私は、インターネット文化をメディア現象として位置づけ、その分析に一貫して関心を寄せてきました。なかでも、ソーシャルメディア上で展開される、女性を担い手とする表現文化の分析を中心的な研究テーマとしています。
近年、ソーシャルメディアを発信源とする多様な文化現象が注目され、マスメディアではしばしば「若者文化」として一括りに紹介されます。しかし、個々の現象を精査すると、そのような単純化では捉えきれない複雑さと多様性が見えてきます。
その中でも、女性ネットユーザーによる自撮り投稿やVlog投稿といった表現文化に着目し、これらをジェンダーや消費社会との関係から読み解くことが、現在の私の研究課題です。
略歴
慶應義塾大学文学部卒業。同大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(学術)。2022年4月より共立女子大学非常勤講師などを担当。2025年4月に国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 併任研究員に就任。2025年2月より集英社新書プラスにて連載「界隈民俗学」開始。
主要業績
- 「性的自撮りが可能にする『見せる主体』 ――裏垢女子をめぐる視覚文化論的研究」学位論文 2024年9月
- 「『性教育』としてのティーン雑誌――1980年代の『ポップティーン』における性特集の分析」 メディア研究 104 87-105 2024年3月
- Study of gender equality in the Higher Education sector in Japan – Findings from a desk study of existing research and key stakeholder interviews Kakei, D.、Yamauchi, M. British Council 2024年
- 「性的自撮りにみる『見せる主体』としての女性」 現代風俗学研究 (20) 53-62 2020年9月
- 『メディアと若者文化』加藤 裕康、小寺 敦之、山内 萌、山森 宙史、立石 祥子 新泉社 2023年10月3日
主要講演・出演・口頭発表
- 『ABEMA Prime』ABEMA 2025年3月19日
- 「いま、カルチャーに出会う場所はどこ?」渡辺祐真(スケザネ)、大島育宙、山内萌、速水健朗、九龍ジョー、碇雪恵『文化系トークラジオ Life』TBSラジオ2025年2月23日
- 「『祭り』の終わりと就職氷河期世代――弱者男性は陰謀論を抜け出せるか?」藤田直哉、雨宮純、山内萌『ゲンロンカフェ』 2025年2月15日
- 「界隈民俗学 第1回『界隈』という結界」『集英社新書プラス』2025年2月14日
- 「子どもの恋愛・性事情をどこまで理解しているか…”少女漫画の性描写”に過剰反応する親が知らないリアル」『PRESIDENT Online』2025年2月7日
- 「美と女子のシンギュラリティ!?――ガングロからぴえんまで」久保友香、山内萌『ゲンロンカフェ』 2024年12月16日
- 『ABEMA Prime』ABEMA 2024年11月21日
- 「『弱者男性』と文化戦争――ジョーカー、頂き女子、とべとべ手巻き寿司」藤田直哉、速水健朗、山内萌『ゲンロンカフェ』 2024年10月9日
- Exploring Youth Perspectives in Social Media Content Creation Moe Yamauchi, Mariko Kobayashi, Young-Joo Lee, Justitia Avila Veda APrIGF 2023/8/30
- 「『ゼロ年代情報社会論』再考 ――現代的有効性の検討」山内萌『2022年度 社会情報学会 関東支部 研究発表会・研究会』 2023年3月13日
- 「メディア文化から『若者』を問うことの現在地 YouTube、自撮り、パブリックビューイングの事例から」 山森宙史、山内萌、菊地映輝、立石祥子、加藤裕康『日本メディア学会メディア文化研究部会』 2022年12月26日
- 「若年ユーザーによるインターネットを通じた『離接的』コミュニティの形成」 山内萌『日韓次世代学術フォーラム第19回国際学術大会』 2022年8月19日
- 「セッション報告『#承認が生み出すコンテンツ文化』」 中村香住、関根麻里恵、山内萌『コンテンツ文化史学会2019年大会 』 2019年12月15日
- 「コスプレイヤーが求める『書き割り』としての神社」 山内萌『コンテンツツーリズム学会第4回研究会』 2018年11月11日
- 「アニメ聖地巡礼にみる新たな場所性のあり方」山内萌『京都人類学研究会関東地区研究懇談会2016年度修士論文・博士論文発表会』 2017年3月18日
学歴
2017年 慶應義塾大学大学院社会学研究科社会学専攻 修士(社会学)
2024年 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 博士(学術)
経歴
2017年4月-2021年11月 楽天株式会社
2022年4月-2025年3月 武蔵野大学アントレプレナーシップ研究所 リサーチアシスタント
2022年4月-2025年3月 産業能率大学 非常勤講師
2022年4月 共立女子大学 非常勤講師
2024年12月 大妻女子大学 非常勤講師
2025年4月 武蔵大学 非常勤講師
2025年4月 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 研究員(併任)