『GLOCOM Review』 1999年3月号(第38号)

情報文明論研究: 文明の「ライフ・スタイル」分析と「感性通信系」

前田 充浩
要約

今後の日本の社会システムのガバナンス方法を考えるための方法論今後の日本の社会システムのガバナンス方法を考えるための方法論を、「公文の文化−文明モデル」を最整理することにより検討した。その結果、社会システムは幾つかの文明のシステムであり、またそれぞれの文明が、人々の「ライフ・スタイル」(価値のシステムたる文化を外形的に捉えた概念)との適合性を維持している場合に安定であると見た。したがって、社会システムのガバナンスは、a.文明と「ライフ・スタイル」との適合性を検知するテクノロジー、及び、b.適合性の状態に応じて文明に所要の変更を加えるためのテクノロジー、の両者による閉ループ制御によって達成されるとのモデルを導出した。この場合、後者のテクノロジーについては既存の諸社会科学を用いることができる一方、前者のテクノロジーについては今後の学際的な研究を待たねばならず、この点が社会システムのガバナンスにとっての「鏡の背面」になっていることを指摘した。

次いで、文明と「ライフ・スタイル」との適合性を考える1つのア次いで、文明と「ライフ・スタイル」との適合性を考える1つのアイディアとして、情報の階層性モデル、通信系による「快感誘発要因」の減衰効果等をもとに、「ライフ・スタイル」のある側面を「感性通信系」マトリクスにより捉えることを提案し、実際のケース・スタディ(20世紀後半の日本社会におけるカイシャ制度の分析)も試みた。

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