本研究のねらいは、昨今の携帯通信機器、インターネットの普及に象徴される情報環境の変化が、人々の生活や意識に与えている影響をより総合的に明らかにしようとするものである。まず、人々が日常様々な情報に接しながら生活をおくるさまを「情報生活」と定義し、様々な研究手法をもって立体的に解明しようと試みた。本稿では質問紙調査法を用い、基礎的な情報機器所有から、スキルや知識の程度、各メディアに対する個人の位置づけまで多様な項目を設けることで、メディアとユーザー層の関連性をより深い次元で明らかにしようとしている。調査は平成9年7月から10月の間、4大学の学部生計709名を対象に370項目からなる質問紙を配布回収して行った。
この結果、男女間では特に意識項目で女性に積極的な結果が目立った。男性は女性に比べて様々な情報を取捨選択し、自分なりの結論を導こうとする傾向が強く、一方女性は情報先取り指向やコミュニケーション指向が強く、情報化に肯定的な傾向が認められた。所有情報機器やメディアの位置づけかたについてもはっきりとした違いが現れた。
インターネット経験群は、未経験群に対してキーボードスキル、情報関連用語の理解度、情報に対する自律性、コミュニケーション指向が著しく高い。また、ネットワークのみならず雑誌や書籍、手紙といった従来の活字メディア、書き物メディアに対する接触頻度も高いことから、情報やメディアに対して積極的能動的な姿勢を持つ層が、インターネットを指向していると考えられる。
また、大学生のインターネット接続先は約7割が大学であり、学校側の情報基盤整備の程度が学生のアクセス環境を大きく左右することが示唆された。大学生のインターネット利用の主たる目的はホームページによる情報検索閲覧にあり、個人ホームページ制作など情報発信指向はやや弱い。知識理解のレベルも表層的なものにとどまっていることが推測された。