を問われない等、情報公開が法的に保護される規定(Sec.4)並びに2000年問題に関する企業間の情報交換協定を結んでも一定期間は独占禁止法の適用外とする規定(Sec.5)を置いている。但しIRDAは、情報開示に係る責任は別として製品が2000年問題未対応であることに伴う責任自体を免除するものではない。その他、適切な告示をすれば一定期間の過去の開示も本法による情報開示とみなされること(Sec.7(b))、消費者・中小企業・地方自治体の情報収集に供するため、行政側でNational Websiteを用意すること(Sec.9)等が定められている。 2.情報公開に関する若干の留意点 なお、IRDAをはじめとする一連の立法は米国企業を対象とするため、米国と国際取引を行う外国企業は情報開示に伴う法的障害を有する反面、相手方の米国企業は情報開示の免責を得る点で取引条件の格差が生じている。このため、 国際取引における規制のLevel Playing Fieldという 観点から、アメリカ以外の国々ではIRDAと同様の立法を早急に整備する必要性が他の国々で認識されつつある(36)(なお、オーストラリアは99年2月に既に立法化(37) )。 一方、上記 3種類の法的障害のうち名誉毀損については、むしろ規律強化が必要な面もみられる。例えば、2000年の直前直後を中心にマスコミの誤った報道によって多大な損失を被る企業が出てくる可能性(38) が高く、自主規制を促したり責任規定を明確化するなど何らかの対応が必要になろう。また、この問題は国内のみならず国際的な広がりを有しており、外国政府も密接に関係してくる。例えば最近のアメリカ議会では、自国の民間調査に基づき安易に日本等諸外国の2000年問題未対応を懸念材料とみなす議会報告を繰り返している (39) 。意識的に行うか否かは別として、仮にその種の情報が誤りで結果的に過剰反応を引き起こす危険性が高い場合、これを規制する国際的な手段は現段階では乏しく、各国政府・マスコミの良識に訴えるしかないのが実情である。 3.訴訟制限関連二法案 a. 訴訟前手続 また、紛争の両当事者はいつでもADRの採用を申請でき、ADRで紛争が解決した場合には、被告となる可能性のある者は払うべき費用を原則30日以内に全て支払う必要がある(共にSec.102)。 さらに、損害賠償請求を行う場合には、原告の訴状に被害の各要素の内容、損害額、損害額の算定根拠の詳細、重大な欠陥を示す事実の詳細等を記す必要があり、これを満たさない場合には被告の申立てにより却下される(共にSec.103)。加えて、原告が開示情報等に基づき合理的に回避し得た損害については回復し得ず、損害賠償額からも除外される(共にSec.104)。 b. 契約に基づく責任 c. 不法行為または契約以外に基づく責任 本法案は、訴訟前手続の中でADRを促進し、訴訟手続の中では2000年問題を起こした者の免責規定を設ける点に特色があるが、免責についてはアメリカ国内が賛否両論に分れており、その帰趨は今後の議会審議に委ねられている。 五 わが国における法的対応の課題 2000年問題対策は、日本 では主として技術的解決の側面、すなわち2000年問題の修正、情報公開、並びに問題が発生した場合の事務手続上のコンティンジェンシー・プランの策定に重点が置かれてきたが、法的対応は必ずしも強く認識されてこなかった。英米圏はともかくマレーシア(42) 等と比べても、わが国の官民における法務認識は特定企業・業界等一部を除けばそれほど進んでいない。しかし、日本国内でも2000年問題を巡って様々な法的諸問題が連鎖的に生じる恐れがある上、アメリカにおける訴訟や新規立法の悪影響に巻き込まれる可能性もある。 こうした事態に対応するには、個々の企業が法務上の自衛に努めるだけでなく、業界や国を挙げて法的備えを怠らないことが重要である。個々の企業は現在、2000年問題対応を進めることを最大の防御策としつつ書類の整備等予防法務にも努めているが、業界や国レベルでも取り組むべき課題は残されている。2000年問題に係る法規制としては、主に事前(2000年以前)策として@2000年問題の発生自体を抑えるべく対策を支援すること(例:2000年問題対策費の低利または無利子融資、対策人員の派遣、税制上の優遇措置)やA2000年問題の情報公開を促進し、注意を喚起しておくこと(例:情報公開に伴う法的障害を緩和する特別立法)、主に事後(2000年以後)策としてB2000年問題に係る法的紛争を円滑に処理する仕組みを用意すること(例:ADRの整備)やC社会安定化の観点から2000年問題に関する訴訟濫発を直接制限すること(例:訴訟制限立法)等が考えられる(図3参照)。しかし、法的紛争は2000年以前にも起き得ることから、これら全てについて早急に取り組む必要がある。
@ については、アメリカが現在法案を整備中である一方、日本は既に中小企業庁等を中心に一部実施している(43) 。しかし、企業からは依然2000年問題対策にかける費用と時間が圧倒的に不足しているとの悲鳴が聞かれており、2000年問題対策無利子融資制度、2000年問題対策基金の創設等、更なる拡充が望まれる。 Aについては、アメリカが昨年10月にIRDAを成立させたのに対し、日本では政府や業界団体の指導により情報開示が進展し つつあるものの法的障害を緩和することまでには踏み込んでいない。既に検討したように、IRDAで免責される米国企業とのLevel Playing Fieldや情報公開の法的障害除去(44) 、及びマスコミ報道等の規律強化の観点から何らかの立法を検討する必要がある。また、顧客からの無償修正要求を恐れて経営の苦しいベンダーが情報公開を控える問題については、@の拡充によって対処出来よう。 Bについては、アメリカが各仲裁機関の努力に加え、訴訟制限2法案(S.461とH.R.775)の訴訟前手続でADR利用を規定するなど官民併せた努力を行っている一方、日本では多国籍企業が海外仲裁機関を活用するなど企業単位の自主努力に止まっており、今後は業界や政府の手で積極的にADRを整備(例えば2000年問題に特化したADRの専門家パネル設置や迅速な手続の整備)することが重要であろう また、@〜Bについては必要となる資金(公的資金を含む)をどこから如何なる形で調達するかについても検討が必要である。 Cについては、アメリカでは訴訟制限法案を検討中であるが、日本では企業毎に契約条項の見直し等が行われているものの、国単位で法案作成を検討する動きは今の所ない。この問題は、損害を被った側の法的権利に直接影響を与えるため、解決に当たっては社会的コストの適性配分に関し、ベンダーとユーザー(消費者代表を含む)の幅広いコンセンサスを形成しつつ、その是非を含めて検討していく必要がある。 以上、本稿がわが国における法的対応を巡る議論の一助となれば幸いである。 (本稿は、平成11年度財団法人全国銀行学術研究振興財団の研究助成<テーマ:コンピュータ西暦2000年問題への法的対応−日米英3国の比較法的検討と日本における特別立法への提言>に基づく成果の一部である。平成11年3月22日脱稿) (巻末資料)2000年問題を巡るアメリカ法関係の主な優良サイト http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/y2k/commentw/index.shtml:日本語、リンクが充実 http://www.itpolicy.gsa.gov/mks/yr2000/y2khome.htm:連邦政府、リンクが充実 http://www.abanet.org/tech/ltrc/2000/home.html:法曹協会、リンクが充実 http://www.itaa.org/year2000/<:情報技術協会、連邦法・州法等の情報が豊富。/P> http://www.adr.org:仲裁協会、仲裁の動向を把握するのに有用。 http://www.law.ufl.edu/lti/year2000:フロリダ大学、法律家向けの指針書を掲載 http://fullcoverage.yahoo.com/fc/Tech/Year_2000_Problem/:リンク集。 http://www.lawsight.com/2k.htm:立法情報が見やすい。 http://www.nety2k.org/:ハード・ソフトの2000年問題対応情報へのリンクが有用。 http://www.ljx.com/practice/computer/ct_y2k.html:法律雑誌記事を掲載。 http://www.2000law.com:立法、訴訟情報が見やすい。 http://www.thefederation.org/Public/Y2K/lawsuits.htm:訴訟情報が最新かつ充実。 http://www.techweb.com/wire/technews/year2000.html:ニュースを豊富に掲載。 http://www.year2000.com:法律論文を豊富に掲載。 http://www.wrf.com/y2k/home.html:法律事務所所属弁護士の論文を掲載。 (1)2000年問題は、典型的なケースでみると、コンピュータに日付入力する際、西暦4桁を2桁で表記する(例:1999年4月15日→990415)ため、2000年1月1日以降、年号を表す部分が00となってしまい、これをコンピュータが1900年と読み違えることから、日付データが入力不能になったり、期間計算で異常処理がなされたり、システムが停止する等の誤作動を起こすものである。また、「2000年問題」という言葉にこうした誤作動が及ぼす社会の混乱を含める場合も多い。<本文に戻る> (2)例えば、ラッセルW・ローテン「2000年問題:国際ビジネス・法律上の危機」[第一部]2000年問題の見通し」国際商事法務Vol.26, No.9(1998)893頁参照。<本文に戻る> (3) 日本銀行「コンピューター2000年問題に関するわが国金融界の対応状況」98年8月7日1頁参照。なお、決済システムのリスク対策全般については、拙稿「決済システムにおけるリスク対策の全体像とその課題」国際開発研究フォーラム12号(1999.3)参照。<本文に戻る> (4) 工場の生産管理システム、企業間の物流・決済・通信システムばかりではなく、身近な電気、ガス、水道、銀行預金、電話、飛行機、電車、船、自動車、エレベーター、医療等にまで至る大きな社会的影響が懸念されており、ロシアや北朝鮮の核ミサイルの誤発射すら危惧する向きもある。「特集:西暦2000年問題、ラスト300日の攻防」日経コンピュータ464号(1999.3.1)参照。なお、2000年問題の影響をシミュレートしたアメリカのベストセラー小説、ジェイソン・ケリー(田畑智道訳)「パニックY2K」集英社文庫(1999)も参考になる。<本文に戻る> (5) 最新の訴訟動向については、http://www.thefederation.org/Public/Y2K/lawsuits.htmを見るのが便利である。但し、訴訟情報が必ずしもタイムリーに公開される訳ではないため、これで全てを網羅出来るとは限らない。<本文に戻る> (6) W. Andrews, M.Fuchs, and B.Russ, "Year 2000 Litigation May Be The Testing Ground For The New Restatement of Products Liability Law"(http://www.wrf.com/publications/y2k/restatement.html)参照。<本文に戻る> (7) なお、2000年問題に伴って多発すると予測される企業倒産に対しては、円滑な倒産処理を可能とする法制整備も重要であるが、その検討は別の機会に譲る。<本文に戻る> (8) アメリカや日本の2000年問題を巡る最新情報を知るには、日経BP社のホームページ(http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/y2k/)が便利である。<本文に戻る> (9) 一般的な法解釈論としては、例えば、飯田耕一郎「2000年問題の法的責任(1)〜(4)」NBL No.656,658,659,660(1999)がユーザーとベンダーに対する損害賠償請求の基本的なケースについて日本法上の検討を加えている。また、特定の業界に則した法解釈論でみると、社団法人情報サービス産業協会「西暦2000年問題:法的問題Q&A」(1997.3)がベンダー企業に約款等に即した実務的なガイダンスを与えているほか、玉上信明「『コンピュータ西暦2000年問題』と金融法務」銀行法務21、559号(1999.3)、濱田俊郎「銀行・信託業務におけるコンピュータ西暦2000年問題」信託197号(1999.2)、天野佳洋「コンピュータ2000年問題と金融法務」金融法務事情1535号(1999.1.5)が銀行・信託銀行の預金・為替・金庫業務や株主等へのディスクロージャー等につき、約款その他に基づく具体的な検討を行っている。また、監査人の立場からは、日本公認会計士協会監査委員会報告第59号「コンピュータ西暦2000年問題に係る監査人としての対応について」(1998.12.8)が監査人の責任範囲を明確にする特約事項の文例など詳細な法的指針を提示している。<本文に戻る> (10) 法政策全体に関する議論は少ないものの、国際大学GLOCOMにおいて徐々に検討されつつある。青柳武彦「2000年危機」2000年問題講演会(1999年2月23日)記録(http://www.glocom.ac.jp/proj/y2k/aoyagi990311/prsn.html)参照。また、筆者は本稿執筆中に国際大学GLOCOMの2000年問題研究会に出席し、貴重な示唆を得た。なお、個別分野毎の法政策については中小企業庁、国税庁等でいくつか動きがみられる。<本文に戻る> (11) これら国際取引では、そもそも英米法が準拠法として指定されているケースが多い。なお、国際金融取引の重要な部分を占めるデリバティブ取引において、相手方の2000年問題に伴う信用リスクを回避するための契約ドラフティングを検討した論文としてChristian A. Johnson, "Year 2000 Credit Risk and Derivatives: Insulating Banks From Counterparty Meltdown", The Banking Law Journal, Vol.115, No.9, pp.930-961, Oct.1998が有益であるほか、多国籍企業の2000年問題に関する国際租税法上の問題を指摘した論文としてJ. Paul, "International Tax Consequences of Year 2000 Fix Costs" (http://www.year2000.com/y2karchive.html)がある。<本文に戻る> (12) 例えば、海外からの2000年問題質問状が増えているが、無視すれば相手方から取引を打ち切られる危険がある一方、安易に答えると法的リスクを抱える危険がある。「2000年問題のリスク回避へ企業間でやり取り急増、情報公開怠れば取引打ち切り?」日経ビジネス99年1月5日号参照。なお、質問状には2000年問題発生時の損害の全額保証を約する保証書が付いている場合が多く、現に誤ってサインをして返してしまった事例もあると聞く。<本文に戻る> (13) インターネットのサイト情報については、岩崎一生名古屋大学教授、S.D.Nelson米国弁護士から貴重なご示唆を頂いた。<本文に戻る> (14) ヴィート C. ペライノ「2000年問題:国際ビジネス・法律上の危機 [第2部] 2000年問題の法律上の展望」国際商事法務Vol.26, No.10(1998)参照。<本文に戻る> (15) より詳しくは、Michael D. Scott, Warren S. Reid, "The Year 2000 Computer Crisis - Law/Business/Technology," Glasser Legal Works, April 1998のChapter 6参照。<本文に戻る> (16) 最近は、IBM(産婦人科医が製品の未対応につき無償修正を要求)やマイクロソフト(ソフト開発コンサルタントが製品の未対応につきユーザーへの周知徹底と修正ソフトの配布、損害賠償を要求)等、大企業の作成した機器やソフトに対する訴訟も起きている。 <本文に戻る> (17) 98年9月に和解成立。なお、集団訴訟で最初に和解したケースは98年10月に和解成立したAtlaz Int'l, Ltd. v. Software Business Technologies Inc., et al , CV 172539 (Cal. Super. Ct., filed Dec.2, 1997)で、被告が無償修正等を行い弁護士費用等を負担することが和解内容となっている。<本文に戻る> (18) Walter Andrews, Robert Butler, Meredith Fuchs, and Praveen Goyal, "First Cases Foreshadow Later Litigation: Reading Early Returns," Legal Times, February 25, 1999(http://www.wrf.com/publications/y2k/reading.htmlで入手可能)参照。<本文に戻る> (19) 例えば、契約上2000年問題対策費の支払を顧客に求めているMacola社の欠陥ソフトProgression Seriesを巡る訴訟(Paragon Networks International v. Macola, Inc. No.98-CV-0119 (Ohio C.P., filed April 1, 1998))では、裁判所が同社に瑕疵担保責任はなく契約上の責任は果たしているとして訴えを却下した。原告(デラウェア法人Paragon Networks International)は、購入以前に契約交渉を行う機会を得なかったため合意不成立などと主張したが受け入れられなかった。もっとも、原告が企業ではなく一般消費者の場合、ベンダーの契約上の免責範囲は制約される可能性があろう。<本文に戻る> (20) PL法に基づく詳細な防御方法については、前掲注6論文(W. Andrews, M. Fuchs and B. Russ, http://www.wrf.com/pub/restatement.html)参照。<本文に戻る> (21) 例えば、Steinberg v. PRT Group Inc. et al (S.D.N.Y., filed Sept.16, 1998), Poller v. Micro Focus Group, No. 98-CIV-8619(S.D.N.Y., filed Dec.4, 1998, George Ehlert, et al v. Singer, et al, No. 8:98-CV-02168 (M.D. Fla., filed Nov.2, 1998)参照。<本文に戻る> (22) 98年12月、保険会社Cincinnati Insurance Co.が2000年問題訴訟について何ら保険義務を負わないことを確認する訴訟を提起した。Cincinnati Insurance Co. v. Source Data Systems and Pineville Community Hospital, No. C98-144 MJM (U.S. N.D. Iowa, filed Dec. 4, 1998)参照。<本文に戻る> (23) 例えばAndersen Consulting LLPに関するケース。本件は、90年代初めにAndersen Consulting LLPが構築を担当した衣料品小売業J.Baker社のソフトウェア・パッケージが2000年問題に対応しておらず、J.Bakerが損害賠償を求める訴訟を起こそうとしたのに対し、Andersen 側は、2000年問題対応は契約に含まれておらず、対応する責任はないとしてJ.Bakerに先んじて98年8月に提訴したもの(詳しくはhttp://www.thefederation.org/Public/Y2K/ANDERSEN.html参照)で、調停に移行した結果、98年12月にAndersen 側の主張を認めて決着した(CNET News(http://www.news.com/News/Item/0,4,30164,00.html)参照)。<本文に戻る> (24) "Y2K: Who's Liable?" Information Week Online News, October 26, 1998 (http://www.informationweek.com/706/06iuy2k.htm)参照。<本文に戻る> (25) ASE Limited v. INCO Alloys International Inc., No. AAA 55-199-0127-98-DEU (Nov.17, 1998) 。同ケースでIncoは、95年にシステム・インテグレーターのASE社とシステム再構築契約を結んだが、同契約は2000年問題対策を含まなかったため、ASE社が390万ドルの2000年問題対策費を別途要求。一旦、裁判手続が開始されたが、98年10月にアメリカ仲裁協会の仲裁に付託された。Incoは、ASEが契約の合意内容を実質的に違反しており、契約に基づく義務遂行は最早不可能などとして契約解除と2000年問題対策費の賠償を求めていた。これに対し、11月に下された裁定では、契約に2000年問題修正が明記されていない以上、契約違反はなく、解除し得ないほか修正も別料金とされた。<本文に戻る> (26) http://www.cpradr.org/Y2Kinformationpage.htm参照。<本文に戻る> (27) http://www.itaa.org/year2000/soi.htm参照。<本文に戻る> (28) 詳しくは、アメリカ仲裁協会のホームページに掲載されている"American Arbitration Association offers Fast Track Resolution of Y2K Disputes through Mediation and Arbitration" (http://www.adr.org/)および"Resolving Y2K Technology Disputes"(http://www.adr.org/)参照。これによると調停、仲裁共に各段階毎に時間的制限(例:10日以内)が付されている。<本文に戻る> (29) 破産裁判所と同様の特別裁判所を新たに設置するこの提案に対しては、@裁判所設置の時間的余裕がない、A2000年問題に無関係な訴訟解決に悪用される恐れがあるとしてアメリカ情報技術協会が反対している。"Proposals abound for special Year 2000 courts and panels", Sacramento Business Journal, Jan.4, 1999 (http://www.amcity.com/sacramento/stories/1999/01/04/)参照。<本文に戻る> (30) Public Law 105-271, 105th Congress。原文はインターネットでも入手可能。更に日本語の試訳も出ている(http://www.glocom.ac.jp/proj/y2k/y2kbill.html参照)。<本文に戻る> (31) 例えば、上院商務・科学・運輸委員会ではMcCain委員長の提案で99年1月下旬から、訴訟濫発を防ぐための2000年問題関連法案(The Y2K Act)を審議している。また、多くの州で職員や機関の免責を規定する立法を制定または審議中である。<本文に戻る> (32) 2000年1月3日の休日化案は、97年秋に一旦米国金融界で強力に浮上したが、却って年末年始の一時期に取引が集中することへの懸念から立法化が見送られた経緯を持つ。また、わが国への影響にも注意を要する。現在わが国は正月3ヶ日が休日のため、外国送金等国際取引に絡む2000年問題は1月3日が休日化されていないアメリカ始発(先払い)となる分日本が被告となる可能性は低い。しかし、仮に正月3ヵ日が同じく休日になった場合、時差の関係で日本始発になり状況が逆転するため、現在以上に慎重な2000年問題対応が求められる。<本文に戻る> (33) 例えば、日経コンピュータ464号(99年3月)184頁では、アメリカとは違って日本では、公開した情報に不正確な点があれば責任を追求されかねないため、アンケートは慎重に回答すべきとしている。<本文に戻る> (34) 国際決済銀行(BIS)の2委員会(バーゼル委員会、支払決済システム委員会)、証券監督者国際機構(IOSCO)、保険監督者国際協会(IAIS)の4者が98年4月8日に行った「コンピュータ2000年問題円卓会議」後に設立されたアド・ホックなフォーラムで、銀行・決済システム・証券・保険を含む金融業界全体に関わる様々なガイダンスを発出している。<本文に戻る> (35) Joint Year 2000 Council, "Year 2000 Information Sharing and Disclosure", Dec. 1998のAppendix: Legal Issues on Information Sharing参照。なお、この文章はBISのホームページ(http://www.bis.org)からダウンロード可能。<本文に戻る> (36) Reuters, "Did foreign firms miss Y2K liability amnesty?", CNET News.com, December 30, 1998 (http://www.news.com/News/Item/0,4,30428,00.html)参照。<本文に戻る> (37) Joint Media Release, "Y2K disclosure passes Senate," April.1, 1999 (http://www.dcita.gov.au/text_welcome.html)参照。<本文に戻る> (38) 例えば、2000年直前にある銀行のATMが危ないという報道がなされれば、ターゲットにされた銀行は取付け騒ぎに遭う可能性がある。また、2000年以後、仮に電車や船舶が停止し、その運行管理システムをA社が提供した場合、仮に操作ミスによる停止であってもマスコミ報道は原因を明確に把握しないうちからA社を狙い撃ちする可能性がある。これらのケースで被る企業のダメージは極めて大きい。<本文に戻る> (39) 最近では、2月に米国の議会報告書(US Congress, "Investing the Impact of the Year 2000 Problem: Summary of the Committee's Work in the 105th Congress," Feb. 24, 1999)が民間コンサルティング会社Gartner Groupの試算結果(Gartner Group Special Report, "Year 2000 Global State of readiness and Risks to the General Business Community," Oct. 7, 1998)を引用して日本等の対応の遅れを指摘している。しかし、海外の対応の遅れを殊更に指摘するアメリカのやり方に対しては以前から国際的な非難が寄せられており、Joint Year 2000 CouncilのFerguson議長も「各国の2000年問題対応状況を正確に測定することは困難で、誰も2000年問題の国際的な影響について確信をもって予見することは出来ない」(R.W. Ferguson Jr., "Mr. Ferguson remarks on the international millennium challenge," BIS Review 8/1999参照。BISのホームページから入手可能)と釘を刺す。この点につき、拙稿"Current Challenges in APEC payment systems- Y2K and RTGS Adoption," GSID Nagoya University APEC Discussion Paper Series No.26, March 1999の10−12頁参照。<本文に戻る> (40) 法案テキストは本稿末尾に掲載した立法関係のウェブサイトから入手可能。<本文に戻る> (41) 契約が特定事項について定めのない場合、当該事項に関する契約の解釈は締結時点で有効な法律の適用を受ける。また、契約締結時点で有効な法律によれば契約作成に瑕疵があるため、その契約が全体として履行を強制できないと裁判所が判断した場合には、この条項は適用されない。<本文に戻る> (42) 例えば、マレーシアでは98年7月より、政府のホームページに2000年問題の法務ガイド(Legal Principles for Surviving The Year 2000)が載せられている(http://www.y2k.gov.my/legal/legal3.htm参照)。なお、一般にマレーシア、シンガポールでは政府主導の対応が進んでいると言われている。<本文に戻る> (43) 例えば、中小企業の2000年問題対策を支援する政策として、システムエンジニア無料派遣事業、都道府県の設備貸与事業の強化(低廉なリース、割賦販売)、政府系金融機関による低利融資制度の強化(担保要件の大幅緩和)、コンピュータ入替え時等の税の優遇措置、専門家による無料アドバイス、資金借入支援のための債務保証制度等が整備されている。中小企業庁「『コンピュータ西暦2000年問題』対応のための中小企業支援策のご案内」平成11年1月27日報道発表資料、http://www.sme.ne.jp/seisaku/2000/2000nen3.html参照。<本文に戻る> (44) 例えば現状では、極端な場合、政府の2000年問題アンケート結果が実体を正しく表示していなかった場合の法的責任すら問い得る余地が残っている。<本文に戻る> |
1999 GLOCOM Y2K Project. All Right Researved.