く・も・ん・通・信
年度末、何となくばたばたしているうちに花の盛りも過ぎてしまいました。そこで少しゆっくりしようと思い、4月初めの数日間、家族で台北へ観光旅行に行ってきました。
1日は若い「外省人」の、もう1日は年輩の「本省人」のガイドさんがついてくれました。2人とも熱心にいろいろと説明をしてくれたのですが、お互いのライバル意識は相当なものでした。両親が中国本土生まれという外省人の女性ガイドは、断固として北京語しか話しません。それでも、最近は台湾語が優勢になってきたと顔を曇らせていました。また、年輩のガイドたちが、若い日本人の気持ちを理解しないことに不満顔でした。「若い人たちを中国茶はまだしも、漢方薬の店や黒檀の家具屋に連れて行っても仕方がないわよね」というわけです。私とほとんど同い歳の本省人の男性ガイドは、当然の事ながら国民党支配には好感をもっていませんでした。しかし、2人の意見が一致していたのは、民進党の新総統への評価の低さでした。国民党が多数を占める議会相手では、政策の打ちようがないというわけです。
2人の行動が一致していたのは、観光プロパーにかけるのとほぼ同じ時間を、免税店その他の店に案内して、ともかく買い物をさせようとすることです。男性ガイドは、「一昨年来不景気に苦しんでいる台湾の、対米貿易は大幅黒字なのに対日貿易が大幅赤字なのは残念至極だ。しかし、台湾が買いたいものは圧倒的に日本製が多いので仕方がない。だから、私たちは何としても"円"が欲しい、大いに"円"を落としていってください」と声を励まして訴えました。「店員たちがうるさくつきまとうのは、歩合給制のためなのだから理解してやって欲しい」とも言いました。そうまで言われては、私たちとしても店員さんに笑顔を見せながら、せっせと買い物に励まざるをえませんでした。それにしても、もう少し観光プロパーに時間を割いてくれれば、旅の愉しさもさらに増したのに、とちょっぴり残念ではありました。
夜は自由行動で、新三越の「摩天楼」から市内の夜景を眺めたり、松山の「観光夜市」を冷やかした後、鉄道でホテルの近くまで戻って町を散策したりしてみました。電車に乗り込むと、座っていた二人連れの若い女性が、さっと立って席を譲ってくれたのには感動しました。ところが、台北駅で降りようとすると、ホームにいる人たちがどっと乗り込んでくる勢いで、なかなか降りられなかったのには憮然としました。
月曜日の夜10時近くなってもまだ人通りの多い町に、24時間営業の「一代網路」とか「連線王」といった看板を掲げた店が目についたので入ってみると、これがあのインターネット・カフェでした。店内は大学生風の若者たちで満員でしたが、雰囲気は静寂そのもので、ひたすらインターネットに専念している様子でした。
台北の町で一番目立ったのはバイクの多いことです。それも50ccクラスのスクーターのようなバイクが圧倒的に多数でした。しかもカップルの2人乗り、若夫婦と子供たちの3人乗りから4人乗りが結構多いのです。まさに若者と庶民の足という感じですが、それでも、1台が20万円ほどもする(そして、ほとんどが日本からの輸入)という話に二度びっくりしました。台湾は、第二次産業革命を飛び越して、第三次産業革命に入っていこうとしているのかもしれません。