Researcher

専任・併任研究員

伊藤将人 いとう まさと

研究員/講師
博士(社会学)

■研究分野
地域政策学、地域社会学、地方移住、移住定住交流政策、モビリティ、持続可能なまちづくり、地域課題解決

私は、社会学・政策学を専門としています。研究テーマは、①「持続可能な地域社会」の実現に向けた方策と、②「モビリティ(移動性)」に関連する社会事象や制度政策です。具体的には、「地方移住(田舎暮らし・UIJターン・田園回帰)」と、移住定住促進政策の研究を専門としています。

グローバリゼーションやデジタル化、技術革新により、ヒト・モノ・情報などのモビリティが高まる現代においては、地域やそこで暮らす人びとを固定的に捉えず、常に変化する流動的な存在として把握する必要があります。しかし、従来の制度政策や事業は、必ずしも適切にこれらの変化に対応できていません。

私はこうした新しい時代の地域とモビリティの背後にある、社会的、政治的、経済的な構造と力学を明らかにすることで、企業がどのような視点に立ち新たなサービスや事業を実施すべきか、政府は何を重視して制度政策を設計すればよいかを中長期的な視点で明らかにし、解決策を提示しています。

地域やモビリティをめぐる未来や課題解決策に正解はありません。だからこそ、科学的な調査分析や、専門性を踏まえた対話や議論が大切です。私は、マルチステークホルダーを前提とした議論検討の設計と実施に加え、インタビュー調査やフィールドワークに基づく調査分析、地域関連事業の企画運営やコーディネート・ファシリテーションを得意としています。

移住定住促進、観光交流促進、関係人口促進、その他のモビリティ関連政策や事業、持続可能なまちづくり/地域活性化などに関心がある方は、まずはお気軽にご連絡ください。

略歴

1996年、長野県出身。博士(社会学)。一橋大学大学院社会学研究科、日本学術振興会特別研究員を経て2024年より現職。専門は地域社会学・地域政策学。研究分野は、地方移住・移住定住政策研究、地方農山村のまちづくり研究、観光交流や関係人口など人の移動と地域に関する研究。多数の地域連携/地域活性化事業の立ち上げに携わり、2事業が長野県地域発元気づくり大賞を受賞。Abema Prime Newsや毎日新聞をはじめ、メディアにも多数出演・掲載。

主要業績

  • 「自治体による地方移住政策の現状と三つの課題」『月刊自治研』2024年1月
  • 「なぜ団塊世代の地方移住は積極的に促進されたのか─国の研究会報告書における移住促進言説の正当化/正統化戦略に着目して─」『日本地域政策研究』2023年9月
  • 「地域おこし協力隊制度の分析によるモビリティと政策の関連性の一考察─Kaufmannのモティリティ概念アクセス・スキル・認知的専有に着目して─」『一橋社会科学』31: 40-49. 2023年7月
  • 「戦後日本の国土計画における地方への移住促進言説の変遷〜全国総合開発計画−第二次国土形成計画の分析より〜」『計画行政』46(2): 46-53. 2023年5月
  • 「地方自治体における文化政策と移住促進の関連性についての一考察─兵庫県豊岡市における「演劇のまちづくり」を事例として─」『地域活性研究』18: 169-178. 2023年3月
  • 「地方創生における地方移住促進の正当化論理と課題─ベストのクレイムのレトリック分析を援用して─」『都市社会研究』15: 143-156. 2023年3月

主要講演・出演・口頭発表

  • シンポジウム登壇「Innovation of Mobilities Paradigm: Considering Algorithmic Mobilities」Ritsumeikan University and University of South Australia Research and Educational Exchange Agreement Conference, 2024年3月
  • 講演「「なぜ?」から考える、“これから”の地域社会 ─つながり・地域資源を生かした、将来世代中心のまちづくりへ─」入間地区社会教育推進全国協議会、2024年2月
  • 講演・ファシリテーション「地方創生とは何か?地域活性化とは何か?私たちにできることを考える」綾部商工会議所青年部、2023年3月
  • 神戸新聞にて取材記事掲載「豊岡「演劇のまち」掲げた市長はなぜ敗れた? 市民との「過程」共有難しく」(2021年8月)
  • 講演「SDGs×地方創生×イノベーション -持続可能なまちづくりを考える-」地域公開講座,中部学院大学・中部学院大学短期大学部、2021年2月
  • 信濃毎日新聞にて取材記事掲載「「やむなく移住」組もいる 居心地よくなる支援を」(2021年1月)
  • Abema Prime Newsに出演「コロナ禍で”田舎最強説” 家賃20万円→1万円に! ”生活する環境”お金・仕事は? 移住者の生活から考える」(2020年5月)

主要委員歴

2018-2019年 長野県池田町 第六次総合計画審議委員
2020-2021年 長野県千曲市 日本遺産「月の都 千曲」事業 アドバイザー
2021-2022年 長野県池田町 池田町立高瀬中学校「総合的な学習の時間」アドバイザー

受賞歴

  • 日本計画行政学会 第43回全国大会 優秀研究発表賞 受賞報告「「移住者」とは誰か-長野県池田町における住民の暮らしに着目して-」2020年
  • 国際公共経済学会 第37回研究大会 奨励賞 受賞論文「地方自治体による政策的移住促進の誕生と展開 ―熊本県におけるUターン制度とテクノポリス構想の関連に着目して―」2022年
  • 農村計画学会2022年度秋季大会 優秀発表賞 受賞報告「戦後日本における都市から農村への「移住者」像の歴史的変遷-『⾷料・農業・農村⽩書(農業⽩書)』の移住⾔説に着⽬して-」2022年

学歴

2019年3月 長野大学環境ツーリズム学部卒業(環境ツーリズム)
2021年3月 一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学)
2024年3月 一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学)

経歴

2022年-2024年  日本学術振興会特別研究員(DC2)
2023年-2024年  島根県立大学看護影響学部 非常勤講師(社会学)
2023年-2024年  筑波学院大学経営情報学部 非常勤講師(政策事情特論, 行政教養, 行政実務特論)
2023年-現在   武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所 客員研究員
2024年-現在   国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員・講師
2024年-現在   立命館大学 衣笠総合研究機構 客員研究員

競争的資金

  • 2024年-2025年 「地方自治体による移住定住促進の推進拡大と地方創生関係交付金の関連性」若手研究者のための地方財政研究助成事業
  • 2023年-2024年 「「ニッチ」や「スキマ」と呼ばれる観光対象をめぐる視点と趣向性の社会学的考察」メタ観光研究助成
  • 2022年-2024年 「地方移住から地方定住への転換-移住者と地元住民の社会的葛藤と再移住の構造分析-」特別研究員奨励費

関連リンク

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