認知症の人にやさしいまちづくりに関する研究


情報通信学会大会にて「超高齢社会に向けた高齢者福祉領域のオープンデータ整備状況調査」ポスター発表を実施

6月24日(土)に国立京都会館で行われた情報通信学会のポスターセッションで、「超高齢社会に向けた高齢福祉領域のオープンデータ整備状況調査」の発表が行われました。このポスターは、これまで「認知症の人にやさしいまちづくりに関する研究」ブログで発表された研究成果に、加筆・修正したものが含まれています。

本発表の背景と目的は、政府による「オープンデータ政策」と、「超少子高齢社会への備え」が挙げられます。
政府は「一億総活躍社会の実現」、「女性の活用促進」、「地方創生」、「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」などの政策課題に取り組んでおり、近年のIoT、AIの開発・普及を踏まえつつ、ネット上に流通しているデータの利活用と、課題の発見・解決を求めています。
また、厚生労働省によれば、2025年に日本の「高齢者人口は3600万人(人口比約30%)、認知症の人は約700万人を超えると見込まれています。こういった近い将来への対応のためには、これまで高齢者を支えてきた医療・介護・福祉専門領域の人々だけではなく、高齢者が日常生活を送る地域社会を構成する様々な企業・団体・個人も高齢者に関する知識やデータを持ち、連携・共有し活用することが求められるでしょう。

本発表では、こういた社会状況に備え、オープンデータ活用による都市構想「タンジブルデータシティ」を提唱しています。これは、様々なデータを行政などが把握し公開するだけではなく、都市空間をデータで濃厚に満たし、それを多くの人々や企業が自由に触れたり組み合わせることで、社会的資源として活用する都市社会です。この構想に向けた一分野として、「高齢者福祉領域のオープンデータ」について、国による管理の状況、利活用のアイデア、ビジネス状況などを、政府のデータカタログやイベント、コンテストなどから調査し報告しました。

以下、具体的に取り上げた事例です。

1.「政府(IT戦略本部)資料で強化方針とされている高齢者福祉関連データの現状」

2.「活用例①-アイデアソンとハッカソンにおける高齢者福祉領域-」

3.「活用例②-コンテスト表彰作品における高齢者福祉領域-」

4.「活用例③-企業による高齢者福祉領域のオープンデータ活用事例-」

国や自治体によるデータ提供は始まっていますが、質・量ともに十分ではなく、また上記のような活用事例も豊富にあるとは言えない現状にあります。そのような中、最後に「今後求められるデータ」の整理を行いました。データに関しては、以下4点となっています。

(1)存在しているはずだが所在が分かりにくいオープンデータ
(2)存在するが利用者は限定されるクローズドデータ
(3)存在していないため作る必要があるオープンデータ
(4)存在していないため作る必要があるクローズドデータ

詳細に関しては、以下のPDFをダウンロードしてください。
PDF「超高齢社会に向けた高齢者福祉領域のオープンデータ整備状況調査」

2017-07-06