NYフォーラム(10月2日)報告
IT革命下における日本の文化とビジネスグローバル化
宮尾尊弘(教授、国際情報発信プラットフォーム実行委員長)
去る10月2日にニューヨークのジャパン・ソサエティで、GLOCOM主催(共催:ジャパン・ソサエティ、国際交流基金)のフォーラム「IT革命下における日本の文化とビジネスグローバル化」が開かれました。これは「国際情報発信プラットフォーム」(http://www.glocom.org)の活動の一環として行われた最初のフォーラムで、海外のオピニオン・リーダーの多くに、GLOCOMが立ち上げた情報発信プラットフォームの活動を知ってもらい、積極的に参加してもらうために開催したものです。
あらかじめ国際大学(IUJ)およびGLOCOMの関係者を中心にNY周辺在住の知人や仲間に連絡をとり、またジャパン・ソサエティには会員を中心に告知してもらったこともあって、100名収容可能な部屋に入れきれないほどの盛況ぶりでした。
在ニューヨーク総領事の河村武和大使、コロンビア大学の日本経済研究の大家ヒュー・パトリック教授、GLOCOMと関係の深いデビッド・アイゼンバーグ氏を始め、各界を代表する方々に参加していただきました。また、マスコミ関係ではフジテレビがビデオ撮影を行った他、ニューズウィークを始め、米国を代表するメディアの記者たちも取材に来られていました。
フォーラムでは、コーディネーターである私が、まず「国際情報発信プラットフォーム」のホームページをスクリーンに映し出して、GLOCOMにおける情報発信活動の説明を行った後、以下のようなプログラムに沿って進行しました。
1) 小林陽太郎(富士ゼロックス会長)「グローバル化とIT革命が日本の企業文化に対して持つ意味」:企業が市場志向と社会的価値のバランスを取ることの重要性、また、IT時代にオープンな「信頼関係」を築くことの重要性を強調。
2) 籾井勝人(米国三井物産社長)「小林会長に対するコメント」:伝統的な日本的経営が、まだメリットを持っていることを指摘。
3) ジョン・バッシー(ウォール・ストリート・ジャーナル海外担当編集委員)「小林会長に対するコメント」:日本的な企業文化よりも、開かれた市場主義への移行の必要性を主張。
4) 公文俊平(GLOCOM所長)「水平的デジタル・デバイドの克服」:IT時代において、知識を持った者と持たない者の間に起こる(垂直的)なデジタル・デバイドだけではなく、知識を持っている個人や組織の間で生じる誤解や抗争、つまり水平的なデジタル・デバイドを克服する必要性を強調し、そのための方法や手続きを提案。
5) アラン・ウエスティン(社会法律研究所所長)「IT時代のプライバシー問題」:IT時代に起こりがちな、企業による個人のプライバシー侵害に対して日本が取るべき方策を指摘。
この後、以上5名のパネリストの間で議論がなされた他、会場からも活発な質問が出され、予定の2時間があっという間に過ぎてしまいました。最後に私が、この大きなテーマについての議論はまだ始まったばかりであること、この議論の続きは情報発信プラットフォームのウェブサイト上で行うことを宣言して閉会となりました。
以上、NYでのフォーラムは無事終了し、ニューヨーク周辺の関係者やオピニオンリーダーにGLOCOMの国際情報発信プラットフォームの活動を知ってもらうという目的は、ある程度果たされたと思います。今後はこのフォーラムのフォローアップを行い、情報発信プラットフォームの活動に活かしていくことが課題といえます。