GLOCOM - Publication

Center for Global Communications,International University of Japan

智場、GLOCOM Review、コラム…


 

く・も・ん・通・信

 このところすっかり恒例のようになった、秋の海外情報革命事情視察の旅に今年もでてきました。いまちょうど最初の3分の1の日程が終わり、これからニューヨークをたってロンドンに向かいます。ロンドンのあとは、ストックホルムとミュンヘンを予定しています。今年の主要テーマは、光ネットワークとモバイルです。

 ニューヨークではもうひとつ別の目的もありました。それは、今年の春からGLOCOMが始めた英語での情報発信プラットフォームの活動についてお披露目をすることで、国際交流基金にスポンサーになっていただき、ジャパン・ソサエティの場所を拝借して、IT革命と文化をテーマにパネル討論を行いました。予定の日が近づくにつれて、参加申し込みが急増して、今朝は少なからぬ方々にお断りしなければならなくなったと協会事務局のダニエル・ローゼンブルムさんがうれしい悲鳴をあげておられました。

 第一部のキーノートは富士ゼロックスの小林陽太郎会長、第二部は私でしたが、小林さんの英語でのスピーチを初めて拝聴して、そのすばらしさにたまげてしまいました。どうも日本語で話される時よりはずっとリラックスしておられながら、しかも迫力があるのです。私の話では、情報革命による知的エンパワーメントが一様には進まないために起こる、国家間や国内での“水平的デジタル・デバイド”を話題の中心におこうと思ったのですが、のっけから小林さんの英語と私の英語の間にある深い言語的デバイドに直面した思いがしました。それでも、宮尾尊弘さんがたっしゃな英語で司会をしてくださったおかげで、このデバイドは産業界と学界の間にある構造的なものではなく、まったく個人的なものだということが証明されて、私も少し救われました。

 討論会が成功のうちに終わり、引き続きニューヨーク在住の国際大学卒業生の方々(全部で50人近くいらっしゃるそうです)との懇親会も行われました。今回参加してくださったのはそのうちの10人ほどの方々でしたが、みなさんとても元気で、ニューヨーク生活をエンジョイしておられる様子がよくわかり、とても頼もしい思いがしました。

 ニューヨークといえば、やってくるたびに、街の雰囲気が明るくなり、レストランの料理がおいしくて親しみやすくなっていることに感心させられます。ここには食のグローバリゼーションの良い方の側面が集中的に発現しているようです。しかし物価は一般にかなり高いなという印象を受けました。

 旅に出て、旧知の友人たちや、新しい知人たちといろいろ議論したり情報交換したりできるのは、とても楽しいものです。今回は会津泉、アダム・ピークの二人が同行してくれていますが、二人の培ってきた人脈とインターネットのおかげで、面会の約束もとてもスムーズに取れます。唯一の悩みは、いっこうに時差が取れないことです。今回は私にとっては最初の東回りでの世界一周の旅になりますが、まだまだこの悩みだけは続きそうだと覚悟しています。ともあれ、土産話はたっぷり持ち帰りたいものです。

公文 俊平

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