『GLOCOM Review』 2001年5月号(第63号)

インターネットの上の「書きことば」と言語計画

上村 圭介
要約

インターネットは我々の「言語生活」のさまざまな側面において欠くことのできない重要な役割を果たすようになった。我々が日常行なう様々なコミュニケーションが、インターネットの助けを借りて行なわれるようになったのである。しかし、地球上のすべての言語話者がインターネット上の言語生活の中にいるわけではない。もちろん、その理由の一つは情報技術が十分に普及していないということもあるが、もうひとつに、インターネット上で、より根本的にはコンピュータ上でその言語を使うための前提である文字が、すべての言語について利用できないことが挙げられる。

この問題は、コンピュータと文字の問題として、長年これまでコンピュータと文字の問題として考えられてきた。しかし、本稿では、この問題をより大きなインターネット上の「書きことば」の問題としてとらえる。そうすることで、この問題が単に言葉を書きあらわす技術だけにとどまらない「言語計画」上の課題であることが明らかにされ、本稿が、単に「文字が表示できる」「できない」という枠を越えて、情報技術と新しい書きことばについての議論をする土台を提供できることを期待する。

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