認知症の人にやさしいまちづくりに関する研究


ADI国際会議に関する報道

日本での開催が13年ぶり2回目となるAlzheimer’s Disease International(国際アルツハイマー病協会)国際会議が行われました。

同国際会議は、78の地域から認知症の人や医療、福祉の専門家ら約4千人が集まりました。また、これまでで最多の認知症当事者が約200人参加しました。

開会式では、主催団体の「認知症の人と家族の会」の高見国生代表理事が「認知症の人も家族も、さらに生きやすく幸せになれる時代をともに作ろう」と呼びかけました。共催の国際アルツハイマー病協会のグレン・リーズ議長は「認知症が世界の重要事項として認識されるときに来ている」と発言しました。

開会式に続いて、仙台市在住の丹野智文さんによるスピーチがありました。丹野さんは39歳の時にアルツハイマー型認知症(若年性認知症)と診断されましたが、会社側の理解もあり今でも事務職として勤務を続けています。スピーチでは、2016年にスコットランドに行き多くの認知症の人たちと交流した経験などを交え、「サポートしてもらいながら、その時その時を楽しく過ごせたら、それが『認知症とともに生きる』ということ」という意見や、ケアに関して日本と世界の良いところを合わせることで「認知症になった人が幸せな世界になる」と話しました。

同会議では、「ともに新しい時代へ」というメインテーマの下、「認知症に関する最新の科学」や「認知症と災害」など6つの全体会議や、医療、教育、経済などの多様な視点で認知症を考える30の分科会が開催されました。また、認知症の当事者本人による発表や講演が多数行われました。

27日のワークショップでは、認知症の当事者たちで作る国際認知症同盟(DAI)のワークショップで、司会を務めたオーストラリアのケイト・スワッファーさんが認知症当事者として、診断後の体験など語りました。28日には、日本認知症ワーキンググループの主催で「認知症とともに生きるわたしたちからの機能のリレー~当事者から当事者へ」が行われました。この他にも、個別報告で「認知症サポーター」の活動報告や、鳥取の認知症カフェの出張オープンなど、多くのイベントが行われました。

ADIのマーク・ウォートイン事務局長は、会議総括の記者会見において、「ロボット開発や在宅介護の先進事例、予防や治療、臨床美術を活用した認知症ケアなど、幅広く新しい手法の発展が報告された」と評価し、また「子育て世代が親の介護を要する問題に、今後十分に注意を払わねばならない」と指摘しました。

参考HP

2017-07-06