第3回 【組織】「ネットワーク組織と社会起業家」 (朴氏×服部氏) / 2008年05月12日
2008年1月11日@GLOCOM
発表者
朴 容寛 (大阪産業大学教授)
服部 篤子 (CAC社会起業家研究ネットワーク代表)

朴容寛 (ぱく ようがん)
大阪産業大学 経営学部経営学科 教授
東京大学人文社会系研究科社会情報学専攻博士課程修了。2005年より、大阪産業大学経営学部教授。『ネットワーク組織論』、『畏まる文化 賢がる文化』(ともにミネルヴァ書房)など著書多数。現在の研究課題は、ネットワークストア論の可能性(KEYWORD:チェーンストア ネットワークストア ユビキタス社会 フランチャイズチェーン)

服部 篤子
CAC-社会起業家研究ネットワーク代表
お茶の水女子大学、明治大学、明治学院大学、立教大学大学院、嘉悦大学兼任講師。専門は非営利組織論、社会起業論。『ボランティア革命』(共著, 東洋経済新報社)、『NPOデータブック』(有斐閣)など著書多数。
3-1: 「イノベーションとネットワーク組織」
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
3-2: 産業社会の組織形態
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
産業社会が終わったにもかかわず、
いまだ産業社会の常識にあった行動をしているのではなだろうか。
産業社会の非常識を、どう乗り越えられるだろうか。
そして、イノベーションとネットワーク組織の関係。
イノベーションを創出するリーダーシップの問題について論じたい。
3-3: 21世紀のネットワーク組織
これからのリーダシップとは、組織を経営する、
管理するという意味・概念ではなく、
組織やプロジェクトをリードすること。
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
ネットワーク組織の理想形を本には書いた。
そのまま理想的だといえる組織は、現実的には存在しない。
だが、そのプロトタイプになるような組織はある。
3-4: ゴアテクス社のラティス型組織
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
3-5: ネットワークストア組織の新潮流
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
3-6: 共有された価値観、夢、共感の松明を燃やす
誰もがリーダー。異なる価値観を持ち寄って集まる。
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
3-7: イノベーションの基礎は教育にあり
産業社会の教育システムは、そこそこの人間を育てるシステム。
平均的人材を育てる人材システム。
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
すでに答えが教科書に載っているものだけを教えていて、
実は間違えていることがたくさん教科書で教えている。
なぜ?ということを考えることが大切なのに、
それを阻害するようなことをしている。
なぜ?をつぶしているのが、今の教育。
教え込んでしまう。
イノベーションが起きないのも、同じ。
組織の中で、若い社員がなぜ?と思った時に、
経験や規定がそれをつぶしてしまう。
常識として、教え込んでしまう。
3-8: 社会起業家とネットワーク
大企業だと階層型の組織が基本形なのだと思うが、
私たちNPOの世界だと、すでにあのようなネットワークの組織形態になっている。
でも結構疲弊している。それについても教えてほしい。
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
社会起業家の領域は、研究が浅い。まだ学会でも定義について議論しているほど。
ソーシャルイノベーションとソーシャルバリューの区別は、はっきりしていない。
社会的なインパクトを与える人たちだと言われている。
ソーシャルエンタープライズ
イギリスが制度を作ったのも、2005年。新しい。
米国社会起業家(1980年代~)
政府の補助金が減って、NPOが資金調達が難しくなった。
そのときに、事業をもっとすべきだという方向になった。
NPOをもっとうまくやろうよ、というのがソーシャルエンタープライズ学派。
社会にはもっと新しい解決策が必要だ、というのがソーシャルイノベーション学派。
今までのNPOとは、イメージが違う。そこで社会起業家と言われ始めた。
日本の場合は、
ある一派はNPOの流れで話す。弱者が入っているビジネスモデルになっているという考え方を持つ人もいる。
また、これがビジネスの新しい流れだ、という人たちもいる。自分は後者だが。
個が、今社会にどんな問題があるかを発見する。
それをどういうビジネスに可能かを考え、事項に移す。
ビジネスにする過程で、ネットワーク化が起きる。
このネットワークが本物か、見てほしい。
セクターを超えてネットワークができる、
ビジネスとNPOが組むよ、とか。それで解決策を導く。
もう一つは資金の流れ。民間の資金が、まだ適切に流れていない。
ソーシャルアントレプレナーの、ソーシャルという言葉が、そもそも民間も、政府も、という社会的な活動体を含んでいる概念なのだろうか。
社会は、フィールド。
市場からはみ出てしまうと、NPOになってしまう。
市場の仕組みも利用しながら、社会起業していかなければならない。
アサザプロジェクトは、この分野ではよく知られた時代。
霞ヶ浦に100年後にトキが来るような、きれいな水に。
基金はあるが、どんどん勝手に増幅していった。
誰かがコントロールはしていない。
一つのプロジェクトに、子供達も協力し、相当な人数がからんでいる。
リーダー格の人は基金にいて、変わった、面白い人。
3-9: 社会起業家と起業家の違い
第3回研究フォーラム「ネットワーク組織と社会起業家」, 2007
(c)やまざきゆにこ2007
事例:家守ビジネス
普通だとビルのオーナーがいて代理店とかが入って、テナントを入れていくが、
ポツポツと空いてくる。ビルではなく、エリア全体で考えて、地域総合的に最適なテナント選定をする。そのプロデューサみたいな人を家守と呼びましょう。
地域が一丸となって、地域を再生する。こういうのは、ネットワークと呼べるか?
事例:Suwa一の柱ファンド
地場企業の共同開発。
じり貧の小さな企業が集まって、相互連帯保証で融資を受ける枠組みを作った。
政策投資銀行が動き、地銀が動き、結果として資金が動く。
技術を持っている企業たちだから、お金さえまわってくれば、再生する。
こういう地域再生の例は、ネットワーク型と呼べるのか?
起業というのは、ビジネスを起こすものだけではなく、
広義では、仕組みを作るものにも使う。
社会起業家と起業家の違いは?
NPOは、理解関係者に配当しない。それだけ。
20人のコーポレートフィランソロファーという本がある。
スタバ、デル、、、、そういった企業が社会起業家として語られている。
企業は、ビジネスをやるのが目的。結果的に貢献する。悪い影響を与えるところもある。
社会起業家は、社会に役立つための熱い思いからミッション、ビジョンを作る。
順序が違う。
SRIとは別に、社会的投資と言う。経済的なリターンも必要だが、社会的に何を変えたかを示す。
再分配、交換:市場原理、交換。それに政府が再分配をする。
互恵、愛、家庭、コミュニティ。
しかしそれだけでは、社会問題が解けなくなってきている。
ボランティアでは限界があり、そこでビジネスの原理を使って解決しよう、
それが社会起業家ではないだろうか。
社会起業家はイノベーティブであり得るのか?
どういうときにイノベーティブになるのか?
私はつながると思う。
自分自身で問題を発見します、アクションを起こします。
それが社会に影響を及ぼすこと。
「なんでだろう?」と言う人たち。
NPOに任せても、だめ。
企業が入ってこないコンセプトなど、しょせん大きな力にはならない。
ある場面ではネットワーク型で、ある場面ではヒエラルキー型になる。
この二つがダイナミックに動き出す。それが大事。
社会起業家とかやってると、完全なネットワーク型なんだけど、
ちまちましちゃう。
ダイナミックに動けばいいんだ。