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Center for Global Communications,International University of Japan

智場、GLOCOM Review、コラム…


 

く・も・ん・通信

 6月9日から10日にかけて、高知県の南国市(人口5万)を中心に発足した「高知CANフォーラム」の発足式に、CANフォーラムの石井俊成運営委員長と共に参加し、「地域情報化とCAN」と題する記念講演をしてきました。  会場になった空港から10分ほどのホリディ・イン・ホテルには、高知CANフォーラム会長に就任予定の浜田純市長以下、62名の参加者が集まって、活発な議論が交わされました。懇親会も大いに盛り上がって、二次会、三次会と明け方まで続いたそうです。  南国市の情報化をめぐっては、とくに注目すべき点が二つあります。

 その第一は、すでに2年前から、全市に無線LAN(10Mbpsと2Mbps)を張り巡らせる実験を始めていて、このほどその成果をもとに「南国市フリーネット」と呼ばれる防災用兼公衆用の無線インターネットを立ち上げるようにしたことです。  その第二は、市内の情報産業集積拠点である南国オフィスパークを中心とする「南国こうちスーパーネット」を立ち上げ、これをKDDIの高速光幹線(高知市と広島市を結ぶ)に光ファイバーで直結(事業費64百万円)して、当面135Mbps(今後1Gbpsまでの高速化が可能)での高速・高品質のデータ通信を低廉な接続料で可能にした(6月1日から供用開始)ことです。  高知CANフォーラムは、地域のCANフォーラムとしては、この2月に発足した関西CANフォーラムに続く第二のフォーラムになります。このフォーラムの中心人物は、今井一雅・高知高専電気工学科助教授、坂本世津夫・なんごく・こうち情報拠点都市地域研究会委員長、沢本一哲・シティネット代表取締役という三人の“ギーク”たちです。  講演に続いて行われたパネルディスカッションでは、今後のフォーラムの活動を推進していく上でのさまざまなアイデアが出されました。司会者の今井さんのまとめによれば、中でもとくに面白そうに思われたのが、

  1. 南国市小中学校インターネット放送。本年中に、山間部の小学校2校を含めて、南国市の小中学校の校内LANがすべて無線LANで接続され、各教室には、無線LANカードで接続されるノートパソコンが2台配備されることになっているので、これをもとにして双方向性のインターネット放送を実現する。
  2. ラーセン(ラーニングセンター)の設置。すなわち、南国市の小中学校から無線LAN接続が可能な場所にラーセンを設置して、こどもたちや高齢者の学びと遊びのセンターとする。
  3. 公衆インターネットの実現。南国市の公共の場所に、キオスク端末を設置して、その周辺での無線LANカードつきのノートパソコンのインターネット接続を可能にする。

の三つでした。

 南国市で、こうしたアイデアが次々と実現に移され、新しい経験が積まれていくことを期待しましょう。また、こうした動きが刺激になって、他の地域でも次々に新しい地域CANフォーラムが設立されていくといいと思います。

付記。その翌朝、坂本さんに案内していただいて南国オフィスパークセンターを見学してきたのですが、梅雨の合間の晴天にもかかわらず、市内一帯にかなりの濃さの霧のようなものがかかっていました。それがなんと、大陸から飛来している黄砂で、この1、2年、西風が吹くと大量の黄砂が飛ぶようになったそうです。黄砂は空気を乾燥させると同時に、紫外線を透過させます。そのため、樹木の新芽や稲の花など、黄砂が来ると1日でからからに干上がって、ドライフラワーになってしまうのだそうです。これはまさに新たな公害だと背筋の寒くなる思いがしました。

公文俊平