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智場、GLOCOM Review、コラム…


 

日本は米国が困ったときの真の友になれるか

谷口智彦(GLOOCMフェロー)

「困ったときの友が真の友」という英語の諺があることは誰もよく知っている。米国が再び友人と同盟国のサポートを心底必要としているこのとき、日本は湾岸戦争の際に示したような大失敗を再び犯してはならない。当時必要であり、また今も必要とされているのは、日本が米国に協力を惜しまず、愛する者を失った人々の気持ちを思いやるだけでなく、より重要なこととして彼らと一緒に行動し、断固たる態度を取ることに他ならない。今回は、米国防総省の昔からの知日派であり、ヴァンダビルト大学教授でもあるジム・アウワー氏がいうところの「逆パール・ハーバー」を日本が行う絶好のチャンスなのである。彼によれば、日本が今回の米大統領でさえも攻撃されたかもしれないような恐るべきテロ攻撃に対抗しようとする米国の側に付くことで、自らの過去の汚名を消し去ることができるはずであるという。実際に、日本が米国の同盟国でありたいと望むならば、米国が何をやるかを決定次第、日本はそれを明確に支持しフォローしなければならない。

集団自衛権について、日本の内閣府がなぜこれまでの解釈にこだわるのかの理由を正確に指摘できる人はいない。私が外務省の前事務次官から聞いたところによれば、真の理由は、日本が米国と共にいかなる集団自衛行為を行うことも許されないという憲法上の解釈を最初に採用した彼らの大先輩の元事務次官に「恥をかかせないよう」、その後輩である歴代の事務次官が解釈を変えたくなかったからという。これが本当であれば、まずは何よりも首相が、そして次に内閣が、この解釈の変更を一方的に宣言すればすむことである。首相である小泉純一郎はこれを直ちに行うことができるし、行わなければならない。

そのような行動がぜひ必要である理由がある。例えばあなたが北京の防衛ストラテジストであるとしよう。あなたはあなたの上司である国のリーダーに対して、これから数ヶ月あるいは場合によっては数週間で米国と「ならず者国家」との間に起こるであろう戦争に対して名目的でも軍事支援を行うように提言することがベストである。ほんの名目でも中国がそのような参加を行うならば、日本は足元をすくわれ、米国民に対して、日本が中国に比較していかに信頼できない国であるかを印象付けることになるであろう。そうなれば、テロ攻撃のわずか一週間前に日米両国がその50周年を祝った日米同盟は終焉を迎える。

今回のテロ活動は、日本がもはや従来の殻に閉じこもっていられない状況をもたらした。今までは日本はもっぱら議論だけをして、それも経済的な構造改革にのみ焦点を当てていればいいという恵まれた状態にあった。しかしついに日本はその外交政策を見直し、米国と一緒に行動でき、実際に国際社会と協力し、単に経済的な面だけでなく、有事にも信頼できる友人になれることを証明するときが来たのである。

●この論文のオリジナル版は「国際情報発信プラットフォーム/http://www.glocom.org」に掲載されています。

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