認知症の人にやさしいまちづくりに関する研究


国際アルツハイマー病協会国際会議(京都)で「認知症にやさしい地域」に関するワークショップが開催


Alzheimer’s Disease International(国際アルツハイマー病協会)国際会議が4月26日から29日にかけて、京都市の国立京都国際会館で開催されます。

このAlzheimer’s Disease International(以下、ADI)は、全世界100カ国以上のアルツハイマー病等に関する団体の加盟する組織で、1984年にアメリカ・ワシントンDCで設立されました。ADIは民間団体ですが、世界保健機構(WHO)などの国際組織とも連携し、世界各国の認知症に関する情報やケアの方法、ケアモデル等の普及や意見交換を行っています。また、アルツハイマー協会の設立や各組織の発展を支援し、認知症の人と介護者の生活の質の向上も図っています。

国際会議は、毎年ADIと各国のアルツハイマー病協会によって開かれています。今回の会議では、「公益社団法人 認知症の人と家族の会」が共催となっています。この会議は、アルツハイマー病と認知症に関する世界で最も重要で大きな会議の一つであり、国際的に著名な講演者や、科学者、認知症に関連する分野の専門家の発表や認知症ケアの最前線について知ることができます。

本プロジェクトとの関連では、29日(土)に行われるワークショップ05(WO5)「「認知症にやさしい地域」を評価する:どのように地域を評価し、取組を促進できるか」があります。これは、認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ(DFJI)、公益社団法人認知症の人と家族の会(AAJ)、World Young Leaders in Dementia(WYLD)が合同で行うもので、河野禎之氏(筑波大学、DFJI、WYLD、国際大学GLOCOM客員研究員)、金子裕美子氏(AAJ 新潟県支部)、茅野龍馬氏 (WHO神戸センター)、尾島俊之氏(浜松医科大学)、平尾和之氏(京都文京大学、AAJ、DFJI、WYLD)、Kristine Newman氏(Ryerson University、WYLD)、中西三春氏(東京都医学総合研究所、DFJI、WYLD)が講演します。また、英国アルツハイマー協会・会長のジェレミー・ヒューズ氏の登壇も決まっています。

以下、 同ワークショップの内容を引用します。

「認知症にやさしい地域」は、その地域に住む認知症の本人と家族とともに、医療・介護従事者のみならず、自治体や企業を含めた多様な属性の人々による地域での取組により成し遂げられるものである。本ワークショップでは、これらの動きを加速するため、「『認知症にやさしい地域』をどう評価し、地域の取組を促進していくか」をテーマとする。
プログラムの前半では評価に取り組む各方面の代表者から話題提供を募り、現状の知見や活動を共有する。後半では話題提供を踏まえた意見交換を行い、課題の共有とアプローチの相互理解を深める。本ワークショップを通じて、参加者と「認知症にやさしい地域」を評価する方法論について包括的な視点を共有し、今後の展開に向けた継続的な取組の必要性を確認する。特に日本での地域に根ざした取組の具体例を世界に向けて発信することで、国際的な展開と協力を進めるための出発点として位置づける。(WO5紹介ページ)


参考HP
・第32回国際アルツハイマー病協会国際会議HP
http://www.adi2017.org/ja/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
・国際アルツハイマー病協会HP
http://www2f.biglobe.ne.jp/boke/newsadi.htm
・公益社団法人 認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=8159

2017-04-03