兵庫県養父市の棚田(GLOCOM撮影)

農業におけるIT導入・活動を推進するための方策を、定量・定性調査の両面から導出し、政策・社会提言につなぐプロジェクト

日本の農業は、国際的にみて労働生産性が極めて低い上に、農業従事者の高齢化、後継者不在による耕作放棄地の増加などさまざまな問題を抱えている。しかし一方では、情報技術を活用した次世代型農業として「スマート農業」が注目を浴びている。かつて耕運機、田植え機、脱穀機などの導入によって、くわやすきなどによる手作業が機械化されたように、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボットを活用することによって、農業従事者の経験と勘がデータ化され農業における情報化・自動化が進むことが期待されている。
しかし、スマート農業のための技術やツール、システムが揃えば、農業の情報化・自動化が進むというわけではない。ある程度の経営規模がないと情報化投資は難しいし、新しい農業の担い手をどう確保するのかという課題もあれば、大規模化が容易でない中山間地域のスマート農業化をどう進めるのかという問題もある。特に中山間地域の農地は、国土保全や自然環境の保護、良好な景観の形成などの多様な役割を持っており、これを維持することは社会的課題でもある。
こうした課題の解決を目指し、情報産業研究会からの委託で2017~2019年度の3年間にわたり、農林業センサスデータを活用した分析や、農業従事者を対象にしたアンケート調査、さらに農業ITサービスを提供する起業家や有識者等を対象としたヒアリング調査を実施した。さらに、それらの成果をもとに農業分野に求められる政策および農業IT事業者に対する提言書をとりまとめ公表し、自民党 情報産業振興議員連盟に所属する議員および農業IT関係者を対象としたシンポジウム開催などの活動を行った。

名称 少子高齢・人口減少社会におけるIT活用分野の特定とIT導入インパクト予測
形態 委託
プロジェクトオーナー 情報産業研究会
プロジェクトリーダー 小林奈穂
プロジェクトメンバー 前川徹、山口真一、佐相 宏明、彌永 浩太郎
活動内容
  • 農業従事者、農業IT事業者らを対象としたインターネットアンケート調査
  • 農林業センサスデータを活用した分析
  • 農業関係者・農業IT事業者・有識者へのヒアリング調査
実施期間 2017年4月~2020年3月

成果物

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