1996年電気通信法最大のねらいは地域通信への競争導入であったが、事態は予期されたほど進展していない。鍵を握る新興会社の業績不振を尻目に既存会社は着実に業績を伸ばしている。連邦および州の為政者は、地域通信設備を独占する既存会社が地域通信設備の開放に非協力的なことを理由にして、既存会社を卸売会社と小売会社とに分離する構造分離案に注目しはじめた。本稿では、まず通信業における構造分離規制について連邦通信委員会、州公益事業委員会、裁判所、連邦議会の各セクタにおける歴史をまとめ、地域通信への競争導入に関するケースとしては先駆となるペンシルバニア州を中心に州レベルの動きと、上院に法案が提案された連邦議会の動きを紹介し、最後にこれらの実現見通しについて触れることとする。