ネットワーク犯罪は、匿名性が高い、犯罪の痕跡が残りにくい、不特定多数のものに被害が及ぶ、容易に国境を越えることができるなど、他の犯罪にはない特徴がある。しかも、これらの犯罪は、IPv6 の本格的普及、アドホック・ネットワークという利用形態の浸透により、これからますます深刻化していくことが懸念される。
これらの犯罪に対抗していくためには、通信傍受による捜査、通信記録による捜査などの手段が考えられるが、このような捜査方法をめぐっては、プライバシー保護の問題や捜査技術の標準化など、解決すべき課題がいくつか残されている。アメリカやヨーロッパでは、ネットワーク犯罪に対抗するための手段として、通信傍受が真剣に取り上げられており、特にヨーロッパでは官民挙げての通信傍受技術の標準化が行なわれている。
本稿では、このような事例を紹介し、ブロードバンド時代のセキュリティを確保するという視点から何が必要なのかを考察する。