画像生成AIについてのクリエイターの賛否は割れている
#本研究はJSPS科研費 JP 20H00056の助成を受けたものである
要旨
クリエイターが画像生成AIをどう見ているかを、クリエイター自身へのアンケート調査で調べた。まず、画像生成AIの使用法のうち、半分は創作のヒントなどで、出力された絵が世に出て行かない使い方である。次にクリエイターの半数以上が、生成した絵に大きな加工を加えるなら著作権を認めると述べるが、それでも著作権を認めない人も2~3割存在する。そして画像生成AIが無断で人の絵を学習することへのクリエイターの反発は強く、6割程度の人が問題視している。最後に、全体として、画像生成AIを肯定的にとらえるか否定的にとらえるかを尋ねると、両者は相半ばし、どちらかが多数というわけではない。画像生成AIを新しい画像表現の可能性として肯定的にみる見方と、クリエイターの努力を無にし、打撃を与えると否定的に見る見方は、それぞれ同じ程度に賛同を得ている。すなわち、画像生成AIについてのクリエイターの賛否には多数派がおらず、現在は過渡期と考えられる。
キーワード
AI、画像生成AI、著作権、クリエイター、コミケ
2024年4月発行