はじめに

 グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)は、1991年の設立以来、“智業”の先駆けを標榜する社会科学系の研究所として、学際的研究活動や、事業活動、提言活動を積極的に進め、インターネットが社会化した最初の10年間に一定の役割を果たしてきたと自負しています。しかし、21世紀を迎え、インターネットはすっかり社会に浸透し、産業社会と明らかに異質な情報社会の出現が人々の共通理解になりつつあります。

 そこでGLOCOMはいま、二つの面でその研究体制を一新しようとしています。

 ひとつは、研究員の思い切った若返りと世代交替です。三十、四十歳代の研究員を中核に、二十代の若手研究者を第一線に配して、若いエネルギーと新鮮な問題意識で、情報社会の現実に切り込んで行こうとしています。

 もうひとつは、研究所の組織の二層化です。第一層を「研究基盤(プラットフォーム)」層として、この部門で研究のための新規投資やスペース、研究支援を行ないます。第二層は「研究実施」層として、ここに所の内外から研究チーム・リーダーを集め、基盤部門のリソースを活用しつつ、さまざまなプロジェクトの立案と実施にあたります。さらに、外部の研究組織との共働ネットワークも積極的に構築して、GLOCOMの研究基盤のいっそうの有効活用をはかります。

 GLOCOMの研究活動の中心は、「情報社会・学」と総称される情報社会の諸側面の学際的・総合的研究にあり、GLOCOMは、情報社会学会と緊密な連携をとりながらそれを推進していきます。情報社会学研究の当面の焦点は、二つあります。そのひとつは、情報社会に出現して来ると予想される新しい社会秩序の特性や問題点の研究で、もうひとつは、ネット論壇、ネットコミュニティ、全国各地域などで発揮されている“智民”たちのアクティビズムのフォローと支援です。

 わたしたちは、そうした趣旨を理解し共感してくださる方々との間に、広く柔軟な共働態勢を積極的に展開していきたいと考えています。なにとぞよろしくお願い申し上げます。

代表 公文俊平