1月28日(土)にワークショップ「【実験結果!】ゴミ拾いとマチのデザイン(3)」を開催しました
1月28日(土)、遂に集大成となるワークショップ「【実験結果!】ゴミ拾いとマチのデザイン(3)」を開催しました。今回は、ポイ捨てを減らすための実験を事前にしかけ、参加者と実験結果を考察しました。
果たして川崎市仲見世通り周辺の路上ポイ捨てゴミは減ったのでしょうか?
◆ゴミ拾い活動
実験場所である仲見世通り、新川通りを中心にゴミ拾いを行います。当日は、グリーンバード川崎駅チームのメンバーを中心に、35名ほど参加者が集まりました。
これまで、何度ゴミ拾いをしても、あっという間にポイ捨てゴミだらけになってしまう植え込みです。参加者全員で協力してゴミを拾い集めます。今回、麻袋に詰めた花を敷き詰めてみました。植え込みにゴミが多数捨てられていたものの、花のある部分に関しては確かにゴミの量が少なくなったようです。
ここで集めたゴミの量や種類は後ほど計測され、参加者と結果を共有・考察します。
◆ワークショップ
ゴミ拾いのあとは、東田公園の「コミュニティハウスさくら」に移動し、参加者16名ほどとワークショップを行いました。実際にゴミ拾いをして気づいたことを共有します。
・実験を行なっても、思ったよりゴミの量は減らなかった。
・ゴミを捨てられる場所が減ったためにポイ捨てが増えているのでは(=捨てやすい場所を設ける)?
・商店街など地元の人がもっと参加する風潮を作るべき。
・顔見知りを増やせばそこにゴミを捨てづらくなる。
・子どもが取り組む姿を見せればより訴求力があるのでは?
実験を受けて、様々な意見が飛び交いました。ワークショップの最後には、輪になってそれぞれがポイ捨てを減らすために「明日からすぐにできること」を紙に書いて発表し合いました。
◆実験結果!
今回は、川崎市環境総合研究所、株式会社ピリカの協力のもと2種類の実験を行っています。
【実験1】ごみを寄せ付けていると予想される植え込み(銀柳街と新川通りの交差点)に、麻袋に詰めた植物を敷き詰め、ポイ捨てしにくいデザインに変更。その効果を測定しました。
【実験2】ごみが多く捨てられている場所(いさご通り付近)の夜間の様子を撮影・録画し、いつ、どのような人がどのようにごみを捨てているのか、その行動を分析しました。
まずは、【実験1】です。
先ほどお見せしたように、植え込み内には麻袋に詰めた花を敷き詰めた部分と、そうでない部分の2箇所があります。事前調査では、ゴミ拾いのみをしても、すぐに元の状態に戻ってしまうことが明らかになっています。
実際にゴミの数を比較してみると、こんな結果が出ました。
たばこの数が顕著に減少しています。ポイ捨てを抑制する植え込みデザインに、効果はあるようです。今回は花と麻袋を置きましたが、野菜を植える、人工芝にするなどの提案もありました。また「目」を表した看板を置くと、心理的にポイ捨てが抑制されるという検証結果も出ているようです。今後同様の実験を行う際に、実際に試してみたいですね。
一方で、花を置かなかった植え込み部分にゴミが集まっていたことから、ゴミが減るというよりもゴミを捨てる場所が変わったのではという課題も出ました。
次に【実験2】です。
ワークショップ参加者と共に、映像を見ながらいつ、どのような人がどのようにごみを捨てているのかを考察しました。その結果、以下のようなことが分かりました。
・夜間にゴミが捨てられやすい。
・風で飛ばされてきたゴミも多い。
・ゴミの捨てられた方向を見ずに地面に落とす(特にたばこ)。
・待ち合わせなど、その場所に立ち止まっている時に捨てる。
こうした実験から、ゴミが捨てられやすい環境や時間帯がわかれば、より効率的に清掃活動や指導を行うことができます。また、地域コミュニティーの観点から考えると、声かけや挨拶をし合う雰囲気が作られている地域では、ポイ捨てゴミが少ないという意見もありました。ゴミ拾いを始点として地元のさまざまな人々の相互コミュニケーションが活性化していくことが期待されます。