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2005年 11月 22日 (火)
希望格差社会の中の青少年
講師:山田 昌弘氏
所属:東京学芸大学教育学部教授
日時:2005年11月22日(火) 午後3時~午後6時
終了しました
- 概要:
1.希望とは
* 「希望は努力が報われると感じたときに生じ、努力が空しいと思えば絶望
を感じる」
* 1998年(1990年代後半) 日本社会の大きな構造転換
自殺者急増、不登校、学力低下(二極化)、少年犯罪増加、ひきこもり、児童虐待
* 将来に希望がもてない社会環境(生活の不安定化)の広がり
2.現代青年の置かれた状況
* 従来の「青年」(前近代、近代Ⅰ)とはまったく異なった状況
近代 青年 希望-努力(教育、仕事、家族生活)が報われるという確信がもてた
* 現代 将来の生活見通しが不確実化している(リスク化+二極化)
① リスク化 - 将来の生活設計の予測がつかなくなる(教育、仕事、家族)
② 二極化 - 生活設計できる人とできない人に分化 - 将来格差
将来設計ができ、安定的な生活を見通せる若者(勝ち組)
生涯モラトリアムが続く、安定した生活を営むことができなくなる若者(負け組)
希望格差の出現(努力が報われる人と報われない人に分解)
3.不確実になっている原因
* 根本的原因 経済・社会の大変動
* 教育の過剰 教育された結果に見合う職は不足する
4.将来不確実性の帰結
努力してもなれる見込みが薄い、努力しても希望どうりの職(結婚)ができなかった
フリーター - 夢見る使い捨て労働者
① モラトリアム、リスクからの逃走、着陸不安(岩見和彦)
② 鬱と解離(宮台真司、鈴木謙介) 夢みる使い捨て労働者(山田)
解離 - 人格を多重化することによって、単純労働者の現実と「夢」を同居
鬱 - 将来を合理的に判断することを拒否(考えると暗くなる)
③ 享楽的行動
④ 反社会的行動
5.個人的、社会政策的課題
- 講師プロフィール:
1957年、東京生まれ。1986年東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。1986年東京学芸大学助手、89年講師、91年助教授を経て、2004年より現職。(1994年 カリフォルニア大学バークレー校客員研究員)
専攻 家族社会学・感情社会学。
愛情やお金を切り口として、親子・夫婦・恋人などの人間関係を社会学的に読み解く試みを行っている。
「パラサイト・シングル」の生みの親で、精緻な社会調査をもとに「学卒後も親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者=パラサイト・シングル」の実態や意識について分析した著書「パラサイト・シングルの時代」(ちくま新書、1999年)は話題を呼んだ。政治・経済の領域と同じように、家族においても「今までと同じやり方ではうまくいかない」。現実を見つめ、戦略的思考で家族生活のリスクマネージメントを行うべき時代だと説いている。
1990年代後半から日本社会が変質し、若者の多くから希望が失われていく状況を「希望格差社会」と名づけ、現在、議論を巻き起こしている。
著書は「近代家族のゆくえ」(新曜社、1994年)、「結婚の社会学」(丸善ライブラリー、1997年)「家族のリストラクチュアリング」(新曜社、1999年)、「家族というリスク」(勁草書房、2001年)「家族ペット」(サンマーク出版2004年)「パラサイト社会のゆくえ」(ちくま新書,2004年)「希望格差社会」(筑摩書房2004年)など多数。
NHKラジオ深夜便「暮らしの中の言葉」レギュラー、読売新聞夕刊「働く女性の相談室」レギュラー
現在、内閣府国民生活審議会委員、内閣府男女共同参画会議専門委員、厚生労働省若者の人間力を高める国民会議委員、東京都児童福祉審議会委員など。
公職を歴任している。
- 講師:山田 昌弘氏
- 所属:東京学芸大学教育学部教授
日時:2005年11月22日(火) 午後3時~午後6時 終了しました
- 場所:国際大学グローバル コミュニケーションセンター