2020.05.01

GLOCOM Monthly Topics ~May, 2020

国際大学GLOCOMです。平素より大変お世話になっています。

緊急事態宣言が5月末まで延長となりました。外出自粛やソーシャルディスタンスの維持などが引き続き求められていますが、現在は営業を再開した飲食店ではテーブル席の間隔を空けたり、コンビニなどのレジではビニールシールドが設置されるなど、日常生活の再開に向けた創意工夫があちらこちらで見られるようになりました。
GLOCOMも活動自粛を続けてきましたが、イベントのオンライン開催の準備を進めるなど、新型コロナウィルス感染症によって生じた「新しい生活様式」を踏まえて、新たな取組みをようやく始めることができています。

今月もMonthly Topicsを通じて、GLOCOMの活動・成果をご紹介します。
気になるトピックがございましたらぜひお声がけください。

▼<今月のTopics>–▼————————▼

◆Pick up
【発行】DISCUSSION PAPER No.18 & 19
【メディア情報】
・豊福晋平研究員の教育ICT研究に関する成果(朝日新聞、共同通信、ヤフーニュース、ハフポストなど)
・山口真一研究員によるフリマアプリに関する調査、データ利活用の意識調査、ネット言論、モバイルゲームに関する研究論文(SSRM)
&そのほかの成果(Abema Prime、読売中高生新聞)
・庄司昌彦研究員のデータ利活用研究に関わる成果(ニュースイッチ)
【活動紹介】「災害時コミュニケーションを促進するICT利活用に関する首長研究会」

◆新型コロナウイルス感染症予防対応に関連したお知らせ
・研究ワークショップ開催の見通しについて(6月にオンライン開催を検討中)
・GLOCOMへのご連絡について

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■ Pick up ― 最近の主な活動 ■
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◆DISCUSSION PAPER_No.18(20-004)
“The Impact of Official and Informal Free Goods: An Empirical Analysis of Creative Industries in Japan”
Shinichi Yamaguchi, Hirohide SAKAGUCHI, Kotaro IYANAGA, Tatsuo TANAKA
本文はこちらからご覧いただけます

本研究では、音楽産業・映像産業・書籍産業について、無料で流通している海賊版と公式ネット配信が、それぞれ売り上げにどのような影響を与えているのが実証分析しました。
3万件の大規模アンケート調査データを操作変数法によって分析した結果、音楽産業では、無料の公式ネット配信(MVなど)やストリーミングの無料利用が、有料のCDやストリーミングの売り上げを増やす補完効果を持っていました。その一方で、海賊版の流通は音楽産業・映像産業の売り上げを損なう効果を持っていました。また、書籍産業では、海賊版も公式ネット配信も売り上げに特に影響を与えていませんでした。

 

◆DISCUSSION PAPER_No.19(20-005)
「流言は知者に止まる -もうひとつのフェイクニュース抑制策-」
田中辰雄、山口真一、菊地映輝、青木志保子、渡辺智暁、大島英隆、永井公成
本文はこちらからご覧いただけます

フェイクニュースの中には、完全な虚偽ではなく一部に事実を含みながらひどく偏った解釈で読者をミスリードする高バイアス型のフェイクニュースが存在します。本稿ではネット上の識者によってそのような高バイアス型フェイクニュースの拡散阻止策を検討するべく、古来「流言は知者に止まる」とされた方法でその実例を挙げるとともに、Innovation Nipponプロジェクトのチームによって実施したアンケート調査でその実現可能性を考察しています。

アンケート調査の結果からは、信用できる識者の言うことを聞いてフェイクニュースであると気づくのはありえることで、また、その識者が本人にとってリアルの知り合いか面識があるかないかに関わらず、ネット上で情報発信している人の意見でも信用できる人なら拡散を止められるということがわかりました。ただし、実際にはそのような識者の数が少ないためこの方法による拡散阻止があまり機能しておらず、その方策としてネット上の識者を増やすためには極端な意見が目立ってしまうネット上に中庸な言論空間を増やすことを提案しています。

 

※ディスカッションペーパーのバックナンバーはこちらから

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【メディア情報】豊福晋平研究員の教育ICT研究に関する成果

~豊福研究員からのコメント~

2月27日の突然の総理会見で全国の学校はコロナウィルス対策の休校措置に踏み切りました。登校不可・接触禁止によって学校は子どもや保護者とやりとりする手段を実質的に失い、新学期以降も十分なやりとりなく放置されるような状況が続きました。
メディアはオンライン学習として、見た目が派手な遠隔授業や動画配信ばかり紹介しますが、私はそれ以前に学校がICTでいますぐにでも対応すべきことがあると指摘しています。また、世界的な教育情報化の潮流における我が国の位置付けと、進むべき展望についても考察しています。

・学校再開後もオンライン活躍?「積極的不登校」にも備え(5月21日、朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASN5M6G0CN5CUTIL048.html

・「“オンライン授業”よりまずは、5分の朝の会を。専門家が考える、休校中に学校がすべきこと」(5月11日、ハフポスト、ヤフーニュースなど)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5eb36e65c5b6526942a196d5

・オンライン授業絶賛も、プリント渡すだけも疑問 【休校が長引くなか学校にできること(1)】(5月6日、ヤフーニュース)
https://news.yahoo.co.jp/byline/senoomasatoshi/20200506-00177094/

・「休校とICT活用 子どもとつながり構築を チャットで助言やケア」(共同通信、神奈川新聞、5月4日付高知新聞など)

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【メディア情報】山口真一研究員によるフリマアプリの実証分析、データ利活用の意識調査、ネット言論、モバイルゲームに関する研究論文&そのほかの成果

●研究論文
・The effect of online C2C markets on new product purchasing behavior: An empirical analysis of Japanese selling apps

https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3568444

・How Do People Value Data Utilization?: An Empirical Analysis Using CVM in Japan
by Shinichi Yamaguchi, Hidetaka Oshima, Hiroaki Saso, Shihoko Aoki
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3568450

・Why are there so many extreme opinions online?: An empirical analysis comparing Japan, Korea, and the United States
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3568457

・The relationship between time spent playing mobile games and wellbeing
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3568469

●そのほかの成果
・出演「ネット記事にコメント欄は必要?モラルを欠いた空間も 投稿者の論理とは」(Abema Prime、Abema TV、5月19日放送)
出演内容の記事: 「人々を過激にし、社会を分断している…? ニュースサイトのコメント欄、それでも必要?」
https://times.abema.tv/posts/7054690

・読売中高生新聞 シゴトビト「経済学者 山口真一さん」(2020年4月24日号、p.10)
https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200424_chukopageimage.pdf

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【メディア情報】庄司昌彦研究員のデータ利活用研究に関わる成果

●コメント掲載
連載・個人データは誰のモノ(ニュースイッチ、日刊工業新聞社)
・#00「感染者との接触通知も…打倒コロナへデータ活用は救世主か」
https://newswitch.jp/p/21902

・#01「コロナ後の基盤に…あなたのデータ生か」
https://newswitch.jp/p/21901

・#05「参入相次ぐ「信用スコア」、“炎上”の教訓と未来展望」
https://newswitch.jp/p/21990

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【活動紹介】「災害時コミュニケーションを促進するICT利活用に関する首長研究会」

櫻井美穂子研究員が代表を務める「GLOCOMレジリエントシティ研究ラボ」本研究会が活動2年目を迎えました。
今年度は2つの分科会を実施し、さらに議論を深めます。
・分科会①「災害支援・受援のための情報共有リファレンス/参照モデル(仮称)」の作成
・分科会②「パーソナル情報とローカル情報の組み合わせによる住民意識の向上と危険エリアへの個別情報伝達」に関する共通ガイドライン(仮称)の作成

●GLOCOM レジリエントシティ研究ラボ 「災害時コミュニケーションを促進するICT利活用に関する首長研究会」のご案内はこちら

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■ 新型コロナウイルス感染症に関する対応について ■
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●研究ワークショップ開催の見通しについて

研究ワークショップ(毎月第3木曜)は、この度の新型コロナウイルスの感染症対策に伴い開催を見合わせておりますが、
現在、6月中をめどにオンライン開催での再開を検討しています。

決まり次第、改めて皆様にご案内をさせていただきます。
ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

※お問い合わせ: info_pf[at]glocom.ac.jp

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GLOCOMでは国や都からの要請に基づき、新型コロナウイルス感染症の対応として、現在、全所員を対象に在宅勤務や時差通勤等を実施しています。
そのため、オフィスならびに所員への電話でのご連絡が繋がらずご迷惑をおかけする場合がございますが、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。

●GLOCOMへのご連絡について
当面の間、GLOCOMならびに所員へのご連絡は、電子メール等をご利用ください。

※GLOCOM代表へは、以下のURL(お問い合わせ)よりご連絡いただけます。
http://www.glocom.ac.jp/contact
折り返し、担当者よりご連絡させていただきます。

ご不便をおかけいたしますが、重ねてご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。

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今月もMonthly Topicsをお読みくださりありがとうございました。
東京でも緊急事態宣言解除の声がそろそろ聞こえてきてはいますが、いずれ訪れるであろうウィルスの第二波への備えなど気が抜けません。引き続きどうぞご自愛ください。

※GLOCOMのSNSアカウント※
Twitter https://twitter.com/iuj_glocom
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国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
i-プラットフォーム 担当:武田・安藤
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TEL:03-5411-6677 FAX:03-5412-7111
Email: g-pub[at]glocom.ac.jp
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(2020年5月22日配信)

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