2023.10.18

DISCUSSION PAPER_No.22(23-001)「日本におけるコミュニティノートの受容 ―成功か失敗か、偏りはあるのか」

日本におけるコミュニティノートの受容 ―成功か失敗か、偏りはあるのか

田中辰雄(横浜商科大学 教授/国際大学GLOCOM 主幹研究員)

 

要旨

コミュニティノートは、誤情報の修正を、専門的なファクトチェック機関ではなく、無名の人の多数の人の力で行う仕組みである(Crowd-sourced misinformation management)。日本で導入されて1か月後の時点でのユーザへのサーベイでは、この仕組みはユーザの支持を得ている。「役にたつ」、「誤情報を知ることができる」、「コミュニティノートでツイッターは良くなった」と思う人がそう思わない人より圧倒的に多いからである。リベラル論客の中にはコミュニティノートはリベラル側のツイートにばかり付くと批判する向きがある。確かにその傾向はあるが、その原因としては保守側が積極的にノートを使って書き込みをしている可能性だけでなく、そもそもリベラルのツイートが異議申し立て型なのでノートが付きやすい可能性があり、原因ははっきりしない。いずれにせよサーベイ回答者をリベラル的な人だけに限っても、コミュニティノートの導入でツイッターは良くなったと答える人が多いため、肯定的な評価は動かない。このように肯定的な評価が優勢な理由は、ノートを書く投稿者たちが、ノートには意見を書くのではなく重要な関連事実だけを書くという原則をいまのところ守っているからと考えられる。

キーワード

ツイッター、X、フェイクニュース、ファクトチェック、SNS、クラウド

 

2023年10月発行

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