『GLOCOM Review』 2000年4月号(第52号)

プロセスのアーキテクチャ: 企業間取引の情報化

竹田 陽子
要約

情報や物の流れにも、製品のアーキテクチャに見られるように、モジュール性(ルールによって事前に規定されたインターフェースを持つサブシステムによって構成されているかどうか)、オープン性(インターフェースが社会的にどれだけ広く通用しているか)といった構造が存在する。本稿では、情報や物の流れにおけるさまざまなルールの設定の仕方であるプロセスのアーキテクチャという概念を提示し、企業間取引の情報化の経緯を見ることによって、情報技術の導入がプロセスのアーキテクチャに何をもたらしたか、オープンなプロセス・アーキテクチャが採用されるのはどのような場合かについて論ずる。

プロセスのアーキテクチャは、分業構造、取引関係といったビジネス・アーキテクチャと、そこで取り扱われる製品のアーキテクチャと密接な関係があるからこそ企業戦略や産業構造に対して重要な意味を持つ。最近の情報技術の進化により、プロセスのアーキテクチャが、人と人を結びつけるアクセスの部分とその上で展開される調整の部分に階層化されつつあることにより、インテグラルな製品をオープンな取引関係で取引できるポテンシャルが生じてきた。この技術変化は、企業間取引だけにとどまらず、ネットワークを活用しておこなわれる経済活動全般に大きな影響を及ぼす可能性がある。

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