Innovation Nippon「生成AIと日本2026」
近年、生成AI(大規模言語モデルや画像生成AIなど)は、急速に社会へ浸透しています。個人による情報収集や文章・画像の作成にとどまらず、企業における業務支援や試作開発、教育・行政分野での試行的な活用など、その利用範囲は着実に広がっています。一方で、生成AIは利便性の高い技術であるがゆえに、その影響は個人の利用行動にとどまらず、組織や制度、社会的信頼のあり方にも及んでいます。
このような状況で、わが国における生成AIの社会実装が進む中で生じている変化と課題について検討するには、実証研究を実施し、エビデンスベースで進めることが肝要です。そこで本研究では、全国規模のアンケート調査およびインタビュー調査を軸に、生成AIの利用実態や意識、社会的影響に関する幅広な研究を行い、わが国がとるべき施策について検討し、以下の9個の提言を導出しました。
生成AI時代における社会実装の方向性についての提言
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第一の方向性:生成AIの利用機会を社会全体に広げる
- 生成AI政策の重点を「普及率中心」から「利用機会の格差是正」へ広げる
- 社会全体に向けた基礎的AIリテラシー教育を強化する
- AIリテラシー教育を講座中心から日常利用の中で学べる仕組みへ転換する
- AIの利用領域と人間の判断の役割を整理する
- 企業のAI導入支援を操作教育から運用ガバナンス整備へ重点転換する
- AI利用において検証と批判的思考を重視する教育を推進する
- 企業はAI導入の効果を測定する仕組みを整備する
- 行政AIは人の代替ではなく行政サービスへのアクセス改善に活用する
- 生成AI社会の目標を効率化ではなく人間の活動の高度化に置く
第二の方向性:安全で信頼できるAI利用環境を整備する
第三の方向性:AI活用による社会的価値の拡張
| 名称 | Innovation Nippon 2026 |
| 形態 | 委託研究 |
| プロジェクトオーナー | グーグル合同会社 |
| プロジェクトリーダー | 山口真一 |
| プロジェクトメンバー | 山口真一 (国際大学GLOCOM 教授) 渡辺智暁 (国際大学GLOCOM 教授) 逢坂裕紀子(国際大学GLOCOM 研究員) 大島英隆 (国際大学GLOCOM 研究員) |
| 実施期間 | 2025年4月~2026年3月 |
※ Innovation Nipponは、国際大学GLOCOM が、グーグル合同会社のサポートを受けて2013年に立ち上げた研究プロジェクトです。情報通信技術(IT)を通じて日本におけるイノベーションを促進することを目的とし、法制度や、産業振興・規制緩和等の政策のあり方、ビジネス慣行などに関する産学連携プロジェクトを行い、関係機関の政策企画・判断に役立ていただくための提言などを行っています。
※ 報告書表紙、本ページイメージは、UnsplashのTOKYOLUV氏が撮影した写真を加工して作成しました。