第一回研究会
キックオフ会議となる第一回の研究会が1月28日に行われました。
研究会 概要
日時: 2005年1月28日 16時〜19時
会場: 国際大学GLOCOM
プログラム
16:00〜16:30 | 自己紹介 |
16:30〜17:15 | 研究会趣旨の説明 丸田 一 (国際大学GLOCOM 教授) |
17:25〜19:00 | 意見交換 |
出席者 (敬称略)
- スーパーバイザ
- 公文俊平、國領二郎
- 主査
- 丸田 一
- 幹事
- 坪田 知己、飯盛 義徳、高橋 明子、石橋 啓一郎
- 会員
- 浅岡 隆裕、今井 章博、植村 修一、岡本 隆、片瀬 和子、 小橋 昭彦、小林 隆、坂本世津夫、鈴木 謙介、瀧口 樹良、 富沢 木実、中野 雅至、宮崎 志乃、湯浅 良雄
議事要旨
出席者の自己紹介の後、主査丸田一氏から研究会の趣旨説明がされ、 それを受けて出席者同士での活発な意見交換が行われました。
主な意見は以下のとおりです。
- 地方自治体においては、コネクタ、プロデューサが重要な機能となる。
- 今は地方自治体がやらざるを得ないが、地方自治体の職員がやる場合でも、現場に降りるかどうかのような立ち位置の違いによって政策が変わる。
- 政策論では、理想を追求する部分と、現実の法制度を前提に論じる部分とがあるが、どちらをより重視するのか。
- この研究会の趣旨としては、理想の方である。
- 地域通貨とか地域金融について、汎用性のある地域通貨を本当に作るには、越えないと行けない障害がたくさんある。
- 海外では地域通貨は非常に進んでいる。国内でもエコマネーのような事例が出てきている。
- そういう動きをポジティブに議論すべきだが、現実にやろうとすると金融庁から法に抵触している等と言われるので、 サポートする流れをどう作るかを考えたい。
- 地域情報化の範囲が分からない。
- 情報化を活用する課程を通じて、自分たちが主体性をもつであるとか、能動的な態度が芽生えるというのがあれば、 地域情報化の中にくくることができるのではないか。
- ITによって味付けされることによって、今までできなかったことがよりパワーアップしてできるというのが面白い。
- 工業化にとって機械化は重要な手段ではあるものの機械化そのものは不可欠ではなかったように、 情報化にとっても情報技術は、確かに密接に関係してはいるが、それが定義ではないと考えている。
- 総務省の「地域における情報化の推進に関する検討会」にて開催された住民サービスワーキンググループにおいて、 人づくりという文脈の中で地域CIOという話が出た。
- 地域CIOは、住民が主導する動きを含めて、地域全体をサポートする役割を自治体、県と現場のつなぎ役となるような人をイメージしている。
- 一番うまくいくのは、在野の人がリソースを自治体から引っ張り出してつなぎ合わせるようなパターンで、 自治体のCIOではなく地域のCIOである。
- 目次案の第二部第五章で、政策という名前が付くと、どうしても官が中心とした施策というイメージがあるので、 「地域情報化の推進策」というような広く捉えられる名前にした方が良い。
- 第二部最後が政策論で締めくくるということになっているが、政策というのは大きな話で、無視できないので触れるというのに過ぎない。 誤解を生まないような組み替えが必要かもしれない。
- 成功した地域情報化とは何か。これまでのように工業出荷額のような量だけでは表せない良い例がたくさん出てきている。
- 量的な達成ではなく、質的に主体のモードが変わっていくのが大切である。
- 経済的なものばかりではないというのをインセンティブにしている人が多い。 一方で、純粋に経済的な成功も求めなければいけないところもある。
- 地域のメディアが持つ役割が大きく、地域の人が外とつながっていく力として求められている。
- メディアの問題でもあるが、メディアを通して流れていく、その流れ方のあり方が変わっていくというところにポイントがある。
- メディアという単語を入れるとそちらに取られてしまうので、あくまでメディアは手段として割り切ってしまうのが良い。
- コミュニケーションインフラという、それまでの地域で培われたコミュニケーションの基盤がないと地域情報化はうまくいかないのではないか。
- ネットコミュニティと地域コミュニティは、振る舞いの新しさが似ている。
- ネットから出てきた遊びの中で、気づいたら地域を掘り起こしていたというような事例があった。
- これまではネットの中でオンラインでつながるというだけもののだったが、 この4、5年の間で、そのオンラインのつながりと、具体的なリアルのオフ会のつながりの差異が薄くなってきた。 名前の見える、土地の見えるネットワークを利用したつながりが生まれる傾向がある。
- バウンダリが曖昧で、多彩な主体を巻き込みながらダイナミックに事業が展開されている地域情報化のプロジェクトでは、 従来の企業の組織マネジメントの理論だけでは説明できないものがあるかもしれない。
- CANや日経地域情報化大賞のような場でいろいろな地域に話を拡大していく外向きのリーダーと、 そのリーダーを内側でしっかり支える内向きのリーダーが居るというのは、どの地域にも共通している。
- 地域情報化のトピックの中で通信インフラの分野は、いつも議論がリンクしない。
- 地域の通信インフラの話を扱うときに、一番関係資本が薄いのが技術者のつながりである。地域に結びついた技術者が少ない。
- 経済、また産業、雇用という所が抜けている。
- 成果を問われたときに、例えば雇用総数は一番わかりやすい。
- 地方自治体に税率を変更する自由さもない中で、地方自治体独自で何かを生み出すのは非常に苦しい。
- 地域情報化の目標はこれまで一般化された事が無いので、ここで一つ考えたい。
- 多様な地域があるので、一つのものがあると言うのは怖い。
- 「一人一人が主役になる」と言うことで今の段階で納得をしている。
© 国際大学GLOCOM 地域情報化研究会 2005