文部科学省「緊急スクールカウンセラー等活用事業」は、東日本大震災での被災地の子どもたちの心のケアを目的として2011年度に開始されました。GLOCOMでは、豊福晋平研究員、新谷隆研究員を中心に、ICTを活用して被災地と全国をつなぐプロジェクトを企画し、同事業の枠組みで、これまでに岩手県、宮城県、福島県、千葉県の約50の小中学校を訪問しています。被災地の小中学校の教室、パソコン室や職員室を訪れ、子どもたちが作るブログ記事の作成支援、先生方への講習、オンラインでの活動支援を実施しています。各校への訪問は年間数回、なかには30回を超えた年もありました。
本プロジェクト開始当初は、学校ホームページを通じて、おもに被災地を支援してくださった方々に対して学校側からの感謝の気持ちを伝えるという活動を支援しました。岩手県大船渡市や宮城県仙台市では、津波被害から徐々に回復し、子どもたちに少しずつ笑顔が見られるようになった様子を伝えました。また、福島県では、原発事故により、サヨナラの言葉も交わすことができないままに転居し離ればなれになってしまった児童・生徒に対して、避難先の母校の様子をブログ記事で紹介しました。現在は、日々の授業や行事など、学校の日常をブログで伝える活動が、訪問校の多くで定着しています。
2020年3月には震災の年に小学校に入学した子どもが中学を卒業し、義務教育を終えました。本活動も当初の目的を達成し、今後はさらにオンラインに重点をおいた取り組みへと変化させつつ、ニューノーマルの時代を迎える学校への活動支援の新たな形を検討していきます。
名称 | 緊急スクールカウンセラー等活用事業(学校情報発信) |
形態 | 公的事業 |
プロジェクトオーナー | 文部科学省 大船渡市(岩手県) |
プロジェクトリーダー | 新谷隆 |
プロジェクトメンバー | 新谷隆、豊福晋平 |
活動内容 |
|
実施期間 | 2012年1月~2021年3月 |