デジタル×街づくり=新価値創造のための人材育成勉強会

本勉強会は、複数の企業からの30代~40代半ばの参加者を念頭に、新しい街づくりのモデルやデータ活用によるスマートシティの取組み、それを実現するためのビジネスモデル変革を伴うCX向上、さらに社内組織変革について、企業や自治体における事例(ケース教材)をベースに議論し、実践的・理論的理解を深めることを目的としています。
ITを起点とした街づくりのビジネスモデル構築に必要となるのは、テクノロジーの理解、ユーザー(住民)の理解、テクノロジーが可能とする新しい暮らしや街のビジョン、そしてテクノロジーの進化を活用したビジネスモデルの構想力です。
勉強会を通じて、他社からの参加者との議論により視野を広げるとともに、DX・デジタルなどへの理解を踏まえ、従来のビジネスの枠を超えた発想力を育成し、住民(サービス利用者)への新しい付加価値創出、ビジネスモデル構築を行うことのできる人材を育成します。
社会・技術システム(下図)の4つの要素について深く理解することにより、新しい街づくりビジョンやビジネスモデルの構想につなげます。


名称 DX街づくり・ビジネスデザイン勉強会
形態 共同研究
プロジェクトリーダー 櫻井美穂子
活動内容 街づくりとDXに関する勉強会の開催(全5回)
実施期間 2021年~

勉強会概要

構成:グループ・クラス討議を中心にした1回2.5時間のセッションを計5回開催します。

Day1 グループ・クラス討議
ケース①②:パナソニックのFujisawaサスティナブル・スマートタウン

 

Day2 グループ・クラス討議
ケース③:ANAにおけるDXと社内変革

 

Day3 レクチャー:DXの考え方・フレームワーク
前橋市が進めるスマートシティを題材に進める予定

 

Day4 グループ・クラス討議
ケース④:会津若松スマートシティ

 

Day5 ラップアップ+クラスプレゼンテーション

進め方:講師より提示する討議のための質問(2~3点)について、3~4名のグループで事前討議のうえ、クラス討議に臨んでいただきます。

ケース教材
次の4つの教材を利用予定。それぞれ参考資料含め20ページ程度。各勉強会の事前または当日、ケースに関する質問が提示されます。

①「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン パナソニックの挑戦~モノづくりから街づくりへ~」(2015年8月刊)

ケース概要:2014年11月に神奈川県藤沢市に誕生した「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン(FSST)」。この事業を手掛けるのは日本を代表する電機メーカーのパナソニック株式会社。彼らにって街の開発に携わるのは初めての試みだった。パナソニックの事業領域である電気機器の商品サイクルは半年から約1年間で、通常、ビジネスで求められる時間軸は長くても3年程度だった。 しかしながら、Fujisawa サスティナブル・スマートタウンが目指すのは100年続く街づくり。街の将来について、少なくとも10年単位の時間軸を持つことが要求される。 モノづくりから街づくりへ――。商品の大量生産・大量販売により利益を稼ぐ従来型ビジネスから脱却し、パナソニックが目指す新たなビジネスモデルについて議論するケース。

②「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン2~街づくりは“つくる”から“育てる(Co-creation)”へ」(2019年4月刊)

ケース概要:街びらきから4年が経ったFSSTでは、街の約8割が完成を迎えていた。街の完成に向けた街づくりが継続しているのに加え、FSST内では①新たな事業創出、②まち親活動が活発に行われていた。①では、大和運輸の宅配デリバリーサービス、学研による学習塾運営、さらにはドコモとの協働によるIoT実証実験など、街びらき時にはなかったサービスが新たに創出され、街の価値を高めている。②では、FSSTの住民が「まち親」となり、新住民のウェルカムパーティや防災イベント、セミナー等の実施を積極的に行っている。パナソニック内部では、街で展開される様々なサービスや住民主体の活動により蓄積されたデータの活用に向けた議論も活発化している。街を育てるフェーズに入ったFSSTでどのようなマネジメントが必要になっているかを議論するケース。

③「ANAグループが実践するデジタルトランスフォーメーション~「人財とデジタルの融合」を目指して~」(2020年4月刊)

ケース概要:ANAホールディングス株式会社は、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「攻めのIT経営銘柄 」(東京証券取引所の上場会社の中で、IT活用に戦略的に取り組む企業)に、2018年、2019年と連続で選ばれた。2019年には、「攻めのIT経営銘柄」選定企業の中から、デジタル時代を先導する企業を表彰するために新設された「DX(デジタルトランスフォーメーション )グランプリ」を受賞している。ANAグループのデジタル戦略が掲げるのは「人財とデジタルの融合」。イノベーション戦略チームの新設、社内意思決定プロセスの簡略化、デザイン思考を取り入れた新しい社内DX研修など、組織内変革を進めてきた。DX実践の成功要因について、企業内変革とIT変革の観点から議論するケース。

④ケース教材「会津若松スマートシティ~市民参加によるデータ駆動型スマートシティを目指す」(2020年4月刊)

ケース概要:2011年8月にアクセンチュアが会津若松市に開設した福島イノベーションセンター。地元自治体、企業、住民らとの協働を経て、東日本大震災の復興から新たな街づくりの起爆剤となった。会津若松の伝統工芸や歴史、文化を残しながら市民の生活をより便利に、そして外部から人を呼び込むためのスマートシティ構想が8年かけて実行されていった。2019年4月にはスマートシティ推進拠点となるオフィスビル「スマートシティAiCT(アイクト)」が誕生。様々な企業を呼び込むことに成功した。ただし会津若松が目指すのは、あくまで“市民中心”のスマートシティ。データ共有を促すしかけや市民参加のインセンティブ、データ共有がもたらす新たな価値と価値配分、資金負担の在り方など、データ駆動型スマートシティ実現に向けた課題や未来展望を議論するケース。

本勉強会に関するお問い合わせ

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
Mail: info_is[at]glocom.ac.jp

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