2024.04.01

DISCUSSION PAPER_No.24(24-001)「画像生成AIについてのクリエイターの賛否は割れている」

画像生成AIについてのクリエイターの賛否は割れている

田中辰雄(横浜商科大学 教授/国際大学GLOCOM 主幹研究員)
谷川和幸(関西学院大学 法学部 教授)
井出草平(多摩大学 情報社会学研究所 客員准教授)
中川譲 (宝塚大学 メディア芸術研究科 特任教授)

#本研究はJSPS科研費 JP 20H00056の助成を受けたものである

 

要旨

クリエイターが画像生成AIをどう見ているかを、クリエイター自身へのアンケート調査で調べた。まず、画像生成AIの使用法のうち、半分は創作のヒントなどで、出力された絵が世に出て行かない使い方である。次にクリエイターの半数以上が、生成した絵に大きな加工を加えるなら著作権を認めると述べるが、それでも著作権を認めない人も2~3割存在する。そして画像生成AIが無断で人の絵を学習することへのクリエイターの反発は強く、6割程度の人が問題視している。最後に、全体として、画像生成AIを肯定的にとらえるか否定的にとらえるかを尋ねると、両者は相半ばし、どちらかが多数というわけではない。画像生成AIを新しい画像表現の可能性として肯定的にみる見方と、クリエイターの努力を無にし、打撃を与えると否定的に見る見方は、それぞれ同じ程度に賛同を得ている。すなわち、画像生成AIについてのクリエイターの賛否には多数派がおらず、現在は過渡期と考えられる。

キーワード

AI、画像生成AI、著作権、クリエイター、コミケ

 

2024年4月発行

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