Researcher

専任・併任研究員

逢坂裕紀子 おうさか ゆきこ

研究員
修士(学際情報学)

■研究分野
デジタルアーカイブ、文化社会学、文化資源、記録管理、DX

私は、デジタルアーカイブを対象として、文化資源や記録の保存と利活用について研究しています。2012年より、地域や各機関と連携して文化資源情報の調査収集、文化財や記録のデジタル化、データベース構築、オープンソースソフトウェアを利用したデジタルアーカイブ公開など、データ作成から公開にいたるデジタル文化・知的情報資源の利活用促進に取り組んできました。

デジタルアーカイブは、90年代におけるインターネットの急速な発展を背景とした情報化社会の到来とともに登場しました。現在では、デジタルアーカイブを通じて文化知的情報資源の公開・閲覧・利用がひろく普及しています。さらに、「ジャパンサーチ」など、多様な領域のデジタルアーカイブを連携して、ネットワーク上で統合的に情報提供を行うためのプラットフォームも整備されつつあります。

領域横断的なデジタルアーカイブ連携の推進においては、知的所有権や情報公開に関して異なる秩序や合理性を有しているステークホルダーを包摂し、関係性を構築していくことが必要です。これらデジタルアーカイブをめぐる技術的というよりは社会的・文化的な問題に注目し、デジタルな文化・知的情報資源の持続的な利用可能性やアクセシビリティの実現に貢献する研究を進めています。

略歴

東京文化財研究所研究補佐員、東京大学文書館特任研究員を経て2023年より現職。地域における文化資源情報やオーラル・ヒストリー収集、文化財のデジタル化とデータベース構築、オープンソースソフトウェアを使ったデジタルアーカイブシステム運用などに携わるなかで、DX時代における文化資源情報や記録の保存と利活用について、社会学的観点から研究を行う。人工知能を利用した公文書の利活用に関する多国籍学際プロジェクトInterPARES Trust AIに参画。

主要業績

  • 「不忍池の景観の変遷:下町と山手の境界空間」、『青淵』vol.883 pp.36-38、2022年10月
  • 「上野エリアにおける近代美術工芸界の形成と変遷にかかわる<ひと・もの・こと>のデータベース構築に向けて」、人文系データベース協議会 第24回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」論文集 pp.41-48、2019年3月
  • 「スポーツを遊ぶ ! 近代スポーツ発祥の地をたどる 神田・皇居・後楽 園めぐり」、東京文化資源会議文化資源ガイドブック4(日本語, English, 中文)、2018年9月
  • 「博物館資料における地域資料の活用 : 東京国立博物館館史資料『大震災関係書類』から」、アート・ドキュメンテーション研究 = The bulletin of Japan Art Documentation Society 23 pp.18-32 、2016年3月

主要講演・出演・口頭発表

  • 「デジタルアーカイブから文化のベースレジストリへ」、文化のDXを考える~CulTech Forum Japan2022、国際大学GLOCOM、2022年5月17日
  • 「東京大学文書館のデジタルアーカイブの構築と運営」令和3年度全史料協関東部会第309回定例研究会、全史料協関東部会、2021年7月16日
  • 「Reinforcing Relevance and Creating New Network: A Case Study of Exhibition Development with Diverse Players in Yanaka, Tokyo」, ICEE 2019 Conference SESSION II “Reinforcing Relevance in Exhibition Exchange,” ICOM Kyoto 2019. 2019年9月
  • 「Land Use of the Ueno Park as Evacuation Area in Disaster from a Case of the Great Kanto Earthquake」、Harvard GSD Japan Summer Workshop、2016年7月

学歴

2008年03月 筑波大学第一学群社会学類社会学専攻卒業(社会学)
2011年03月 東京大学大学院学際情報学府修士課程修了(学際情報学)
2018年03月 東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学

経歴

2016年8月~2019年6月 東京文化財研究所 研究補佐員
2018年9月~2019年6月 東京大学情報学環吉見俊哉研究室 特任研究員
2019年7月~2023年3月 東京大学文書館 特任研究員
2023年4月~現在 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 研究員

リンク

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