情報化がS字波の形を取ることは公文俊平「文明の進化と情報化」などで指摘されているが、その形状を構造モデルを使って演繹的に導出するモデル分析はこれまで行われてこなかった。本稿では、現実的な情報ネットワーク化の効果を組み込んだ動学的な構造モデルを構築し、そこから導かれる解の動きが、技術革新によるコスト削減や将来にたいする期待の上昇によってどのように影響されるかを分析する。その結果、S字波の「出現期」は初期の低位均衡に沿った動きとして、また「突破期」は低位均衡から高位均衡へのカタストロフィックな動きとして、さらに「成熟期」は高位均衡への収斂過程としてモデルから導出できることを示す。現在の進行中の「ITバブル崩壊」は、このような分析の枠組みの中でどのように解釈できるかについても議論する。