GLOCOMの活動とインターネット
山内康英
(GLOCOM主幹研究員)
Center for Global Communications,International University of Japan
GLOCOMの活動とインターネット
山内康英
(GLOCOM主幹研究員)
GLOCOMがインターネットに接続したのが1993〜94年ですから、ちょうど10年が経ちました。インターネットが「ドッグ・イヤー(人の1年=犬の7年)」だとすると(ことしは未年ですが)、すでに70余年を閲したことになります。もちろんWIDEの方々には及びませんが、われわれもすでにかなりの年配と言ってよいでしょう。
そのなかでやはり共感するのは組織の盛衰です。とくにインターネットにユニークなアプリケーションを提供してきたオープンソース系の団体や、またハードウェアでもMacクローンを提供した勇敢な企業などといった記憶は鮮明です。
ストリームメディアの最初期に、RealNetworks(http://www.real.com/)と覇を競ったXing StreamWorksなど、いつのまにか消えてしまった技術は数多くあります。
その中にコーネル大学が開発したTV会議システムとしてCU-SeeMeがあります。本センターでは、フルブライト記念基金Master Teacher Programの活動として、日・米の小・中・高校間の共同授業を実施していますが、学校間を結ぶTV会議として、このCU-SeeMeを使っています。
このアプリケーションの開発組織は、一時、大学を離れてWhite Pine社に移り商業化を目指しました。White Pine社は、2001年にCUseeMe Networks社(http://www.cu-seeme.net/)と名前を変え、02年には、さらにFirst Virtual Communications社(http://www.fvc.com/eng/webconferencing/index.htm)と合併しました。同社はただちに、Quicknet Technologies社と戦略提携を結び、CUseeMeの開発をこちらに移管しました。このようないかにもインターネット的な推移にもかかわらず依然としてユーザは、このソフトを利用することができます(http://www.cuseemeworld.com/)。
さて、Macクローンを製造販売したなかにUMAX社(http://umax.com/world/)があります。同社は、Apple社(http://apple.co.jp/)がOSのライセンシングを停止したために、Macクローンのビジネスから撤退しました。しかしS900やJ700といった機材にはファンが多く、その利用法についてメイリングリスト(http://lowendmac.com/lists/unsupported.html)では活発な情報交換が続いています(http://home.earthlink.net/~supermac_insider/)。最近、Apple社はOSをUNIXベースとして一新しました。この「OS X」は旧型の機材では走らないはずなのですが、上記のメイリングリストでは、旧型機材で「OS X」を走らせるためのパッチを独自に開発して無料で配布しています。
インターネットの自由な文化は危機に瀕している、というレッシグ教授の予言は正鵠を射たものですが、共感と協働に基づいたインターネットの活動は歳を重ねるにつれて予想を越えた発展をしているようにも見えます。