2020.02.07

DISCUSSION PAPER_No.16(20-002)「モバイルゲームのプレイ時間と幸福感の関係」

モバイルゲームのプレイ時間と幸福感の関係

山口真一(国際大学GLOCOM 主任研究員・講師)

要旨

本研究では、仮説「モバイルゲームを適度な時間プレイすると、そうでない場合に比べて幸福感が高くなる」を検証する。幸福感を表す指標として、生活満足度と幸福の4指標の2種類を用いる。約5,000件のアンケート調査データを分析した結果、1日に約2時間以下モバイルゲームをプレイしている場合は、全くプレイしない場合に比べて生活満足度が有意に高くなった。 また、幸福の4指標については、「つながりと感謝」は時間的制約なく、「独立とマイペース」は1日に約1時間半以内のプレイであれば、モバイルゲームをプレイしている方が、そうでない場合に比べて幸福感が有意に高くなった。一方で、「自己実現と成長」と「まえむきと楽観」は、1日に約2時間以上モバイルゲームをプレイしている場合、全くプレイしない場合に比べて幸福感が低くなった。以上の結果を総合的に考えると、モバイルゲームを1日に約1時間半以下プレイしている場合は、全くプレイしていない場合に比べて幸福感が高くなると考えられる。そして、1日に約2時間以上プレイしている場合は、一部の幸福感は有意に低下するものの、生活満足度は有意な低下をしなかった。

キーワード

モバイルゲーム、幸福感、生活満足度、ゲーム産業

2020年2月発行

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